『夢見る街まで』 2005年10月26日発売 YRCN-11062 \2,800(tax in) 1. もうすぐ 2. めまい 3. 昨日の風 4. 土曜の午後 5. 夢見る街 6. スタイル 7. 飽和状態 8. 30分 9. 銀色の羽 10. 気まぐれ 11. 予定のない日曜の朝
「スタイル」 2005年 9月14日発売 YRCN-10104 \1,050(tax in) 1. スタイル 2. 朝焼け 3. 夢見がち ~Liveat 松山サロンキティ~
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| ――前アルバムでありインディーズでのラスト作『あの日の空に踵を鳴らせ』に比べてスケールの大きさと、メジャー感をすごく感じたのですが、そこらへんは意識しましたか?
一色徳保(Vo&G):ん~そういう意識はないです。たしかに、以前のほうが3ピースだってことにこだわっていたし、ギターロックやってるって意識もありましたね。それに、これ以上ギターを重ねたり、別な楽器を入れるとライヴで演りにくくなるってのも思ってました。それを少しずつ変えていきたいって思いはあったんで、そこが出たのかな。
――その変えていきたいという、具体的なところは?
一色:やっぱり違う楽器を入れたり、アレンジかな。つばきらしさ、一番いいところが伝わればいいと思ってるんで、そこが揺るがなければ変えていきたいんです。“3ピースでギターロック”っていうのがつばきらしさだと思ってなくて、今は“歌”だったり“メロディ”だったりがより前面に出てくればいいかなって。
――『あの日の空に踵を鳴らせ』のときのインタヴューで、みなさん「このアルバムは集大成だ」っておっしゃってて。そこをひとつ区切りにして、新たな試みとしてのアレンジなんですか?
一色:そうですね。その“3ピースでギターロックでライヴバンド”ってところを意識した作品は前作で完成できたかなって思ってて。そこから変わりたいって、探していったところでもありますね。だから今回は、曲が求めるアレンジにしようって。
――リズム隊のお2人は一区切りとして、何か意識しましたか?
岡本奈穂子(Dr&Cho):ドラムは……メジャーで3枚出したシングルと並行して録っていて、アルバム制作期間としてはっきり別れていたわけじゃないんです。でも、プレイヤーとしては今まで以上にいいものをっていうのは絶対あったんで。1曲1曲向き合って、つばきに合ったいいもので録ってきたかな。堅苦しいことはないですね。柔らかい発想で。
小川博永(B&Cho):僕も区切りとして意識したことはなくて。前のアルバムはいいところも悪いところもあって、次に生かそうって。常に前よりいいものをって思ってますね。
一色:あと、僕の曲はインディーズまでは、後ろ向きっていうか、ある一定のそういうところを書いて実は前向きにもっていくって表現の仕方が多かったんですね。でも今回は素直に“好きな人に好きだって言いたい”みたいな曲も書いたんです。そういう僕の新たな出し方で、2人は新たな向かい合い方をしてくれたなって思う。
――なるほど。たしかに1曲目の「めまい」は、タイトルはちょっとネガティヴな匂いがするけれど、先の明るい未来にクラクラするっていう内容でもありますよね。
一色:うん。そういう歌を書いてこなかったし、書けなかったし。昔からこういうこと思ってたんだけど、うまく歌えなかったり、しっくりこなかったり。でも、もっといろんな感情を表現できたらいいなって思ってますね。
――そしてアレンジ面で気になるのが「飽和状態」とか。ベースが印象的ですよね。
小川:今までやってこなかったベースラインにしたくて。曲聴いて、練ってこういうラインにしました。
一色:もうね、ベースのために書いた曲ですよ!(笑)
――「水色の羽根」はAメロ、Bメロが浮遊感があるんですが、サビではしっかりメロディを聴かせてくれますね。
一色:アレンジが凝ったもの、今までにないものって、シングルとは別のベクトルで作りましたね。そういう点ではチャレンジしてみました。
岡本:あと「予定のない日曜の朝」は全体的な雰囲気が、今までのつばきになかったかな。穏やかなというか、流れるような。そういうのでちゃんと聴かせるようにするのって難しいと思ってたんだけど、今、こういうやり方は新しいかな。
――今年に入って一色さんがご病気(肺気腫)されましたが、曲作りに影響しましたか?
一色:そんなにはないなぁ(笑)。でも退院してみんなと音出したときは、いいなって。そこから素直に書けたところもあったかな。3週間入院してたんだけど、その間ギターも触らなかったし、曲作ったりもしなかったけど、そんなに長い間音楽に触れなかったこともなかったから。
岡本:入院しちゃったときはびっくりしたけど、ま、治る病気だったんで、小川君と2人でとりあえず練習入ったりして。
小川:たまに2人で練習入ることあったけど、ベースとドラムだけだと……かなり味気なくて(笑)。戻ってきたときは、音楽やる楽しさを再確認しましたね。
――アルバムのタイトルが『夢見る街まで』ですが、みなさんが思う“夢見る街”ってどういうところですか?
岡本:ん~ん~~~~(考え中)。
一色:(辛抱たまらず)僕の場合は、具体的にってよりは漠然としたものなんですけど。僕、夢って言葉が好きで、目標ってことでもあり、平和ってことでもあり、いろんな人と幸せに暮らしたいってのもあって。漠然といいことがあって、幸せでってところかな。でも、夢っていい言葉でもあるけど、引き返せなくなるっていうか、食われるっていうか。
――「夢見る街」って曲では<夢の餌食になってしまったみたい>って歌詞にもありますよね。小川さんにとっての“夢見る街”は?
小川:夢見る街は……東京かな。でも、地方から東京に来て、実際とは違ったみたいなことも多いから、本当に夢の街って意味では、天国とかなのかな。
一色:小川くん、気づけばいつもアイスとか食べてるんで、てっきりお菓子の国かと思った(笑)。 |
取材・文●星野まり子 |