Dir en grey、新シングルを語る<前編>
あの『THE MARROW OF A BONE』から8ヵ月。Dir en greyのニュー・シングル、「DOZING GREEN」がいよいよその全貌を現そうとしている。今回はまず、間もなく佳境を迎えようとしている<TOUR07 DOZING GREEN>でも先行披露されてきた、この表題曲に関する話をお届けしよう。もちろんこのインタビューは、ここで完結するわけではない。この楽曲にまつわるさらに深い部分や、同時収録されている「HYDRA -666-」については、次回10月24日の更新分で明らかにしていく。
――そもそも『THE MARROW OF A BONE』の“先”を示すものとして、どういう楽曲が必要だと考えていたんでしょうか?
薫:特に“こういうものであるべき”というのはなかったですね。ただ、『THE MARROW OF A BONE』を突き詰めて作ったからこそ、いい意味でそこからの反動みたいなものはあったし、今までのDir en greyにはなかったものにしたいという意識は、多少なりともありました。わかりにくい言い方かもしれないですけど、従来のDir en grey然とした匂いもありながら、なおかつ今までになかった感じにしたかったというか。実際、この「DOZING GREEN」には、ちょっと昔の自分たちの雰囲気に通ずるものもあると思うんです。でもパーツごとに見てみると、すごく違うことをしていて、現在向かおうとしてる方向に突出した感じにもなってるというか。ただ、そういうことを最初から狙っていたわけではなくて、やってるうちにこうなったんですけどね。
――この曲、実はこのカタチに着地するまでにかなり長いプロセスを経ていますよね? 僕は8月のヨーロッパ・ツアーの際、コペンハーゲン公演のサウンド・チェックのときに、皆さんがステージ上でこの曲を練りこんでいるのを目撃してしまったわけですが。
薫:そうでしたね(笑)。あの日からまた新たにプリプロを始めてたんですよ。曲の原型は、DEFTONESとの全米ツアーに向かう前から実はあって、とりあえずの完成形には至ってたんですけど、それから二転三転して。結果、レコーディングが終わったのは今回の国内ツアーが始まる直前のことでしたからね。
Die:正直、もはや最初に聴いたときの原型というのを憶えてないくらいなんですよ。感じ方がまったく違うものになったんで。でも実際、『THE MARROW OF A BONE』の雰囲気からちょっと離れたかったというのは俺のなかにもあったし、結果的には新しい空気を持ち込んでくれる曲になったと思いますね。これが次のアルバムに向けての第一歩ということになるわけだし。
Toshiya:ツアーの初日にこの曲を演奏したときには、独特の緊張感がありましたね。でも、同時に馴染みやすくもある。今までになかった感じのものには確実になってると思うし、曲の持ってる空気感みたいなものが、他のどの曲とも違う気がする。
Shinya:曲によってはツアーを1本まわり終えたところでようやく掴めるようなこともあるんですけど、この曲はわりと自分のものにしやすかったですね。曲作りの段階で、みんなで合わせながら作ってたことも関係してるのかもしれないですけど。
――これまで、あまりそういう作り方はしてこなかったんですか?
Shinya:昔は結構ありました。
薫:今回みんなで合わせながら作ったのは、単純に時間がなかったからでもあるんですけど(笑)、久しくそういうやり方をしてこなかったし、ちょっとまた違った感覚が出てくるんじゃないかという期待感もあって。最近はずっと、まずコンピュータ上で作って、実際みんなで合わせるのはリハの段階からという感じだったんですよ。でも今回は、カラダで感じながら出てくる雰囲気というのを求めたかったんですよね。その結果なのか、すごくこのバンド特有の“間”が感じられる曲に仕上がったなと思います。
京:うん。思い描いてた世界観がちゃんと構築できてる感じですね。曲の構成とかはどんどん変わってきましたけど、僕自身が作りたかった雰囲気は最初から変わってないんで。
――僕自身がいちばん困っているのは、この曲をどんな言葉で形容すべきかが見つからないことなんです。既成のジャンルでは分類しにくい楽曲ですよね。
薫:ジャンル的なことはあんまり気にしてないんですけど、本当に新しいものっていうのは、作ってる自分たちでも少し違和感があって当然なんじゃないかと思うんです。自分たちが知ってるものだけで構築していったら、結局は過去にやったことがあるもの、聴いたことのあるものになってしまう。それに対してこの曲での自分たちは、いい意味で“まとめようとしてない”というか。それでこそ他にないカタチをしたものができるんじゃないかなと思いますね。
京:完成して、聴いて、他人に説明しようとしたとき、自分でもうまく言えなかったんですよね。で、そこがいいと思ったんです。説明できないところが。それは結局、“新しいものがちゃんと作れてる”ってことだなと思えたから。
増田勇一
この続きは10月24日に公開します。お楽しみに!
