湯川潮音、ありのままの自分を表現したフル・アルバムが完成!2
──前回のインタヴューの時に、近々の目標としては“いいアルバム”を作りたいと言っていましたが、実際に完成されてみていかがですか? 湯川:いや、本当にいいものができたなと思います。なんか、楽器の音や声が自然な鳴り方で録れてるので、繰り返し聴くとまた違った聴こえ方がしたりして。時代とか流行とか関係なく、長く聴いてもらえる作品になったと思います。 ──その様子だと、作品の出来にはかなり満足しているようですね! 湯川:主張がないといえば、主張がないアルバムなんですけど(笑)。 ──いや、主張がないっていうよりは…… 湯川:エンターテインメント性がないんですね(笑)。でも、わたしにとってすごく愛しいアルバムになったと思います。 ──自身の名前をタイトルに冠したわけですが、これはこの作品にいまの湯川さんの気分が反映されているという感じなんでしょうか? 湯川:それもあるんですが、(メジャーでの)1stアルバムは名前でやりかったというのがあるんです。あと、(インディーズ時代も含めた)これまでの活動のまとめという意味、それに“初めまして”の意味を込めて。 ──このアルバムを聴いてまず思ったのは、湯川さんのソングライティング能力の高さです。一風変わったメロディなんだけど、きちんとポップスとして成り立っていて。その辺のバランス加減が独特だな、と。 湯川:曲作りをしていると、普通は使わないような少し変わったメロディがふと思いつくことがよくあるんです。でも、それをあえて直さず、そのままのカタチで活かせるようにする曲作りというのは、いつも心がけていますね。変に整理しすぎてしまわないというか。パッと浮かんだアイディアって、一番の飛び道具だと思うんです。あとは、それをどううまく出せるかってことですね。着飾った表現って、やっぱり持たないと思うので……(笑)。無理は一切しないでやろうと思っています。 ──そんなアルバムの中で一際異彩を放っているのが、ジェームス・イハ(元スマッシング・パンプキンズ)作の「蝋燭を灯して(Album mix)」です。 湯川:本当は、この曲をアルバムに入れるのって結構悩んでたんです。色々相談したり、考えたりした結果、ミックスを大幅に変更することにしました。ZAKさん(アルバムで全曲のミックスを担当)には“ヴィンテージっぽくしてください”ってお願いしたんですけど、うまくアルバムのカラーになじませてくれたと思います。 ──本当に、この曲はシングルとは大分印象が違いますよね。ギターソロないし(笑)。 湯川:(イハが)聴いたら怒るんじゃないかと思うんですが、まぁ内緒で(笑)。
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