ノルウェーから登場した若き天才 アレクサンダー・ウィズ 来日インタビュー(2)

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ノルウェー第三の都市、トロンへイム出身のアレクサンダーに対して、失礼を承知で「日本にはまだまだ、スカンジナヴィアの国々がどういった配列で位置しているかわからない人たちがたくさんいる」と告げたところ、彼は「ご心配なく。僕らも同じようなもんだから」と言って爆笑した。

実際、その位置関係のみならず、それぞれの国の音楽的傾向の違いといったものも僕らにはわかりにくいところだが、そうした質問をぶつけると彼は次のように語ってくれた。

「ノルウェーで主流なのは、アコースティックなポップ・ミュージックということになるんじゃないかと思う。隣のスウェーデンはもう少しロック色が濃い気がするし、フィンランドに関してはもっとその傾向が強いと思う」

しかしノルウェーは、サム・ダン監督による映画、『メタル ヘッドバンガーズ・ジャーニー』でもそう扱われていた通り、極端に過激なブラック・メタルの聖地(?)としても知られる国。そんな指摘をすると、彼は苦笑しながらこう答えた。

「ブラック・メタルは確かに特徴的だけど、それがノルウェーを象徴するものだとは見て欲しくないな。そういったイメージを払拭していくためにも、僕たちみたいな人間が頑張っていかなきゃいけないのかもしれない(笑)」

ちなみにノルウェー本国における彼のファン層の中心は、若い女性たちだという。

「ノルウェーのオーディエンスはとても若いんだ。でも、同時に彼女たちの親みたいな世代の人たちも観に来てくれる。長く音楽を聴いてきた人たちに認めてもらえるのはとても光栄なことだし、同時に、若いファンに“あなたのことが切っ掛けで音楽を聴くようになりました”なんて言われると、それもすごく嬉しい。そういった両方の層にアプローチできるのが、僕の強味でもあるはずだと思うんだ」

実はしっかりと音楽シーンにおける自分のポジションやセールスポイントを把握していたりもするアレクサンダー。次回は、彼の音楽と歌詞の関係について語ってもらう。

文●増田勇一
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