新たな側面を提示したニューシングル「風に乗る船」をリリースしたSalyuにインタヴュー2
──さて、カップリングの「再生」ですが、先日のライヴでは“リリイ・シュシュ的”と説明してましたね? “暗い”とも言っていましたが……(笑)
Salyu:えっ、そんなこと言いましたっけ? 覚えてない(笑)。まぁ、暗いっていうのは歌詞がね。いままでの流れからすると、ちょっとビックリするかなぁって思って。この曲は、リリイ・シュシュ寄りの香りを楽しむような感覚のものかなと。
──リリイ・シュシュ時代からのファンは「再生」の方が好きかもしれませんね。
Salyu:そうですよね。でも、私はいろんな音楽が好きだし、これからも"リリイ・シュシュ的"と思われるような曲もやるだろうし。もしかしたら、全然違うものをやっていくかもしれないし。だから、「風に乗る舟」みたいなのも、「再生」みたいなのも、もっと制限なく、いろいろやりたいと思ってます、うん。
──これはバンドで一発ですか?
Salyu:これは一発ではないんですよ。実は、この曲は5年くらい前にリリイ・シュシュのアルバムを作った時のものなんです。ニューヨークで現地のミュージシャンとレコーディングして。キーボードは、小林さんが弾いてますけど。十何曲ぐらい、こっち(日本)で簡単にデモを作って、むこうで本格的に作り込んでいくみたいな。これは、その中のひとつですね。
──それらの楽曲は、時期が来るまで寝かせているってこと?
Salyu:う~ん、一概にそうとも言えないんですけど……。映画とのこともあったし。厳選されたものが『呼吸』に入ったんだと思う。入ってなかった曲はまだありますけど、あえて入れなかったとかじゃなくて。ただ、この「再生」に関しては、今になってやっとリアルになったのかなって。
──逆に「風に乗る船」とカップリングさせることによって、発する魅力みたいなのもあるんですかね。
Salyu:「風に乗る船」は印象の大きな曲だから、聴き終わった時にちょっと香りを楽しむような曲でっていう(笑)。この両方で、自分達がやろうとしている世界観っていうのは伝わるかなって思います。
──今後の活動は?
Salyu:もう具体的に決まっていることもありますけど、まずはライヴですね。
──ライヴでの自分で発見する面白みっていうのも、数年前から変わりました?
Salyu:変わったと思う。……なんていうのか、前はすごく自分の鳴らす音っていうのに集中してたんですけど、最近は会場とかをより意識してるっていうか。この会場でどうやって歌ったらいいんだろうとか、(ライヴを)単純に楽しい時間にするにはどういうことが必要なのかなとか。私がそこで何ができるのかなって、そういうことを考えたり、感じたりするようにはなったんですよね。これは、すごく幸せなことだと思います。
取材/佐伯明
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