陰陽座、4つの鬼が極限の姿を曝す渾身の8thアルバム『魑魅魍魎』リリース特集

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陰陽座 つの鬼が極限の姿を曝す渾身の7thアルバム『魑魅魍魎』リリース特集

ヘヴィメタルのあらゆる要素を呑み込んだ激作が登場


――実際、曲順が違っていたら、かなりアルバムとしての印象も変わってくるはずだと思うんです。それこそシャッフルして聴くだけで全然違うかもしれない。この曲順を決めるうえでは、かなりアタマを悩ませることになったんじゃないですか?

瞬火:僕、曲間/曲順フェチなんです(笑)。曲順については、僕がザッと並べてみた状態から変わることはあまりなくて。みんなに聴かせたときに「これは違うんじゃないか?」という話になることは、ほとんどないですね。だから悩んだとか苦労したというよりは、ちょっと異常なくらいこだわって作ったという感じですね。この流れじゃないと嫌だ、というくらいの気持で。だからまあ、本当にシャッフルで聴いたりしたらまったく印象が違ってくるはずですけど、最初からそうやって聴くことだけは勘弁して欲しいですね(笑)。100回ぐらい聴いた後でシャッフルするなら構いませんけど(笑)。

――曲順についてモメることがほぼ皆無だというのは、メンバー全員にとっての“気持ちのいいツボ”がちゃんと一致しているということでもあるわけですよね?

招鬼:そうですね。しかも今回の場合、全12曲のうち11曲が瞬火の作詞/作曲ですけど、「この曲の次にはこういう曲が欲しい」という発想で作っていたりする部分も大きいみたいだし。

瞬火:全部がそうではないですけど、そういうところは確かにありますね。「こういうふうに繋げたい」というところから発想が膨らんできたりとか。

招鬼:結果、そうやって作られてきた曲というのは、「そこになければならないもの」になっているので。

 

――ある意味、発想としてはDJ的なのかもしれませんね。次にかけたいものを探すのか、自分で作るのかという差があるだけで。

瞬火:さすがにDJというものの経験がないのでキッパリとは言えませんけど(笑)、そうなのかもしれませんね。それが“流れ”を作りながら“場”を演出していくという行為なんだとすれば、確かに同じなのかなという気もする。

――曲順に関してもうひとつ言うと、最後の最後に「にょろにょろ」で思い切り突き抜けてしまう展開がすごいな、と。すごく失礼な形容かもしれないですけど、たとえば欧米のメタル・バンドがアルバムを出そうとしたときに、想像以上にヒットしてしまった先行シングルを入れなければならなくなったんだけども、結果、いちばん最後にボーナス・トラック的に突っ込むしかなかった、というのに似ている気がするんです。

瞬火:なるほど。ところがこの曲がシングルでもなんでもないところに陰陽座というバンドの面白さがあるな、と自分では思っています。これがもし本当に先行シングルだったなら「ああ、ここに入れるしかなかったのね」ということになるでしょうけど、シングルじゃないし、入れろと言われて入れている曲でもない。でも僕たちとしては、「最後はこの曲で締めないと無理!」というくらいの確信をもって、ここにこの曲を置いている。アルバムの終盤の展開としては、怒涛の大作を経て、壮大なバラードがきて……という流れができたところで物語はすでに成立しているし、この流れを音楽的に気に入っている人ならば、もはやここで充分すぎるほど引き込まれているはずなんです。ただ、そこでちょっと涙腺が緩んできたとき、陰陽座としては最後にスタッフ・ロールが画面に流れている場面で、エンディング・テーマとしてこの曲が聴こえてきて欲しいんですよ。そこでこの曲が出てきたら、僕たちとしては号泣なわけです(笑)。

 
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