ハナレグミ&くるりが強力バックアップ、湯川潮音デビュー!2
──湯川さんが音楽をはじめようと思ったキッカケを教えてください。
湯川潮音(以下、湯川):子供の頃から音楽が周りに常にある環境だったので(父、湯川トーベンは子供ばんど、遠藤賢司バンドなどのベーシスト)、特に音楽を音楽と意識していなくて。それに、わたしは一人っ子だったから、よく歌を歌ったり、曲を作ったりして一人遊びをしていたんです。だから、わたしにとって音楽は、いわゆる“音楽”というより、“友達”とか“家族”、“近くにいる人” みたいな捉え方でした。
──小学生のころは少年少女合唱隊でソプラノ歌手をされていたそうですが……
湯川:ミュージカルを観て“合唱って面白そうだな”って思ったのがキッカケで、小学四年生くらいの時に、自分でオーディションを受けに行きました。練習は本当に厳しいし、つらいことも多かったんですが、結局10年間も続けました。子供の合唱隊というと、簡単そうなイメージがありますよね? でも、本当は大人でも難しいような、高度な宗教音楽とか、現代音楽とかすごく深い音楽をやっていて。それが子供ながらにすごく魅力的でした。この時の経験は、自分の音楽の基盤になっていると思います。すごく小さい頃から入ったのもあって、人間関係みたいな親から教えてもらうようなことも、音楽をやることによって曲から教えてもらったり。
──そんなクラシカルなソプラノ歌手が、なぜ現在のようなポップ・ミュージックを作るようになったのでしょう?
湯川:1stミニアルバム『tide&echo』の頃は、“今の声を残しておきたいな”という思いがあったんです。でも、曲作りとかは、まだ全然してなくて。2ndミニアルバム『うたのかたち』の頃から、自分の中で“モノ作り”という行為が楽しくなってきて。で、音楽と同時に、色んな道具を使って絵をたくさん書いたりしていました。で、2枚目の作品を作ろうかって話しになった時、自分の描いた絵を見せてこんな感じでやりたい、みたいにプロデューサーに言ったら、その人が“そこまで(曲をイメージすることが)出来るんだったら、実際に曲も出来るんじゃない?”って言われて、曲を書き始めるようになったんです。
──湯川さんにとって絵画と音楽とは密接にリンクしているんですね。
湯川:そうですね。私の中で絵と音楽は、つながっているカンジがあって。実際、『うたのかたち』には、1曲に対して1枚の絵があるんです。音も、絵っぽいというか、絵本のような作品だったと思います。それに、2枚目や3枚目(初のフルアルバム『逆上がりの国』)の頃とかは、表現方法が何でもいいという時期だったんです。たまたま近くにあったのが筆だったので絵を描いて、絵が出来る時に曲も出来るような、そんな感じでした。
──今回のシングル「緑のアーチ/裸の王様」はそれぞれハナレグミの永積さん、くるりの岸田さんが参加されています。この豪華なコラボレーションは、どのように実現したんですか?
湯川:永積さんも岸田さんも、結構前から知っていたんです。岸田さんは<百鬼夜行>というくるり主催のイベントに呼んでいただいていたし、永積さんとは、わたしがハナレグミの「ハンキーパンキー」という曲のコーラスに参加したりしていて。2人ともいつか一緒に出来たらいいな、と思っていたんですが、ちょうどタイミングが合って今回お願いしたんです。
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