<SUMMER SONIC 2005>InMe、アクシデントも乗り越えて始終笑顔のステージ

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10代の若さでデビュー、03年には<SUMMER SONIC 2003>に参加、さらには単独での来日公演もこなして一躍人気者になったInMe。その後、所属レーベルの消滅というピンチに直面したが、今年に入って再出発を果たし、7月には2ndアルバムも発売したばかり。そんな絶好のタイミングで今回のサマソニに登場したInMeだが、東京会場ではちょっとしたアクシデントもあった。この日同じMOUNTAINステージに出演予定だったBULLET FOR MY VALENTINEがメンバーの急病でキャンセルとなり、InMeの出演時間は20分も繰り上がった。もともと出番はそれほど遅い時間ではなかっただけに、よほど余裕をもって会場に来るファンでなければ前半を見逃してしまうかもしれない。それにメンバーのテンションも上がりきっていないのではと、少し心配になった。

しかしそれはまったくいらぬ心配で、客席は最初から満員に近い入りだったし、ステージに出てきたInMeのメンバーもやる気十分の様子。あとで訊けば、朝から早くやりたくてうずうずしていたとのこと。思うようにライヴもできなかった時期を経験しているだけに、ほんの少しの予定変更などほとんど影響しなかったようだ。

演奏が始まると、その勢いのある音からも彼らのやる気が伝わってきた。ヴォーカルのデイヴは、ややうつむき加減で物憂げに歌う以前のスタイルから少し変わって、前を見据えるように堂々とシャウトしている。長髪を切りパンキッシュな短髪になったこともあって、バンド全体がずいぶんと明るく見える。ジョーもデイヴとともにステージいっぱいに飛び回り、時には壊れんばかりにベースをぶっ叩く。ドラムのサイモンも上体を大きく動かしてノリノリでプレイ。ステージ上の彼らは、パンクバンドのようにパワフルで荒っぽい。

セットリストは、2枚のアルバムから半々といった感じ。ストレートで攻撃的な1stに比べ、2ndはギターのオーバーダブを多用し、ピアノやストリングスを使った落ち着いた曲も含まれている。ライヴではそれをどう処理するかもひとつの見所だが、当然ながらあっさりと3人でこなしてみせた。もちろん音は薄くなるし、かなり荒削りなところもあったが、3ピースのシンプルな形で聴くと、メロディのよさがより浮き彫りになる。それに勢いで押すのも彼らの魅力だ。

若くてルックスもいいInMeだけに、会場には若い女性ファンもかなり多かった。それに気をよくしたわけでもないだろうが、3人とも終始笑顔で暴れまくっていた。デイヴが“ミンナ、歌ッテ”と呼びかけてもほとんど反応がなかったときだけは、さすがにちょっと表情が曇ったように見えたが、それもほんの一瞬。それ以外はまさに元気いっぱい、とてもはつらつとプレイしていた。久々のライヴをいちばん楽しんでいたのは、ほかならぬInMeのメンバーたち本人だったのかもしれない。

取材・文●田澤仁
Photo●SUMMER SONIC / SUMIE

InMe
2005/08/14 MOUNTAIN STAGE

01.Otherside
02.Mosaic
03.Faster The Chase
04.7 Weeks
05.Neptune
06.Just A Glimpse
07.Underdose
08.Firefly
09.Lava Twilight

BARKS夏フェス特集2005
https://www.barks.jp/feature/?id=1000010016
SUMMER SONIC 2005特集
https://www.barks.jp/feature/?id=1000010617
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