INORAN、闇・死から喚起される光の生命力を繊細な歌詞とサウンドで描き出す問題作5thアルバム『apocalypse』リリース大特集

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INORAN「5thアルバム『apocalypse』リリース」大特集

闇・死から喚起される光の生命力を繊細な歌詞とサウンドで描き出す問題作


――アルバム・タイトル、今回はまた非常に重みも深みもある言葉になりましたね。

INORAN:自分でもよくわかんないんですけど、このアルバムのテーマとかはね。でもなんか、後からそれを紐解いていける曲であったり、アルバム・タイトルもそういうものにしたかったんですよ。(このタイトルは)難しい言葉じゃないですか? いろんな意味もあるし。この言葉の本当の意味とかはまだ僕も理解しきれてない。だから、この言葉と向き合ったり調べたりしながら、自分もこれから先、そうやって紐解いていくなかで、この言葉に育てられていくんじゃないかなと。

――向き合ったりというところでは、確かに収録されてる楽曲も聴き手が“はっ”とするような問い掛けを投げかけてくるものが多いですね。

INORAN:投げかけてんのかなぁ。俺も作っててよくわかんないんだけど(笑)。今回は(詩を)他の方にも書いてもらったんで、そこがたぶん強くなってると思うんです。自分が詩を書くよりも先に書いてもらったんで。その詩に感化された詩の世界ではあると思います。

――そもそも、今回はなぜ他の人にも歌詞をお願いしようと?

 

INORAN:今回はやはり、詩だったり言葉だったりっていうのを自分でももっともっと欲したっていうのがあったんですね。それは常日頃なんですけど。いまの自分を当てる鏡であるもの(詩)を欲した。だからこそ、他の人に書いてもらったんですけど。それをしたことによって、今回はすごく詩の世界観とういか、アルバムの世界観が広がったのでよかったと思います。自分ではこういう詩はたぶん書かないし、書けないと思うんですよ。やっぱり自分のボキャブラリーというか、経験にはないものですからね。例えば『千年花』や『Regret』の戦争ってものは。それを歌えるってことは、すごく自分の種にもなるんですよ。

――作詞をお願いする曲はどうやって決めたんですか?

INORAN:数曲渡して、このなかで書きたいものがあれば書いてくださいと。その曲とメロディで自由に書いてもらいました。

――じゃあ戦争をテーマにした歌詞が上がってきたときはちょっと驚いた?

INORAN:そうですね。さっきもいったように、僕は戦争も経験してないし、知らないほうだと思うんですけど、彼女(作詞をした)は経験があって。友達を失ったこととかがあって、リアルなんですね。僕がこれを書いたらリアルじゃない。だから、リアルなものに対してどれだけ自分が(歌で)“彼”になれるか。それはすごくいい経験でした。

――『時の葬列』は『Regret』に触発されて書いた楽曲なんですか?

INORAN:必ずしもそうではないです。この曲と『Hydrangea』はレコーディング終盤にできた曲で、レコーディングしながらこの2曲は絶対に必要だなと思ってた。まだ形も見えなかったんですけど、なぜかそう信じて作ってました。だから、どこがどうつながってるかはわからないんですけど、照らし合ってる気はしますね。

――『Hydrangea』は紫陽花という意味ですけど。紫陽花から触発されたものはあったんですか?

INORAN:ありましたね。レコーディングしてるときに道を歩いてて、紫陽花が目に留まったんです。

――歌詞のなかの“僕は君の鏡でありたい”というフレーズ、きましたね~。こういうこと言われてみたいなって(笑)。

INORAN:はいはいはい。俺もそうでありたいです(笑)。

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