[短期集中全力レポート] Dir en grey in Europe 2007 WACKEN OPEN AIR編(2)

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8月4日、ドイツのハンブルク近郊で開催された世界最大規模のヘヴィ・メタル・フェス、『WACKEN OPEN AIR』のステージに立ったDir en greyは、ステージ前の広大な敷地を埋め尽くしたオーディエンスに大歓声をもって迎えられ、結果、その温度を少しも下げることのないままに、その場を去ることになった。

彼らの出演時間は午後5時からの1時間。日本的な常識で解釈すれば「日暮れ時の、雰囲気のいい時間帯」ということになるだろうが、日没が午後9時以降になるのがアタリマエなこの時期のヨーロッパでは、この時間帯は真っ昼間も同然。本来Dir en greyに似つかわしいダークで重々しい雰囲気を演出することは、ほぼ不可能に近い。が、音そのものがしっかりとオーディエンスに受け止められているのを、群衆のなかで観ていた僕は実感することができた。だからこそ、ずっと写真のような光景が続くことになったのである。

終演後、主催者側のあるスタッフは「やはりDir en greyは日が暮れてから演奏すべきバンドだ」と語ったという。もちろんこの言葉が意味するのは、「次にこの場に彼らが訪れるときには、よりヘッドライナーに近い出演枠を用意したい」ということ。実際、今回のライヴの反響の大きさを考えたなら、彼らが『WACKEN OPEN AIR』に戻ってくる日は、そう遠くないのではないかという気がする。

参考までに、この日の動員は事前情報によれば6万人とのことだったが、のちに7万人を超えたとも、結果的に8万人近くに至ったとの話も伝わってきた。実際、正確な数字は今のところわからない。が、Dir en greyが「完全にアウェイ」なはずの状況下、「ブーイング覚悟」で臨んだこの日のライヴが大成功に終わったことは、誰の目にも明らかだったはずである。

文●増田勇一
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