陰陽座、4つの鬼が極限の姿を曝す渾身の8thアルバム『魑魅魍魎』リリース特集

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陰陽座 つの鬼が極限の姿を曝す渾身の7thアルバム『魑魅魍魎』リリース特集

ヘヴィメタルのあらゆる要素を呑み込んだ激作が登場


――このタイトルに相応しい作品を完成させることは、かなりハードルの高い行為でもあるはずですよね?

瞬火:確かにこれ以上に妖怪っぽい言葉はないとも言えるわけで、「ここで使っちゃっていいのか?」というのも、なくはないですからね(笑)。ただ、そんなにもこのタイトルに縛られはしなかったというか、必要以上の気負いはなかったですね。むしろ単純に「これまで本当にこのタイトル、使ってなかったっけ?」と自分でも一瞬、考えてしまったくらいで(笑)。

――そして話は戻りますけど、このタイトルに相応しい内容を追求した結果が“すべての特質が余すところなく、しかも手加減なく収められたアルバム”になったわけですよね? そういった意味でこのアルバムは、まだ陰陽座を聴いたことのない人たちにとっての“入口”にも相応しいものなんじゃないか、と思えます。

瞬火:そうですね。ここから聴き始めてもらっても何の問題もない。確かにバンドによっては、“入口”を誤るとわかりにくかったり、誤解が生じてしまったりすることがあるじゃないですか。実際、僕ら2人は兄弟で、田舎の実家にいた頃は部屋も一緒だったんで、僕が買ってきたメタルのCDをかけていると、それを横で聴きながら「カッコいいなあ」と密かに思っていた弟が、そのバンドの次の新譜を、先回りして買ってきたりするわけですよ(笑)。ところがそこで、「これ、こないだのと全然違うじゃん!」みたいなことになるケースが、実はよくあって(笑)。

招鬼:はははは! そういう失敗は、確かに重ねてきましたね(笑)。

瞬火:たとえばモトリー・クルー。僕がよく聴いてた『ドクター・フィールグッド』を密かに気に入っていた弟が買ってきたのが、ヴォーカルがヴィンス・ニールからジョン・コラビに代わってから出た『モトリー・クルー』というアルバムで。「ヴォーカルの人、違うじゃん!」みたいな(笑)

招鬼:そういう辛い目には、何度も遭ってます(笑)。

 

――しかし陰陽座に限っては、そういった心配はない、と?

瞬火:はい。弟が先に『魑魅魍魎』を買ってきたりしたら、兄貴は地団駄踏むでしょうね(笑)。ま、でも、そこで2人で仲良く聴いてくれれば、と(笑)。どんなバンドでも最新作が最高傑作だと思ってるでしょうし、そう言うのが当たり前という風潮もありますが、陰陽座の場合は、本当にどんなタイミングであろうと最新作から入ってきていただいて問題ないし、常にそういう気持ちで作ってます。ことにこの『魑魅魍魎』については、そういう問題は絶対にないと言い切れます。ま、でも、カタいことは抜きにして、兄弟愛を育むためにもこの『魑魅魍魎』を手に取っていただければ、と(笑)。このアルバムをじっくりと聴きこんでいただければ“ツアー対策”もバッチリですから。

取材・文●増田勇一

 
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