ジャンルもフィールドも違う異色の2人が出会ってサッカー・ソングを作った!~シングル「手を出すな!」特集【インタヴュー】

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──今回のコラボレーションのきっかけは? GAKU-MC:2年以上前になりますね、草サッカーで顔見知りだった桜井君から電話があったのは。“サッカーをモチーフにした歌を一緒に作りませんか?”と。Mr.Childrenは尊敬するアーティストだし、もう二つ返事でOKですよ。ただ、発売日ありきの進行ではなかったので、当初はお互いのんびりやってました。 ──なるほど。今回のレコーディングの思い出は? GAKU-MC:過去最高と言える緊張を味わったこと(笑)。まず桜井君の仮ヴォーカル入りデモテープが届きました。それに僕が仮ラップを入れ、桜井君に渡しに行ったときです。Mr.Children全員集合中、しかもプロデューサーの小林武史さんも同席。その場にいるだけでも緊張感があるのに、いきなり試聴会でしたから。結果は好評だったけど、脇の下に変な汗をかきました(笑)。 ──この作品でGAKU-MCさんが心がけた点はどこでしょう? GAKU-MC:いつもと違うことをやろうとは思いませんでした。自分がもっとも得意なところを120%出しています。そうすることが声をかけてくれた桜井君への礼儀でもあるから。どんなリズム、どんなジャンルでも、ラップは乗る、乗せてやると思ってますから、その姿勢もいつも通りでした。 ──今回のコラボレーションから得たものは? GAKU-MC:ひとつは桜井君から学んだ“伝える”ということ。Mr.Childrenで歌っているときも感じていたことですが、“ラッパーみたいだな”と思う瞬間が多々あるんですよ。どういうことかと言うと、自分の言葉を観客に伝える最高のスキルを持っているということ。最強のメッセンジャー。だから、ラッパーとは本来こうあるべきだと、桜井君から学びましたね。もうひとつは小林武史さんの恐るべき判断力。今のはOK、今のはNGとか、これはあり、それはなしとか、瞬間的に判断してしまう。僕もプロデュースする側に立つことがあるから、今回の経験は大きな財産になります。レコーディングをサクサク進めるってだけじゃなくて、スタジオに緊張感やスピード感を生むし。プロフェッショナルのなんたるかを痛感しました。 ──GAKUさんが常々“草サッカーはライフワーク”と公言されている事実を踏まえて聴くと、このコラボ・シングル「手を出すな!」がより深く、より熱く響きました。 GAKU-MC:小・中・高とサッカー部。サッカー選手を夢見た頃もあったけど、そっちは挫折しました。だからこそ、音楽に目覚め、今こうして音楽をやってる僕がいる。七転び八起きじゃないけど、夢はひとつじゃないし、将来という選択肢もひとつじゃない。だけど、何をやるにしても、真剣に“自分探し”しなくちゃいけない。「手を出すな!」にも、そんな思いを込めましたね。 ──日テレ系列のサッカー番組「サッカーアース」のメインキャスターも、サッカーフリークには楽しめる仕事なのでは? GAKU-MC:“僕でよければ”みたいな心境(笑)。僕にとっては憧れの北沢豪さんや前園真聖さん、武田修宏さんと一緒に仕事ができるだけでも嬉しいですよ! ──GAKUさんのドイツW杯優勝予想は? GAKU-MC:こればっかりは…。勝敗には運も作用するから。ひとりのファンの願いとしたら、心を打つ試合を一試合でも多く観たいですね。その興奮から音楽も生まれるし。サッカーが与えてくれる鳥肌の立つ瞬間、それも音楽作りの衝動になっています。たとえば素晴らしい試合を観戦したとき、早く家に帰りたい。“あのゴールは最高だ”みたいな詞を書きたいわけじゃなくて、この高ぶりを音楽にしたいと思うから。もしもですけど、サッカー選手が試合前に「手を出すな!」を聴いてくれて、テンションが上がり、最高のプレーをしたなんて話があったら、もう舞い上がっちゃいますよ。 ──それが理想? GAKU-MC:他にもまだまだありますよ。たとえばラップに無関心だった人が、今回のシングルから、ヒップホップ全般に興味を持ってもらえたら最高に嬉しいし。Mr.Childrenの桜井君に惹かれて聴いた方から“ガクエムも負けてないじゃん”とか言われたらウルッとするかも。それって欲張りですかね(笑)。 取材・文●藤井徹貫

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