“アコギと歌”だけで放つ、阿部真央の鮮烈なロック・ミュージック
1月21日にメジャーデビューアルバム「ふりぃ」をリリース。数多くのメディアに絶賛され、早くも熱狂的なオーディエンスをがっちり掴みつつある阿部真央――今年19歳になったばかりのシンガーソングライター――が、アルバムのリリースを記念した<ふりぃライブ>を行なった。アコースティック・ギターの弾き語りでも衝撃的なインパクトを放つ彼女だが、この日は4人編成(ギター×2、ドラム、ベース)のバンドをフィーチャー、激しく、切なく、愛おしい楽曲たちをよりダイレクトに表現してみせた。
ライブはアルバム「ふりぃ」のポップな側面を支えるアップチューン「want you DARLING」からスタート。バンドが生み出すタイトなビートとともにステージに登場した彼女は、客席に向かってニコッと笑いかけ、ゆっくりとアコギを手にする。そして最初の声が響いた瞬間、会場の空気が一変パキッと張りのある、それでいて凛とした情感をたたえたボーカルがなんだかとても気持ちいい。ずっとこの声を聴いていたい、ついそんなことを思ってしまう。
3曲目の「MY BABY」(彼女が生まれた初めて作ったという、切なくもセクシーなラブソング)では、ハンドマイクでのパフォーマンスを披露した。アコギを抱えた姿しか見たことがなかったので、これはかなり新鮮。オーディエンスとしっかりコミュニケーションをとりながら、ステージと客席の距離を近づけていく彼女はライブ全体を心から楽しんでいるように見える。ポップ・アイコンとしての資質も、じゅうぶんに持っているようだ。
「“ふりぃらいぶ”に当選されて、みなさん、年明け早々ラッキーですねえ。みなさまの運をもらいつつ、阿部真央の元気をあげたいと思います」というユニークなMCのあとは、アコギの弾き語りコーナー。“人の心なかに土足で上がりこむんじゃないよ!”という強い感情を響かせる「デッドライン」がはじまったとたん、またしても会場の雰囲気が変わる。さっきまでのポップな空気ではなく、怒りをともなった強烈なエモーションが広がっていくのだ。たとえば泉谷しげるがそうであるように、彼女は“アコギと歌”だけで鮮烈なロック・ミュージックを表現することができるのだ。
「私がここに立つきっかけになった歌です」という未発表曲「母の唄」(彼女はこの歌を、高校2年生のときに参加したオーディションで歌っている)も印象的だった。女手ひとつで自分を育ててから母への思いを全身から漲らせる――その姿を目の当たりにすればきっと、どんな人も心を動かされるはずだ。19歳にして彼女は、すでに情念にも似た凄みを身にまとっている。
再びバンドを迎え入れて、ライブ後半へ。まっすぐで純粋な恋心を描き出していく「貴方の恋人になりたいのです」、子供から大人になっていく時期の繊細な心の揺れをテーマにした「17歳の唄」。さまざまな感情にフォーカスしながら、彼女のボーカルは楽曲によって大きく色を変えていく。
アンコールでは未発表曲の「モンロー」(マリリンモンローをテーマにした可憐なポップ・チューン。かわいい)に続き、アルバムのタイトル曲「ふりぃ」。「生きるのだ今を」というメッセージを投げかけるロックチューンを浴びながら、オーディエンス(高校生のカップルからスーツ姿の会社員まで、じつに幅広い)が楽しそうに身体を揺らしている。
あまりにも豊かな表現力、リアルな思いだけが高い純度で伝わってくる楽曲、強いエモーションを放ちながら観る者を惹きつけていくパフォーマンス。初めてのワンマンライブで阿部真央は、その才能と魅力を思い切り見せ付けてくれた。ここから彼女はもっともっと大きいステージに向かって加速していくはずだ。
文●森朋之
<阿部真央のふりぃらいぶ>
2009月1月28日(水)@SHIBUYA O-WEST
1.want you DARLING
2.人見知りの唄~共感してもらえたら嬉しいって話です~
3.MY BABY
4.キレイな唄
5.デッドライン
6.コトバ
7.情けない男の唄
8.母の唄
9.貴方の恋人になりたいのです
10.17歳の唄
11.I wanna see you
En1.モンロー
En2.ふりぃ
<九州限定ツアー【阿部真央ライブNo.0】>
