陰陽座、パリ、ドイツで大暴れ!

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昨年に続いて欧州ツアーを敢行した陰陽座。今回はベスト・アルバム『陰陽珠玉』がヨーロッパで正式に発売されたうえでのライヴであり、その意味では文字通りに“本格進出”を印象づけるものだ。今回は、凄まじい盛り上がりの中で終了したという2度目のフランス・パリ公演(10月21日)の三日後に行われた、初のドイツ・ベルリン公演の模様をお伝えしよう。

会場は各国の著名アーティストが使用してきたコロンビア・クラブ。招鬼、斗羅、瞬火、狩姦、そして黒猫がステージに登場し、「靂」の導入部となる雷鳴が響き渡ると、オーディエンスからは大きな歓声が起こる。いかに彼らが待たれていたのか、かの地のファンの渇望感がよくわかる光景だった。

ドイツ語を交えたMCで喝采を浴びる場面もあったが、いつ、どんな場所でも同じクオリティのライヴを見せるのが陰陽座だ。『陰陽珠玉』には未収録のマテリアルも積極的にセットリストへと組み込み、絶妙な流れでパフォーマンスを進めていく。実際に“ベルリン!”コールが巻き起こった「貍囃子」、シングル曲の「甲賀忍法帖」や「組曲『義経』~悪忌判官」を始めとして、観客は繰り出されるいずれの楽曲にも熱い反応を示す。そして、「おらびなはい」や「がいながてや」では、日本と同様、見事なまでに客席フロアに数多くの扇子が舞い踊るのである。

ヘヴィ・メタルの聖地であるドイツの特徴なのか、アグレッシヴな「窮奇」や「浸食輪廻」、「わいら」や「鬼ころし」での激しいリアクションも興味深い。高く突き上げられた拳、リズムに合わせた思い思いのヘッド・バンギング。加えてギター・ソロを筆頭に各プレイヤーへの注目度も高く、現地関係者からも絶賛の声が寄せられたほど。他の日本のバンドとはまた異なる受け止め方をされている様子も垣間見えた。

気になるのは今後の動向だが、間違いなく来年以降もワールド・ワイドな活躍を見せてくれることだろう。遠き異国の地で観た彼らの溌溂とした表情に、陰陽座の類い希なるポテンシャルと世界から向けられている期待感を再認識することとなった。


●セットリスト
10.24 Berlin (Columbia Club)
01.靂
02.甲賀忍法帖
03.桜花ノ理
04.煌
05.貍囃子
06.傀儡忍法帖
07.百々目鬼
08.塗り壁
09.窮奇
10.わいら
11.鬼ころし
12.組曲「義経」~悪忌判官
13.浸食輪廻
14.おらびなはい
ENCORE 1
SE.焔之鳥
15.鳳翼天翔
16.火車の轍
ENCORE 2
17.悪路王
18.がいながてや
ENCORE 3
19.卍

取材・文●土屋京輔
撮影●RIE TERANISHI/Player
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