増田勇一のライヴ日記 年末七番勝負（6）2007年12月29日（土）BUCK-TICK＠東京・日本武道館

武道館でBUCK-TICKを観ると、いよいよ本当に年の瀬なのだなと感じさせられる。逆に言えば、このライヴを観ないと1年が終っていく気がしない、ということでもあるわけだが。

例によって詳しい演奏内容などについてはこの場には記さずにおくけども、少なくとも僕個人の記憶をもとに言えば、年末にBUCK-TICKを観てハズれたためしがないし、この夜も彼らは完全無欠なBUCK-TICKを見せつけてくれた。

嬉しかったのは、基本的に“何でもアリ”な場となることの多いこの年末ライヴが、名目上だけではなく内容的にも、最新アルバム『天使のリボルバー』に伴う全国ツアーの追加公演として行なわれたこと。だからあくまで同作からの楽曲が中心に据えられたままだったし、実際、本編のセット・リストは去る10月にC.C.Lemon Hallで観たときと大差なかった。が、僕自身のフェイヴァリット・アルバムである『天使のリボルバー』に伴うライヴというものが、ここで“着地”したという実感を味わうことができたし、だからこそアンコールの自由度の高さがさらに際立ったものとして感じられることにもなった。

終演後は、関係者特権で、都内某所での打ち上げにもお邪魔させていただいた。その場に誰がいたかとか、どんなことがあったかについては、あまりにプライヴェート過ぎるので触れずにおくが、すでに“ツアー日記”でもご報告したとおり、メリーの面々は5人勢揃いで“初参戦”を果たし、気がつけば僕は、どういうわけか“仲人”のようなポジションで呑んでいた。その後、何軒まわったかとか、どんな経路をたどったかについても、やっぱり絶対に書けないが、僕が帰宅したのが夜明けよりは正午に近い時刻だったこと、なんだか妙にノドに疲労感があったことだけは認めておこう。

そんなことはともかく、2008年のBUCK-TICKからも目を離さずにおきたいところである。もしかしたら、しばらくは地下潜伏期間が続くことになるのかもしれないけども、絶対に彼らは“BUCK-TICKにしかカタチにできないもの”をひっさげて戻ってきてくれるはずだから。

増田勇一