Dir en grey、新シングルを語る<後編>
お待たせしました! Dir en greyの最新インタビュー後編では、ついに世に放たれた「DOZING GREEN」の歌詩世界と、あまりにも興味深いカップリング収録曲「HYDRA -666-」について掘り下げていくことにする。まずは前編にしっかりと目を通したうえで、この深みにはまりこんでいただきたいところだ。
――「DOZING GREEN」というタイトルを直訳すると“緑色にまどろんでいく”という意味合いになりますよね。緑を基調とした混沌とした色味を連想させられるんですが。
京:雰囲気はまさにそんな感じですね。まず浮かんだのが、緑のなかに立ってるようなイメージだったんですよ。で、普通やったらそこで爽やかな感じになるんでしょうけど、僕の場合は“何かが病んでいるからそう感じるようになるんや”と考えてしまう。たとえば綺麗な緑色の草原に見えても、土の下には何が埋まってるかわからないじゃないですか。表面だけしか見ずにいたら、気付かないことなんてたくさんある。そう思ったときに、なんか緑のなかに堕ちていくような感覚をおぼえたんですよね。
――今回の歌詩は完全に日本語主体ですけど、何かそれが意図するものはあるんでしょうか?
京:いや、べつに。いつものように、書きたいように書いただけです。ただ、とりあえず今は打撃系の表現をする気分ではないというか。それに飽きたとかではなく、そこを超えた感じがありますね。ちょっと違うところを見ないとなあと思う部分もあるし。内容的にも、なんかこう突き抜けた感じというか、一線を超えた感じというか。たとえば“怒り”の先にあるものだったり、“優しさ”の先にあるものだったり、綺麗なものの裏側だったり……これはそういうものについての歌ですね、感覚的には。
――今回はこの曲に加え「HYDRA -666-」と、ライヴ音源による「AGITATED SCREAMS OF MAGGOTS」が収められています。後者については説明不要だと思うんですが、前者は2000年発表のアルバム、『MACABRE』に収録されていた「Hydra」の新型ヴァージョン。この曲を再構築しようと考えた動機というのは?
薫:最初からこの曲だけに限定して考えてたわけじゃないんですけど、何かリアレンジしてやってみよう、ということになって。そもそもデジタル的な雰囲気を持ってたものを今のバンド・サウンドで再構築するという感じなんで、比較的イメージしやすかったというのもあって。実際、やってみてカッコ良くなかったら他の曲に取り組んでたはずだと思うんですけど、最初に着手したのがこれだったんです。結果、今の自分たちの音になってるというか、今なりの空気は取り込めてるんじゃないかと思いますね。
Die:わりとスムーズに行きましたね。ただ、全部を新しくしてしまうと意味もなくなってしまうというか、それならそういう新曲を作ればいいってことになるじゃないですか。だからプレイ自体は変えつつも、以前弾いてたときのニュアンスをちょっと入れてみたりとか。そういう試みが自分としては面白かったですね。
Toshiya:新鮮であるのと同時に、以前の「Hydra」に思い入れがある人が聴いても納得してもらえるものになったんじゃないかと思いますね。
Shinya:プレイに関しては、まったく新しく変えてしまうほうがむしろ簡単なんですけど、前のニュアンスも残したかったので、そのさじ加減が難しかったですね。でも、今の自分たちならではのものになったと思います。
京:歌詩については一箇所しか残ってないですからね、前のやつと比べると。見てる方向というのも、多分、もう違ってる。なんか、今の自分が納得いくように作ったらこうなった、という感じですね。
――“666”という数字については何か意味が?
京:全然(笑)。ただ、自分のなかでそういう感じがしたんですよね。曲自体が、いい意味でアカン変わり方をしたなって思えて。ヤバい変わり方というか。
――2007年、「Hydra」は邪悪な変貌を遂げた、と。
京:うん。単純にそういうことです。悪魔とかそんなんは、関係ないです(笑)。
――「DOZING GREEN」にも「HYDRA -666-」にも、宗教的というか儀式的な空気を感じます。それは最近のライヴにも重なることでもありますが。
京:確かにそういう方向を向いてないこともないですね。ただ、もちろん特定の宗教を研究してるとかそういうことではないし、すべてはあくまで感覚で作ってるんですよ。感覚的なものだけで勝負したかったというか。今、“声”で作り出す空気感というものにすごく興味があるんで。
――なるほど。ところで今後、「Hydra」以外にも過去の曲が生まれ変わる機会というのはありそうですか?