●オフィシャルサイト
http://www.direngrey.co.jp/
――そもそも『THE MARROW OF A BONE』の“先”を示すものとして、どういう楽曲が必要だと考えていたんでしょうか?
薫:特に“こういうものであるべき”というのはなかったですね。ただ、『THE MARROW OF A BONE』を突き詰めて作ったからこそ、いい意味でそこからの反動みたいなものはあったし、今までのDir en greyにはなかったものにしたいという意識は、多少なりともありました。わかりにくい言い方かもしれないですけど、従来のDir en grey然とした匂いもありながら、なおかつ今までになかった感じにしたかったというか。実際、この「DOZING GREEN」には、ちょっと昔の自分たちの雰囲気に通ずるものもあると思うんです。でもパーツごとに見てみると、すごく違うことをしていて、現在向かおうとしてる方向に突出した感じにもなってるというか。ただ、そういうことを最初から狙っていたわけではなくて、やってるうちにこうなったんですけどね。
――この曲、実はこのカタチに着地するまでにかなり長いプロセスを経ていますよね? 僕は8月のヨーロッパ・ツアーの際、コペンハーゲン公演のサウンド・チェックのときに、皆さんがステージ上でこの曲を練りこんでいるのを目撃してしまったわけですが。
薫:そうでしたね(笑)。あの日からまた新たにプリプロを始めてたんですよ。曲の原型は、DEFTONESとの全米ツアーに向かう前から実はあって、とりあえずの完成形には至ってたんですけど、それから二転三転して。結果、レコーディングが終わったのは今回の国内ツアーが始まる直前のことでしたからね。
Die:正直、もはや最初に聴いたときの原型というのを憶えてないくらいなんですよ。感じ方がまったく違うものになったんで。でも実際、『THE MARROW OF A BONE』の雰囲気からちょっと離れたかったというのは俺のなかにもあったし、結果的には新しい空気を持ち込んでくれる曲になったと思いますね。これが次のアルバムに向けての第一歩ということになるわけだし。
Toshiya:ツアーの初日にこの曲を演奏したときには、独特の緊張感がありましたね。でも、同時に馴染みやすくもある。今までになかった感じのものには確実になってると思うし、曲の持ってる空気感みたいなものが、他のどの曲とも違う気がする。
Shinya:曲によってはツアーを1本まわり終えたところでようやく掴めるようなこともあるんですけど、この曲はわりと自分のものにしやすかったですね。曲作りの段階で、みんなで合わせながら作ってたことも関係してるのかもしれないですけど。
――これまで、あまりそういう作り方はしてこなかったんですか?
Shinya:昔は結構ありました。
薫:今回みんなで合わせながら作ったのは、単純に時間がなかったからでもあるんですけど(笑)、久しくそういうやり方をしてこなかったし、ちょっとまた違った感覚が出てくるんじゃないかという期待感もあって。最近はずっと、まずコンピュータ上で作って、実際みんなで合わせるのはリハの段階からという感じだったんですよ。でも今回は、カラダで感じながら出てくる雰囲気というのを求めたかったんですよね。その結果なのか、すごくこのバンド特有の“間”が感じられる曲に仕上がったなと思います。
京:うん。思い描いてた世界観がちゃんと構築できてる感じですね。曲の構成とかはどんどん変わってきましたけど、僕自身が作りたかった雰囲気は最初から変わってないんで。
――僕自身がいちばん困っているのは、この曲をどんな言葉で形容すべきかが見つからないことなんです。既成のジャンルでは分類しにくい楽曲ですよね。
薫:ジャンル的なことはあんまり気にしてないんですけど、本当に新しいものっていうのは、作ってる自分たちでも少し違和感があって当然なんじゃないかと思うんです。自分たちが知ってるものだけで構築していったら、結局は過去にやったことがあるもの、聴いたことのあるものになってしまう。それに対してこの曲での自分たちは、いい意味で“まとめようとしてない”というか。それでこそ他にないカタチをしたものができるんじゃないかなと思いますね。
京:完成して、聴いて、他人に説明しようとしたとき、自分でもうまく言えなかったんですよね。で、そこがいいと思ったんです。説明できないところが。それは結局、“新しいものがちゃんと作れてる”ってことだなと思えたから。
増田勇一
この続きは10月24日に公開します。お楽しみに!
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