──では、あなたはむしろシンガーになりたかったんですか?
トリニティ:そうね。その願望は密かにあったわね。でも、それが決定的になったのは、学生の時にDJやってる知り合いのお兄さんに呼ばれて、「よう、今度俺のパーティで歌を歌ってみないか?」って言われて、軽い気持ちで歌ってみたことからなの。で、大学の時にカリフォルニアで本格的に歌いはじめて。それを両親は嫌がってたんだけど、大学を卒業する直前に、私がメジャー・リーグの試合の開会式で歌うのを見て、それで両親もとうとう折れてくれたってワケなのよ(笑)。
──じゃあ、そこから音楽の道を進むわけですね。それで、レゲエの活動をやって行くにあたって何故LAに? アメリカでレゲエなら、ニューヨークやマイアミの方がシーンとしては大きいのに。
トリニティ:それは私も思っていて、実際それらの場所に行ってみたこともあったわ。でも、なんかしっくり来なくって。で、LAに帰ってみたら、シーンは小さいけどみんな知った顔ばかりで安心できるし、やっぱり、一番落ち着くのよね。
──そして、そうしてるうちにレコード会社と契約して、夢がかなったと。
トリニティ:ううん、こうやって音楽に携わる仕事ができてること自体、もうすでに夢がかなっているの。こうやって今、インタヴューを受けてるのもそうだし。確かに、レコード会社との契約にはこぎつけたんだけど、実は最初の会社ではそれがうまく行かなくて、私の作りたいようにはできなかったの。それで、今回改めてのデビューなのよ。
──今回のデビュー・アルバムの出来には満足ですか?
トリニティ:そりゃ、満足してなかったら出さないわよ! 特に一回、デビューし損なってもいたし。
──今回のアルバムで一番気に入っている曲は?
トリニティ:『For Da Love Of A Dancehall』かな。この曲は、私とレゲエのかかわりについて歌ったようなものよ。まだイギリスにいた頃のこと。ロンドンでは、地下鉄の駅で即席のレゲエのダンス・パーティが行なわれるような環境があって楽しかったのよ。駅の構内から、なんか水滴みたいなものが落ちてきたりしちゃって(笑)、すごい熱気だった。ああいう感じを歌を通じて伝えられたらうれしいな。
──あなたの楽曲の歌詞ですが、あなたの実体験をもとにしたものなのでしょうか。冒頭の曲はそのままズバリ、『Based On A True Story』ですけど。この曲に描かれているような体験(つきあっている不良少年との仲を母親に引き裂かれ、少年も死ぬ)をしてたんですか?
トリニティ:いいえ(笑)。“事実に基づいている”であって“そのまんま事実”じゃないのよ(笑)。少年は実際には死んでいないし。でも、私が不良タイプの男のコに惹かれそうになっていたのは事実。ママはそういう男の子を“ストリート・ガイ“と言って、嫌ってたというのは本当の話よ(笑)。
──女のコの興味をそそりそうな話ですよね。そう言えば、あなたはファッションもすごくゴージャスで華やかですが、ファッション・ポリシーみたいなものはありますか?
トリニティ:特にはないわ。ただ私が着たいものを着てるだけで。私自身、ブランドで服を買うようなタイプでは決してないし。強いて言うなら、スタイリストが古くからの友人で、彼女の影響はあるかもしれないけど。
──では、今後の予定は?
トリニティ:今度、イギリスで『ラガ・ホップ』がリリースされるの。自分が育った国でもあるから、すごく楽しみなの。あと、次のアルバムでは、スライ&ロビー(レゲエ界最高のプロデューサー)とも共演したいわ。「アップタウン・トップ・ランキン」も、もともとは彼らの手がけた曲だし。実は共演話が一度あったんだけど、停電で中止になっちゃったの(笑)。
取材・文●沢田太陽
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『ラガ・ホップ 』 RESERVOIR RECORDS/東芝EMI TOCP-66390 ¥1,890(tax in) 1. ベースド・オン・ア・トゥルー・ストーリー(ママ・トールド・ミー) 2. ファ・ダ・ラブ・オブ・ダ・ダンスホール 3. アイ・リメンバー 4. ドゥ・ユー・リアリー・ウォント・トゥ・ハート・ミー 5. ハウ・ウイ・ゴナ・ノウ 6. ナ・ゴー・ホールド・アス・バック 7. デンジャラス(feat.KO,E-Dee) 8. ビッグ・アップス 9. トリニティ・サウンド 10. アップタウン・トップ・ランキン 11. フィールズ・オブ・ブラウン・シュガー(ボーナストラック) 12. ブードゥー(ボーナストラック) 13. ホット・アゲイン(feat.ジュニア・P.アンド・E-Dee) 14. キャント・ゴー・オン 15. ヤーディー・ヤーディー 16. エブリ・デイ(デュエット・ウィズ・トレバー・フェリックス) 17. ママ・トールド・ミー(レゲエ・ミックス) (ボーナストラック)
ビデオ・メッセージはこちら
オリジナルリストバンドを3名様にプレゼント!(応募締め切り:2005年8月15日)
▼TRINITIオフィシャル・サイト(RESERVOIR RECORDS)
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