メジャーとアンダーグラウンドを繋ぐヒップホップの最新型!MAD Sequence*大特集 -INTERVIEW-
──まず、お二人の経歴を教えてください。
Kengo:僕はLow Jack Threeというブレイクビーツ・ユニットをやっていて、DJ Massにライヴ参加してもらったのがきっかけで距離が短くなって……。
DJ Mass:そうだね。僕はスクラッチ・ミュージシャンとして、色んなアーティストのライヴDJを長年やってて。で、Low Jack Threeと出逢い、Kengoとユニットを組んだんです。
──MAD Sequence*結成について、もう少し詳しく教えてもらえますか?
DJ Mass:始まりは、Low Jack Threeと僕のコラボ・ライヴからかな。そのライヴのリハーサルの時にKengoが言った“Massのスクラッチは凄い正確なのに狂ってる!!”という一言から“MADなSEQUENCE”という言葉が生まれたんです。
Kengo:結局、やっている事や考え方がお互いすごく似ていたから、Massとやるのは必然だと強く思ったな。そう、お告げのように“Massとやるべきだ!”ってね。
DJ Mass:MADなクリエイションを支える正確なシーケンス、このバランスと関係が釣り合ってできたのがMAD Sequence*というユニットなんです。ちなみにその日、Kengoが聴かせてくれた曲が、また狂ってて(笑)。その曲がアルバムのタイトル曲である「M.A.D. Seq*」になりました。
──では、今回のアルバム『M.A.D. Seq*』のサウンド・コンセプトは?
DJ Mass:いまも言ったけどMADなトラック、MADなクリエイション。Hip Hopが大前提です。
──本作ではファンキーでハイブリッドなヒップホップと、プレフューズ73ばりのエディットを多様したマッドなヒップホップが違和感なく共存しています。では、お二人が考えるヒップホップの現在形とは、どんなサウンドなんでしょうか?
DJ Mass:このアルバムにそれを想像させる曲を入れました。どれかは個人個人の感じ方の問題なので。メジャー/アンダー関係ない“括りの無いサウンドメイク”。常に動いて行くものだから、言葉では説明したくないな。
Kengo:違和感なく感じてもらえたのはある意味狙い通り。アルバムを聴いてもらえれば言葉なんてなくても解ってくれるんじゃないかな。
──ボブ・マーレーの名曲「No Woman No Cry」のカヴァーは、アルバムの中でもちょっと異色なオーガニックな楽曲ですね。これはどのような経緯で制作したんですか?
DJ Mass:もともとMicroと僕は友達で、Rocrew(現在のE.D.O)として音楽活動をしてたんです。その流れで、僕もDef TechのライヴDJとして1stアルバムに参加してて。その中の「Quality of life」という曲と彼の思想に感銘を受けて、この曲のカヴァーを彼に頼みました。とにかく力強いメッセージだから、それを伝えるためにレゲエのリズムよりもヒップホップのリズムを使用したトラックにしたんです。今この曲をリリースするというタイミングも大事だった。
──本作には、SOUL’d OUTのDiggy-MO’やTeriyaki BoyzのWISEといったチャートを賑わす人気者から、Hi-TimezのTarantulaのような実力者まで錚々たるラッパーが参加していますね。
DJ Mass:僕らは曲中に言葉を発さない、インストルメンタル・トラックを創るユニット。だから曲のコンセプトのメッセージを伝えてくれるMCが必要だったんです。Diggyに関してはずっと一緒にいる音楽仲間だから。MAD Sequence*を象徴する様なリリックを書いてくれたのが嬉しかったな。