[短期集中全力レポート] Dir en grey in Europe 2007 ロンドン編(4)

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8月2日、カーリング・アカデミーでのロンドン公演第二夜は、現地のファンにとってまさに歴史的な出来事となった前夜の“初UK公演”にまさるとも劣らない熱狂のなかで幕を閉じた。

当地でも高い評価と支持を集めている最新アルバム、『THE MARROW OF A BONE』からの楽曲群に関してはもちろん、「OBSCURE」や「鼓動」といった旧作からの楽曲についてもロンドンのファンは高い瞬発力をもって反応し、この国のオーディエンスが“昨日や今日からのDir en greyファン”ではないことを、僕自身も改めて思い知らされることになった。

写真は終演直後「もしかして、DVDに出てる人ですよね?」と僕に声をかけてきた2人組。思わずそのマニアックな視線にたじろいでいると、彼らはこんなふうにまくしたてた。

「昨夜もすごかったけど、今夜はもっとすごかった! もっともっとDir en greyを観たい。メンバーたちに、こんなイギリスのファンの気持ちを伝えて欲しい」

「今夜は、昨日は演奏されなかった「鼓動」が聴けてものすごく嬉しかった。俺のいちばん好きな曲なんだ。あのイントロを聴いた瞬間、“ワオ!”と思って、こいつ(=メガネの少年)と一緒に肩組んでジャンプしまくっちゃったよ。最高! また1日も早くこの国に来て欲しいな。彼らのライヴを年に何度も観られる日本のファンが羨ましいよ」

また、両日の公演を通じて、何人か日本人のファンの姿も目撃したが、やはり2日間連続で参戦していたある女性ファンと話をしたところ、彼女は昨年からこちらに住み、リーズにある音楽専門学校で勉強しているのだという。

「ここ2年、まったく彼らのライヴを観てなかったんです。日本にいた頃は、それこそ50~60回くらい観てきたと思うんですけど、まさにずっと禁欲生活みたいな日々でした(笑)。今回は、久しぶりに観られるのが嬉しいのと同時に、なんか一言では言い表せないような複雑な心境でした。でも結局、“感動の再会”みたいな気分は初日のアタマ2曲くらいで終わってしまって、それからずっと興奮しっぱなしでした。普段は学校の友達とかにもDir en greyを聴かせまくってるんですよ。今は素直に、私がこっちに住んでいるうちに、また来てくれたらいいのになあと思ってます」

オーディエンスの願いは、間違いなく、一日も早い帰還。さて、それは一体いつ実現することになるのだろう?

文●増田勇一
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