──約2年半ぶりのフルアルバム『Joyful』が完成しました! この2年半の間、星村さんを取り巻く状況はいろいろ変化したと思いますが、それが制作面に及ぼした影響はありますか?
星村麻衣(以下、星村):まず、21歳のころと比べると、自分の書く詞があからさまに変わったなって思います。昔はいわゆる“強いオンナ”が主人公のことが多くて、自分の本当の、裸の気持ちを詞にすることが怖いというか、そういう感じだったんです。
──それが変わったキッカケは?
星村:「Primacy」を書くとき、あの曲は実体験が基になってて、がむしゃらにノートにペンを走らせてたんですよね。気づいたら“はぁ、こんなこと書いてる”みたいな。恥ずかしいとかいうのをもう越えていて、一気に本音を書き切った!という感じでした。そこからは書くものが変わりましたね。
──裸の心を表現することができるようになったんですね。
星村: 21歳の頃の私が読んだら、“なに書いとんじゃ~”ってなるんじゃないですかね(笑)。逆にこういう風に書けてスカっとしましたけどね。
──当時の歌詞は、どこか強い女性が主人公であることが多いと言ってしましたが、それは星村さんが考える理想の女性像?
星村:いや、違うんですよ! ホントは弱さとかも相手にさらけ出せるような可愛らしい女性を目標に……。だけど、現実はうまくいかず(笑)。歌では自分の気持ちを表現できるようになったけど、実際は意地張ってみたりとか、実際考えてることと真逆な、天邪鬼的なことを言ってみたり。そういうのは、24歳になったところで全然変わらないですね(苦笑)。可愛らしい女性になろうと思っても、どこかでブレーキがかかっちゃうんですよ。
──それはどうしてだと思いますか?
星村:ん~、自分でも凄いイヤなんですけどねぇ。“わかってんのに!”みたいな(笑)。
──まさに「素直になれない」!(笑)
星村:(笑)この曲は、ホントに私をよく表わしている曲だと思います。これは、私の“THE 恋愛観”みたいな曲なんです。私にとっての歌って、普段言えない気持ちを吐き出す場所だから。(歌詞の)主人公に気持ちを代弁してもらってスッキリしたなって(笑)。
──そんな自分の素直な気持ちを歌に託して、不特定多数の人に聴かれるってどんな感じですか?
星村:なんか“こそばゆい”感じですね(笑)。でも、面白いのは、ファンの方とか自分の思ってたのと全然違う捉え方をしていたりとか、女性目線の歌詞なのに男性の方から共感していただけたり。そういうのって、驚きもあるけど、恋するとみんな一緒なんだって。これは発見ですね。
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