3月21日(土)大分T.O.P.S
3月23日(月)福岡DRUM Be-1
3月24日(火)長崎DRUM Be-7
3月26日(木)佐賀GILES
3月28日(土)熊本DRUM Be-9
3月29日(日)宮崎SR BOX
3月31日(火)鹿児島SR HALL
◆BEAウェブサイト
◆阿部真央オフィシャルサイト
◆阿部真央マイスペース
◆iTunes Store 阿部真央(※iTunesが開きます)
ライブはアルバム「ふりぃ」のポップな側面を支えるアップチューン「want you DARLING」からスタート。バンドが生み出すタイトなビートとともにステージに登場した彼女は、客席に向かってニコッと笑いかけ、ゆっくりとアコギを手にする。そして最初の声が響いた瞬間、会場の空気が一変パキッと張りのある、それでいて凛とした情感をたたえたボーカルがなんだかとても気持ちいい。ずっとこの声を聴いていたい、ついそんなことを思ってしまう。
「“ふりぃらいぶ”に当選されて、みなさん、年明け早々ラッキーですねえ。みなさまの運をもらいつつ、阿部真央の元気をあげたいと思います」というユニークなMCのあとは、アコギの弾き語りコーナー。“人の心なかに土足で上がりこむんじゃないよ!”という強い感情を響かせる「デッドライン」がはじまったとたん、またしても会場の雰囲気が変わる。さっきまでのポップな空気ではなく、怒りをともなった強烈なエモーションが広がっていくのだ。たとえば泉谷しげるがそうであるように、彼女は“アコギと歌”だけで鮮烈なロック・ミュージックを表現することができるのだ。
「私がここに立つきっかけになった歌です」という未発表曲「母の唄」(彼女はこの歌を、高校2年生のときに参加したオーディションで歌っている)も印象的だった。女手ひとつで自分を育ててから母への思いを全身から漲らせる――その姿を目の当たりにすればきっと、どんな人も心を動かされるはずだ。19歳にして彼女は、すでに情念にも似た凄みを身にまとっている。
再びバンドを迎え入れて、ライブ後半へ。まっすぐで純粋な恋心を描き出していく「貴方の恋人になりたいのです」、子供から大人になっていく時期の繊細な心の揺れをテーマにした「17歳の唄」。さまざまな感情にフォーカスしながら、彼女のボーカルは楽曲によって大きく色を変えていく。
アンコールでは未発表曲の「モンロー」(マリリンモンローをテーマにした可憐なポップ・チューン。かわいい)に続き、アルバムのタイトル曲「ふりぃ」。「生きるのだ今を」というメッセージを投げかけるロックチューンを浴びながら、オーディエンス(高校生のカップルからスーツ姿の会社員まで、じつに幅広い)が楽しそうに身体を揺らしている。
あまりにも豊かな表現力、リアルな思いだけが高い純度で伝わってくる楽曲、強いエモーションを放ちながら観る者を惹きつけていくパフォーマンス。初めてのワンマンライブで阿部真央は、その才能と魅力を思い切り見せ付けてくれた。ここから彼女はもっともっと大きいステージに向かって加速していくはずだ。
文●森朋之
<阿部真央のふりぃらいぶ>
2009月1月28日(水)@SHIBUYA O-WEST
1.want you DARLING
2.人見知りの唄~共感してもらえたら嬉しいって話です~
3.MY BABY
4.キレイな唄
5.デッドライン
6.コトバ
7.情けない男の唄
8.母の唄
9.貴方の恋人になりたいのです
10.17歳の唄
11.I wanna see you
En1.モンロー
En2.ふりぃ
<九州限定ツアー【阿部真央ライブNo.0】>
3月21日(土)大分T.O.P.S
3月23日(月)福岡DRUM Be-1
3月24日(火)長崎DRUM Be-7
3月26日(木)佐賀GILES
3月28日(土)熊本DRUM Be-9
3月29日(日)宮崎SR BOX
3月31日(火)鹿児島SR HALL
◆BEAウェブサイト
◆阿部真央オフィシャルサイト
◆阿部真央マイスペース
◆iTunes Store 阿部真央(※iTunesが開きます)
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