薫:どうでしょうね(笑)。ま、そういうことにも少し意欲的に取り組んでみようかというアイディアも出ていたりはします。どういうタイミングで、どういうカタチでやるかってことはわからないですよ。これまでと同様に、ライヴで何かを突然やるようなことも考えられるだろうし。実際、“過去”にもヒントはいくつかあると思うんですよ。新しい何かを目指すっていうのは、過去も現在も未来もすべて呑み込んだうえで、自分らにしか作れない世界を作るってことだと思うんで。
増田勇一
●最新シングル「DOZING GREEN」PV映像を大公開!
https://www.barks.jp/watch/?id=1000020112
また、今年3度目の国内ツアーを発表。2月の北米ヘッドラインツアーに始まった2007年の公演数は年間100公演を突破し、本ツアーで、バンド史上過去最高の112公演を敢行。全公演、サポートアクトとして昨夏の“THE FAMLY VALUES TOUR”を共にした10YEARSの来日が決定!日程は下記の通りだ。
12月05日(水) 神奈川県・横浜BLITZ
[問]フリップサイド 03-3470-9999
12月06日(木) 神奈川県・横浜BLITZ
[問]フリップサイド 03-3470-9999
12月08日(土) 京都府・KBSホール
[問]サウンドクリエーター 06-6357-4400
12月09日(日) 京都府・KBSホール
[問]サウンドクリエーター 06-6357-4400
12月11日(火) 愛知県・Zepp Nagoya
[問]サンデーフォークプロモーション 052-320-9100
12月12日(水) 愛知県・Zepp Nagoya
[問]サンデーフォークプロモーション 052-320-9100
12月14日(金) 大阪府・なんばHatch
[問]サウンドクリエーター 06-6357-4400
12月15日(土) 大阪府・なんばHatch
[問]サウンドクリエーター 06-6357-4400
12月17日(月) 東京都・新木場STUDIO COAST
[問]フリップサイド 03-3470-9999
12月18日(火) 東京都・新木場STUDIO COAST
[問]フリップサイド 03-3470-9999
12月19日(水) 東京都・新木場STUDIO COAST
[問]フリップサイド 03-3470-9999
●Dir en grey、新シングルを語る<前編>はこちら
https://www.barks.jp/news/?id=1000034959
●オフィシャルサイト
http://www.direngrey.co.jp/
――「DOZING GREEN」というタイトルを直訳すると“緑色にまどろんでいく”という意味合いになりますよね。緑を基調とした混沌とした色味を連想させられるんですが。
京:雰囲気はまさにそんな感じですね。まず浮かんだのが、緑のなかに立ってるようなイメージだったんですよ。で、普通やったらそこで爽やかな感じになるんでしょうけど、僕の場合は“何かが病んでいるからそう感じるようになるんや”と考えてしまう。たとえば綺麗な緑色の草原に見えても、土の下には何が埋まってるかわからないじゃないですか。表面だけしか見ずにいたら、気付かないことなんてたくさんある。そう思ったときに、なんか緑のなかに堕ちていくような感覚をおぼえたんですよね。
――今回の歌詩は完全に日本語主体ですけど、何かそれが意図するものはあるんでしょうか?
京:いや、べつに。いつものように、書きたいように書いただけです。ただ、とりあえず今は打撃系の表現をする気分ではないというか。それに飽きたとかではなく、そこを超えた感じがありますね。ちょっと違うところを見ないとなあと思う部分もあるし。内容的にも、なんかこう突き抜けた感じというか、一線を超えた感じというか。たとえば“怒り”の先にあるものだったり、“優しさ”の先にあるものだったり、綺麗なものの裏側だったり……これはそういうものについての歌ですね、感覚的には。
――今回はこの曲に加え「HYDRA -666-」と、ライヴ音源による「AGITATED SCREAMS OF MAGGOTS」が収められています。後者については説明不要だと思うんですが、前者は2000年発表のアルバム、『MACABRE』に収録されていた「Hydra」の新型ヴァージョン。この曲を再構築しようと考えた動機というのは?
