セカイイチ、『世界で一番嫌いなこと』インタビュー
最新アルバム『世界で一番嫌いなこと』は、男臭く、アングラな匂いも濃厚、それでいて聴きやすいポップソングという、セカイイチの特徴をすべて含んでいるが、一方、バンドで作った曲をコンピュータソフトで再構築するという新たな手法を取り入れ、アナログ的な生バンドとデジタルのテクノロジーを融合させた意欲作になった。これまでのサウンドを一度壊してみたら新たなものが生まれてきたと語る岩﨑慧(Vo/G)に、最新作について話を訊いた。
岩﨑慧(以下岩﨑):曲は去年からけっこう作りためてあったんです。レコーディングは去年の9月から8ヶ月くらいかけました。全部の曲をいっぺんに録ったわけじゃなくて、曲ができて形にしたいと思った順に録っていったんで。ただ今回は、アレンジを途中で全部壊してやり直したりしていたんで、レコーディングよりも自分たちのプリプロのほうが時間がかかりましたね。
岩﨑:いやこれは今回初めてですね。今回は作り方をちょっと変えたんです。まずバンドで曲を作って、それを一回全部壊してアレンジを作る、というやり方でやってみたんです。
岩﨑:たとえばフォークミュージックでも、ただフォークミュージックじゃなくて、そこに今現在の音楽の要素を少し入れる、僕はそういうのが好きなんですね。自分がいま歌ってる歌にそういうやり方を融合させてもいいんだと気づいたんです。今回はそういうところから始まって、1曲1曲が脳でも聴けるし身体でも反応できるような、そんなアルバムにしたいなと思ってました。
岩﨑:そうですね。今までの延長でやる部分ももちろんあるけど、変えようと思ったことも多かったです。自分たちが今までやってきていた音楽の作り方に、ちょっと満足できなくなってきていたから、劇的に変えたいと思ってました。
岩﨑:作り方を変えて、それで変わったのは肉付けの方法ですかね。曲の骨組みは変わってないんですけど、それにどう洋服を着せるかというところが、今までとは違うと思います。
岩﨑:いや、そこまで利口にはなれなかったんですけど(笑)。この曲が新しいやり方の第一弾としてできあがったんです。それで、じゃあこれでいいんじゃないってことで、その後のアルバムの曲をこの方法で作っていったという。この曲は、アレンジをし直す前の状態もかなりよくて手応えがあった曲なんで、第一弾シングルにしたんです。今回、“蒼い衝動”みたいなものを込めたいと思っていたんですが、この曲は一番それが入ってるなと思ったし。
岩﨑:初期衝動、みたいなものかな。たとえば最初にギター買ったとき、家に持って帰ってからもう、うわーって興奮して弾くじゃないですか。そんな衝動に近いものがこの曲には入ってると思ったんで、これをリード曲にしたんです。
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