[短期集中全力レポート] Dir en grey in Europe 2007 ロンドン編(3)

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まず結論から言っておこう。8月1日、ロンドンはアイリントンにあるカーリング・アカデミーで欧州ツアー初日を迎えたDir en greyは、超満員の観衆を過剰ともいえるほどに熱狂させ、今月中旬まで続くこのツアー自体も非常に幸先の良いスタートを切ることになった。

この会場のキャパシティは800人。2年前に行なわれたベルリンでの自己初の欧州公演では3,500人を動員している事実もあるだけに、この数字自体は皆さんにとってさほどインパクトのあるものではないかもしれない。が、初めて訪れた国でのライヴで、歌詞が英語だろうと日本語だろうとお構いなしにどんな曲でも大合唱が起こり、日本でのライヴでも大半の観客が条件反射的に“聴き入る”というモードに入る、あの「CONCEIVED SORROW」さえもが、歓声と嬌声、歌詞をしっかりと踏まえた観衆の歌声に包まれた場面は、ある意味、衝撃的だったといえる。詳しい演奏内容に関しては、ここではあまり明かさず、今後、各地での公演レポートを重ねていくなかで徐々に明らかにしていきたいと思うが、とにかくこの夜のバンド/オーディエンス双方が発するエネルギーのぶつかりあいには、すさまじいものがあった。

写真は、終演後に楽屋口の前で、いわゆる“出待ち”をしていた15歳と16歳の男子2人組。声をかけると、こんな言葉が返ってきた。

「なんか、まだ興奮してる。これからメンバーに会うんだよね? これまでに観たことのある、どのバンドのライヴよりもグレイトだったって伝えて欲しい!」

「俺たち、ロンドンに住んでるわけじゃなくて、4時間かけてやってきたんだ。彼らには、すぐにでもまたこの国に帰ってきて欲しい。で、各都市をまわる本格的なUKツアーをやって欲しい。絶対どんな街にも待ってるファンがいるはずだし、俺、彼らがこっちでもすごくビッグになるって確信してるから」

彼らがこんなふうにまくしたてている頃、すでに会場前には翌8月2日の公演に向けての徹夜体制の入場列ができていた。さて、ロンドン第2夜には、果たしてどんなことが起こるのだろうか?

文●増田勇一
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