薫:最初からこの曲だけに限定して考えてたわけじゃないんですけど、何かリアレンジしてやってみよう、ということになって。そもそもデジタル的な雰囲気を持ってたものを今のバンド・サウンドで再構築するという感じなんで、比較的イメージしやすかったというのもあって。実際、やってみてカッコ良くなかったら他の曲に取り組んでたはずだと思うんですけど、最初に着手したのがこれだったんです。結果、今の自分たちの音になってるというか、今なりの空気は取り込めてるんじゃないかと思いますね。
Die:わりとスムーズに行きましたね。ただ、全部を新しくしてしまうと意味もなくなってしまうというか、それならそういう新曲を作ればいいってことになるじゃないですか。だからプレイ自体は変えつつも、以前弾いてたときのニュアンスをちょっと入れてみたりとか。そういう試みが自分としては面白かったですね。
Toshiya:新鮮であるのと同時に、以前の「Hydra」に思い入れがある人が聴いても納得してもらえるものになったんじゃないかと思いますね。
Shinya:プレイに関しては、まったく新しく変えてしまうほうがむしろ簡単なんですけど、前のニュアンスも残したかったので、そのさじ加減が難しかったですね。でも、今の自分たちならではのものになったと思います。
京:歌詩については一箇所しか残ってないですからね、前のやつと比べると。見てる方向というのも、多分、もう違ってる。なんか、今の自分が納得いくように作ったらこうなった、という感じですね。
――“666”という数字については何か意味が?
京:全然(笑)。ただ、自分のなかでそういう感じがしたんですよね。曲自体が、いい意味でアカン変わり方をしたなって思えて。ヤバい変わり方というか。
――2007年、「Hydra」は邪悪な変貌を遂げた、と。
京:うん。単純にそういうことです。悪魔とかそんなんは、関係ないです(笑)。
――「DOZING GREEN」にも「HYDRA -666-」にも、宗教的というか儀式的な空気を感じます。それは最近のライヴにも重なることでもありますが。
京:確かにそういう方向を向いてないこともないですね。ただ、もちろん特定の宗教を研究してるとかそういうことではないし、すべてはあくまで感覚で作ってるんですよ。感覚的なものだけで勝負したかったというか。今、“声”で作り出す空気感というものにすごく興味があるんで。
――なるほど。ところで今後、「Hydra」以外にも過去の曲が生まれ変わる機会というのはありそうですか?
薫:どうでしょうね(笑)。ま、そういうことにも少し意欲的に取り組んでみようかというアイディアも出ていたりはします。どういうタイミングで、どういうカタチでやるかってことはわからないですよ。これまでと同様に、ライヴで何かを突然やるようなことも考えられるだろうし。実際、“過去”にもヒントはいくつかあると思うんですよ。新しい何かを目指すっていうのは、過去も現在も未来もすべて呑み込んだうえで、自分らにしか作れない世界を作るってことだと思うんで。
増田勇一
●最新シングル「DOZING GREEN」PV映像を大公開!
https://www.barks.jp/watch/?id=1000020112
また、今年3度目の国内ツアーを発表。2月の北米ヘッドラインツアーに始まった2007年の公演数は年間100公演を突破し、本ツアーで、バンド史上過去最高の112公演を敢行。全公演、サポートアクトとして昨夏の“THE FAMLY VALUES TOUR”を共にした10YEARSの来日が決定!日程は下記の通りだ。
12月05日(水) 神奈川県・横浜BLITZ
[問]フリップサイド 03-3470-9999
12月06日(木) 神奈川県・横浜BLITZ
[問]フリップサイド 03-3470-9999
12月08日(土) 京都府・KBSホール
[問]サウンドクリエーター 06-6357-4400
12月09日(日) 京都府・KBSホール
[問]サウンドクリエーター 06-6357-4400
12月11日(火) 愛知県・Zepp Nagoya
[問]サンデーフォークプロモーション 052-320-9100
12月12日(水) 愛知県・Zepp Nagoya
[問]サンデーフォークプロモーション 052-320-9100
12月14日(金) 大阪府・なんばHatch
[問]サウンドクリエーター 06-6357-4400
12月15日(土) 大阪府・なんばHatch
[問]サウンドクリエーター 06-6357-4400
12月17日(月) 東京都・新木場STUDIO COAST
[問]フリップサイド 03-3470-9999
12月18日(火) 東京都・新木場STUDIO COAST
[問]フリップサイド 03-3470-9999
12月19日(水) 東京都・新木場STUDIO COAST
[問]フリップサイド 03-3470-9999
●Dir en grey、新シングルを語る<前編>はこちら
https://www.barks.jp/news/?id=1000034959
●オフィシャルサイト
http://www.direngrey.co.jp/
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