1stアルバム『部屋(せかい)』インタヴュー

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恋愛中はあんまり仕事しないですね(笑)


淋しがりやの一人好き。自身をそう分析する豊田かずみ。
1stアルバム『部屋(せかい)』では赤裸々な恋愛模様を綿々と綴り、
“情念”とも言える女心の機微を歌いきる。
そんな彼女の、ニュートラルで自然体すぎるキャラクターに迫る。

1st ALBUM

『部屋(せかい)

2005年1月26日発売
TECI-1080 \2,500(tax in)

1. blank
2. デイブレイク 
試聴できます♪
3. 暖かい涙
4. 部屋(せかい) 
試聴できます♪
5. 予感
6. winter without you
7. 満員電車
8. 最後のわがまま
9.プルメリアの首飾り
10. 櫻雨 
試聴できます♪



MOVIE


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information

【FREE LIVE】
■6月12日(日)名古屋
11:00~アスナル金山イベントスペース
      (雨天中止)

14:00~ヤマギワ ナディアパーク店内

※CD購入者対象のサイン会あり

■オフィシャル・サイト
 http://kazumi.tv/
――『部屋』を聴いてまず感じたのは、とても恋愛体質な人なのかなと。

豊田:あ~ぁ。恋愛中はあんまり仕事しないですね(笑)。

――極端ですね(笑)。

豊田:忙しいじゃないですか、いろいろ。だからあんまり曲書く時間とかなくなっちゃいます。断片的なスケッチとしてはたくさん出てきますけど。曲にまとめる作業は、関係が落ち着いてから“あれはどういうことだったんだろうな”って反芻するんです。それで、幸せな恋愛をしてるときでも、ちょっとした闇とか不安な要素をみつけて曲にする。だって、あんまり幸せな恋愛の歌とか聴きたくないじゃないですか(笑)。でも恋愛って楽しいですよね(照れ笑)。“好き”のテンションをどれくらい維持できるか、とか恋愛を続けていくことも楽しい。……でも、恋愛体質なのかな……ヒョウ柄は好きですけど……。

――そのつながりは?

豊田:アガるじゃないですか、ヒョウ柄とか着ると、気分が(笑)。

――はぁ。で、資料によると、相撲を筆頭に和モノが好きで、漬物も漬けてるそうで。

豊田:漬物っていっても、梅酒とかゆずのはちみつ漬けとかですけどね。あとは陶芸。中学のときに陶芸部だったんですよ。だからわりと自然に、周りにあるものを好きになってるだけで。日本に居て日本を意識することって、あんまりないですからね。

――ロンドンに留学してるときにはありましたか?

豊田:ありましたね。お風呂とトイレが分かれてないのがすごく嫌で、日本が恋しくなったり(笑)。そもそもは短大を卒業するときに、何もやりたいことが決まっていなくて、そのままフラフラしてるのが嫌だったから留学したんですけど。当時の日本の同世代の女の子たちが、なんとなくみんなと同じ格好をしているのを見ていたら、自分のことも客観的に見えて。好きなことをやって生きていきたいなと思って。それで、絵は一人で描けるし、言葉も一人で書けるけど、音楽は一人じゃできないから、だから音楽をしたかったんです。引きこもりなので、何もなければ家にいたいんですよ。その中で完結しようとすればいくらでも完結できるんですけど、ある程度環境を変えて、他者がいっぱいいるところに身を置くことが楽しいかなと思って。淋しがりやの一人好きというか。だから我を通したくないんです。みんなで楽しんだほうがいいじゃないですか? レコーディングのときも、お願いしている人の個性を大事にしたいし。今回「プルメリアの首飾り」を弾いてくれたギタリストがすっごいメタルな感じの風貌で、もっとゴリゴリ弾きたいだろうなと思いながらお任せしたんですよ(笑)。本当、レコーディングは初めてのことでビックリすることが多かったです。

――たとえば?

豊田:オケを作る作業と歌を録る作業が別なんだって初めて知りました(笑)。みんなが寝てないとかね(笑)。あとは、今まで公園で歌ったりとかしてきてて、それがちゃんと形にできるんだなっていうことがとにかく嬉しい。

――1stアルバムということで、名刺代わり的作品と言ってもいい?

豊田:そうですね。“自分はこう”っていうのは自分の中であまり決めたくはないんですけど、CDを作りたかったので。だから、アルバムのタイトルの『部屋』っていうのは、自分の中にあるいろんな部分のことで、今回は10の部屋を一枚にしましたっていう感じですね。

――『部屋』が一軒目だとしたら、二軒目はまた違う様子の家ができるような。

豊田:そう。自分がどうしたいのかっていうのは、そのときに出会った人たちとのフィーリングで、楽しんで作っていきたいですね。

――曲を作る原動力になっているものは?

豊田:生活。それこそ、ゴミを出して帰ってくるだけでも1曲作れるんじゃないかな。聴いてくれるみんなの近くにいたいんですよ。楽曲が生まれてくるっていう出来事は、道で歌ってるときから変わらずにコンスタントに起こっている出来事なので、それをこれから出会う人たちとコミュニケーションをとって、広げながらやっていきたいです。

取材・文●望木綾子

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