ジャパハリネット、ロングインタヴュー
──愛媛県・松山市に住んでるけど、松山の何があなた達を離さないの?
鹿島:海と山がすぐ近くにあるから。やっぱり僕はそれが一番ですね。例えばホテルとかでも、窓をバッと開けて目の前にビルがあるのと山と海が見えるのとは、これは全然違いますよ。
城戸:東京に出てくるとなんか無気力になりますね。何かやろうとしても集中できないことが多いんですよ。ふと息を抜きたい時に、生活感を感じれないんですよね。で、僕は松山に帰ると現実に戻れるなと。
──まず、1曲目の「金色の螺旋」なんだけど、このタイトルはどこから?
鹿島:『TEXHNOLYZE(テクノライズ)』っていうアニメがきっかけなんです。その物語の中で花が咲くんです。金色の花ではないんですけど、僕にはそう見えたんですよね。僕はアニメだと王道のオープニングの歌が好きなんですけど、このアニメのはそうじゃなかったから納得いかなくて自分で勝手に作っちゃいました。
──サウンドや演奏の面でも、「金色の螺旋」なんてフックだらけ。鹿島さんが作ってきた詩と曲からどうやって仕上げていくの?
城戸:一番多いパターンは、カッシー(鹿島)が歌ったのを僕等が家に持ち帰っていろいろアイデアを出します。それで後日集まってやってみて、それでまたそれを聴いてっていうのを繰り返していくパターンが一番多いですね。
──この曲はアレンジもかなり凝ってる。
鹿島:イントロは、中田くんと良一が適当に合わせたのを僕が録音して、それを基に出来たんです。自分としては凝った感じじゃないんです。凝ったアレンジっていうやつは、逆に凝らずに出来るんですよ。自然とそうなったっていう。だから、凝っているって感じてもらえるのは、僕らがすごく面白がって作ったっていうことなんですよね。
──リズム隊としてはどんな感じで作ったの?
中岡:フックがあった方が、すごくスムーズにいったりするんです。そういう曲だったんで、アイデアっていうよりは、これしかないやろみたいな感じで、それが自然とフックになっとったっていう。すごく楽しかったですよ。こんなニュアンスとこんなニュアンスでは、どっちがいいかとか試せたんで。
──ギターの方はどうでした?
中田:僕と良一から自然に出たやつから膨らましてもらったんで、曲自体に対するイメージはすごく取りやすかったんですよ。アレンジも数を重ねてやっていく中で、次はこれ次はこれって、ポンポンと出たような感じはありました。
──両A面の「美しき儚きかな」。この曲の狙いは?
鹿島:狙いは全くないですね。自然と出来たっていうか。歌っていうものは、もっと身近で何気ない日常にあるのが本来のあるべき姿かなと思うんですよ。色んな形があっていいとは思うんですけど。でも僕らはそれを仕事にしている以上、自然体で作るというのはなかなか難しいんですよね。でもこの曲は、何か強いイメージがあったとかじゃなくて、無意識のうちにそういうものがあって、勝手にそこが形になったっていう感じですね。
──アコースティック・アレンジにしたのは?
鹿島:最初からそういう方向性はありました。ガシャガシャするんじゃなくて、ピアノとヴォーカルだけとか、そんな感じの曲にしようと。このアコギは、けんじろが弾いたんですよ。
──アコギは得意なの?
城戸:得意と言うより、僕はエレキギターが弾けないんですよ。夢はギター・ソロを弾くことなんですけど(笑)。僕はフォークギターで1人で歌うことから入ったんで。
──この曲はどんな気持ちで歌ったの?
城戸:今まで何回も歌ってきた歌詞なのに突然“あ!ここはこんな歌詞やったんや”って思う時があって、それがすごく好きなんですよ。何かが分泌される。だから、今回はそれを求めて歌いました。
鹿島:きっと自分の意識が歌の中に入り込んでるんだよ。
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