スピッツ、あくまでも“さざなみ”なこだわりの新作

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10月10日にスピッツのニュー・アルバム『さざなみCD』がリリースされた。バンド結成20周年目にリリースされた今作は、1曲目「僕のギター」からスピッツならではの清涼感溢れるサウンドが広がる作品に仕上がっている。初めて聴いた楽曲にも関わらず、思わず体でリズムをとらせる馴染みやすいサウンドとメロディは、スピッツの持つ安心感のなせる業といえるだろう。彼らの武器ともいえるこの清涼感と安心感は、実に奥が深いのだと感じさせられる。

制作に1年5ヶ月もの時間を費やしたという今作は、彼らの昔ながらの持ち味に新たなエッセンスが加わった、高密度かつ完熟された全13曲が収録されている。制作にこれだけ長い時間がかかったのは、彼らのこだわりが細部まで染み渡っているからだ。今作はマスタリングにもメンバー自ら参加し、全曲を細部までチェックしたほか、最終的に自宅の聴き慣れているオーディオでのチェックを経て完成させたという。

リリース時、メディアや多くのファンが「スピッツが原点回帰した」と感じた「魔法のコトバ」、植村花菜、スキマスイッチの大橋卓弥をバッキング・ボーカルに迎えた「群青」、ファンクラブ・ツアーで演奏された新曲「点と点」「P」、今と昔のスピッツの良さが入り混じったような「トビウオ」、ギターの演奏に草野マサムネの遊び心が入ったタイトル・チューン「漣(さざなみ)」など、彼らの500日以上の日々が52分に凝縮されたこの作品は到底語りつくせない。

しかし、彼らにとってこの作品は、あくまでも“さざなみ”なのだ。いや、もちろん、彼らが今作の制作にかなり力を入れたことは、前述した作品へのこだわりようからもよくわかる。でも、そんな作品を“さざなみ”とサラっと言ってしまうところが、スピッツ流なのだろう。

そして何より、バンド結成から20年経った今も変わることのない草野マサムネの歌声に感謝したい。アルバムを聴き終わった後、こんなにも爽快感があるのは、彼のフラットな歌声があるからこそだ。彼らから届いたコメント映像では、BARKSでしか話していないアルバムに関するエピソードを語ってくれている。こちらもぜひチェックを。

■スピッツ コメント映像
■「群青」PV視聴
■「魔法のコトバ」PV視聴


◆リリース情報
ニュー・アルバム『さざなみCD』
UPCH-1620 ¥3,000(tax in)
2007年10月10日発売

スピッツ オフィシャル・サイト
http://spitz.r-s.co.jp/

スピッツ ユニバーサル公式サイト
http://www.universal-music.co.jp/spitz/
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