アンダーグラウンド・ヒップホップを牽引する精鋭たち
2008年3月17日(月)、TSUTAYA RECORDSが主催するイベント<GO OUT! Vol.2>が渋谷のO-Eastで開催された。この日はTHA BLUE HERB、SEEDA、SD JUNKSTA、そしてGEEK(OKI, SEI-ONE, DJ EDO)という日本のアンダーグラウンド・ヒップホップを牽引する精鋭たちが出演。シーンの先端を捉えようと集結したヘッズの熱気が、会場全体に渦巻く。
いきなりのフリースタイルから登場したGEEK(OKI, SEI-ONE, DJ EDO)の三人は、あえて2MC+1DJというオーソドックスな編成の中から、今の日本語ヒップホップが表現できる可能性を抉り出していく。その流暢なステージ捌きからは貫禄すら漂い、集まった観客を一気に音と言葉の魔術の中に引きずり込んだ。
続いて登場したSD JUNKSTAは、NORIKIYOやBRON-Kといった個性的なMCを擁する超注目のグループ。巧みなリリックと骨太なトラックが融合するマイクリレーはまさに日本語ヒップホップの一つの臨界点だ。最後は先日発売されたばかりのBRON-Kのアルバム『奇妙頂来相模富士』から、メロウな「何ひとつうしなわず」を全員で披露し、感動的に締める。
そしてステージに上がったのはSEEDA。とにかく、吐き出される言葉の重みが違う。2006年末の『花と雨』から、先日リリースされた『HEAVEN』までの彼のリリックの進化には目を見張るものがあるが、その実力をこの日のステージでも遺憾なく発揮。彼こそが、現在の日本のヒップホップ熱を再燃させた新たなヒーローだ。衝撃だったのが『街風』収録の「MIC STORY」。この曲で実現したIll Bosstinoとのコラボレーションが、ついにライヴでも再現されたのだ。会場も尋常ではない盛り上がりを見せる。行きかう言葉、乗せられる想い。世代を超えて交わされた魂の会話に、その日その瞬間に会場にいた者すべてが打ち震えた。最後はSCARSの面々が集結するといううれしすぎるサプライズで、鮮やか過ぎる締めくくり。
そしてこの日のトリを飾ったのがTHA BLUE HERB! 超絶クールで完成度抜群のトラックをDJ DYEが果敢にスクラッチし、Ill Bosstinoが登場すると、その第一声でぎゅっと観客の心をわしづかみにする。BOSSが放つラッパーとしての求心力は研ぎ澄まされるばかりだ。これぞ1MCの底力! その場にいた誰もがBOSSの言葉を待ち焦がれている。そしてBOSSは渾身の力でその想いに応え、言葉を降り注ぐ。彼の言葉がどれだけのヘッズを勇気づけ、生きる力を与えていることだろう。
それを象徴するかのように、本編ラストの「MAINLINE」では“止まるな、終わるな、迷うな”というラインで、日本全国に散らばる若き才能を鼓舞する感動的な一幕が。1999年の1stアルバム『STILLING, STILL DREAMING』で日本のヒップホップ・シーンに衝撃を与えて以来9年間、今も第一線で走り続ける彼だからこそ発せられるその想いは、その場に集った若きラッパーとすべてのヘッズの心に届いたはずだ。
ラップ/トラックともにドラスティックな進化/深化を続ける今の日本語ヒップホップ。シーンを見つめるリスナーの期待と、シーンを動かすアーティストのポテンシャルが合致して新たな時代を呼び覚ます、まさに歴史的な一夜を体感できたことに、心から感謝したい。
リポート by 諸根陽介
いきなりのフリースタイルから登場したGEEK(OKI, SEI-ONE, DJ EDO)の三人は、あえて2MC+1DJというオーソドックスな編成の中から、今の日本語ヒップホップが表現できる可能性を抉り出していく。その流暢なステージ捌きからは貫禄すら漂い、集まった観客を一気に音と言葉の魔術の中に引きずり込んだ。
続いて登場したSD JUNKSTAは、NORIKIYOやBRON-Kといった個性的なMCを擁する超注目のグループ。巧みなリリックと骨太なトラックが融合するマイクリレーはまさに日本語ヒップホップの一つの臨界点だ。最後は先日発売されたばかりのBRON-Kのアルバム『奇妙頂来相模富士』から、メロウな「何ひとつうしなわず」を全員で披露し、感動的に締める。
そしてステージに上がったのはSEEDA。とにかく、吐き出される言葉の重みが違う。2006年末の『花と雨』から、先日リリースされた『HEAVEN』までの彼のリリックの進化には目を見張るものがあるが、その実力をこの日のステージでも遺憾なく発揮。彼こそが、現在の日本のヒップホップ熱を再燃させた新たなヒーローだ。衝撃だったのが『街風』収録の「MIC STORY」。この曲で実現したIll Bosstinoとのコラボレーションが、ついにライヴでも再現されたのだ。会場も尋常ではない盛り上がりを見せる。行きかう言葉、乗せられる想い。世代を超えて交わされた魂の会話に、その日その瞬間に会場にいた者すべてが打ち震えた。最後はSCARSの面々が集結するといううれしすぎるサプライズで、鮮やか過ぎる締めくくり。
そしてこの日のトリを飾ったのがTHA BLUE HERB! 超絶クールで完成度抜群のトラックをDJ DYEが果敢にスクラッチし、Ill Bosstinoが登場すると、その第一声でぎゅっと観客の心をわしづかみにする。BOSSが放つラッパーとしての求心力は研ぎ澄まされるばかりだ。これぞ1MCの底力! その場にいた誰もがBOSSの言葉を待ち焦がれている。そしてBOSSは渾身の力でその想いに応え、言葉を降り注ぐ。彼の言葉がどれだけのヘッズを勇気づけ、生きる力を与えていることだろう。
それを象徴するかのように、本編ラストの「MAINLINE」では“止まるな、終わるな、迷うな”というラインで、日本全国に散らばる若き才能を鼓舞する感動的な一幕が。1999年の1stアルバム『STILLING, STILL DREAMING』で日本のヒップホップ・シーンに衝撃を与えて以来9年間、今も第一線で走り続ける彼だからこそ発せられるその想いは、その場に集った若きラッパーとすべてのヘッズの心に届いたはずだ。
ラップ/トラックともにドラスティックな進化/深化を続ける今の日本語ヒップホップ。シーンを見つめるリスナーの期待と、シーンを動かすアーティストのポテンシャルが合致して新たな時代を呼び覚ます、まさに歴史的な一夜を体感できたことに、心から感謝したい。
リポート by 諸根陽介
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