BUMP OF CHICKEN、498日ぶりにステージに立つ!
7月16日海の日。東京お台場のZEPP TOKYOにて、下北沢のインディーCDショップ「ハイラインレコーズ」の10周年記念イベント「10年目の夏」が開催された。
下北沢のロックをバックアップし続けるショップの10周年を祝うべくPOLYSICSやLOST IN TIMEなど6組のバンドが集結したが、そんな中BUMP OF CHICKENがシークレットゲストとして突然ステージに姿を現わした。
最高のハプニングに湧き上がる歓声の中、思い切り高く手を挙げながらメンバー4人がステージ上に姿を現わす。2006年3月5日の代々木第一体育館以来、実に498日ぶりとなるBUMP OF CHICKENのライヴが、遂に始まった。
強い気持ちが前へ前へと出て行く、実にいいライヴだった。肝心の演奏も、ヴォーカル藤原基央の一言一言はっきりと言葉を伝えながら響く強い歌を軸に、シャープな躍動感を与えられたサウンドが真っ直ぐに放たれて行った。この1年4ヶ月の間、ひたすらソングライティングとレコーディングをし続けた4人の成長を感じさせるパフォーマンスだった。
背に一本筋の通ったリズムをしなやかに叩き出す升秀夫のドラム。昂揚しながらも、安定したグルーヴで楽曲を支える直井由文のベース。時に大きなストロークを描くのが印象的だった増川弘明の衝動的なギター。そして何よりも強い藤原の歌。音楽という唯一無二のコミュニケーションを心から信じる歌い手が、全身全霊をかけながら思いのすべてを言葉とメロディに大切に乗せる歌は、その強度がまったく違う素晴らしいものだった。
登場してから演奏を終えるまでの間、藤原が、直井が、増川が、何度も何度も拳を高く掲げていた。升も、何度も立ち上がりながら、スティックを高く掲げていた。それは“帰ってきたんだ”と告げる挨拶というよりも、“俺らはいつもここにいるんだ”という確固たる意思表明として、ステージ上に映えていた。
ライヴでの初お披露目となった現時点での最新曲「涙のふるさと」。サビの“会いに来たよ”というリフレインが、CDで聴いていた時よりも強くダイレクトに心に響く。この曲はきっと、来週のセットストックからの連戦となる夏フェスのアンセムのひとつになって行くに違いないと確信させるものだった。
途中、藤原のMCが入った。
「ハイラインが10周年ということで、こういう席に出ることができて嬉しく思います。……(このイベントに)出たいと思ってたんです、ずっと。緊張してます、ちょっとしかできないんですけど、でもワンマンのつもりでやるので、よろしくお願いします!」
全5曲、30分のステージはあっという間に過ぎていった。ラストは彼らの原点であり、ハイラインレコーズから初めて世に出たファーストアルバム『FLAME VEIN』の1曲目である「ガラスのブルース」。なぜ歌を唄わねばならないのか、なぜ音楽を鳴らさなければいけないのか、そこにはどんな意味があり、どんな苦しみがあり、どんな喜びと希望があるのか?――そのすべてを表わした奇跡のような歌が、今日もまた、変わらぬ衝動と瑞々しさを携えて鳴り響いた。
7月16日、この場所から、BUMP OF CHICKENの2007年の夏が始まった。
■BUMP OF CHICKEN、498日ぶりにステージに立つ! ~写真編~はこちらhttps://www.barks.jp/feature/?id=1000032925
取材・文●有泉智子
撮影●古渓一道
下北沢のロックをバックアップし続けるショップの10周年を祝うべくPOLYSICSやLOST IN TIMEなど6組のバンドが集結したが、そんな中BUMP OF CHICKENがシークレットゲストとして突然ステージに姿を現わした。
最高のハプニングに湧き上がる歓声の中、思い切り高く手を挙げながらメンバー4人がステージ上に姿を現わす。2006年3月5日の代々木第一体育館以来、実に498日ぶりとなるBUMP OF CHICKENのライヴが、遂に始まった。
強い気持ちが前へ前へと出て行く、実にいいライヴだった。肝心の演奏も、ヴォーカル藤原基央の一言一言はっきりと言葉を伝えながら響く強い歌を軸に、シャープな躍動感を与えられたサウンドが真っ直ぐに放たれて行った。この1年4ヶ月の間、ひたすらソングライティングとレコーディングをし続けた4人の成長を感じさせるパフォーマンスだった。
背に一本筋の通ったリズムをしなやかに叩き出す升秀夫のドラム。昂揚しながらも、安定したグルーヴで楽曲を支える直井由文のベース。時に大きなストロークを描くのが印象的だった増川弘明の衝動的なギター。そして何よりも強い藤原の歌。音楽という唯一無二のコミュニケーションを心から信じる歌い手が、全身全霊をかけながら思いのすべてを言葉とメロディに大切に乗せる歌は、その強度がまったく違う素晴らしいものだった。
登場してから演奏を終えるまでの間、藤原が、直井が、増川が、何度も何度も拳を高く掲げていた。升も、何度も立ち上がりながら、スティックを高く掲げていた。それは“帰ってきたんだ”と告げる挨拶というよりも、“俺らはいつもここにいるんだ”という確固たる意思表明として、ステージ上に映えていた。
ライヴでの初お披露目となった現時点での最新曲「涙のふるさと」。サビの“会いに来たよ”というリフレインが、CDで聴いていた時よりも強くダイレクトに心に響く。この曲はきっと、来週のセットストックからの連戦となる夏フェスのアンセムのひとつになって行くに違いないと確信させるものだった。
途中、藤原のMCが入った。
「ハイラインが10周年ということで、こういう席に出ることができて嬉しく思います。……(このイベントに)出たいと思ってたんです、ずっと。緊張してます、ちょっとしかできないんですけど、でもワンマンのつもりでやるので、よろしくお願いします!」
全5曲、30分のステージはあっという間に過ぎていった。ラストは彼らの原点であり、ハイラインレコーズから初めて世に出たファーストアルバム『FLAME VEIN』の1曲目である「ガラスのブルース」。なぜ歌を唄わねばならないのか、なぜ音楽を鳴らさなければいけないのか、そこにはどんな意味があり、どんな苦しみがあり、どんな喜びと希望があるのか?――そのすべてを表わした奇跡のような歌が、今日もまた、変わらぬ衝動と瑞々しさを携えて鳴り響いた。
7月16日、この場所から、BUMP OF CHICKENの2007年の夏が始まった。
■BUMP OF CHICKEN、498日ぶりにステージに立つ! ~写真編~はこちらhttps://www.barks.jp/feature/?id=1000032925
取材・文●有泉智子
撮影●古渓一道
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