LONDON NITE 03 ALL-TIME REAL GREATEST HITSレビュー
【アルバム解説】
すでに25年という長い歴史を持つLONDON NITE。その興奮を、いつでもどこでも味わえるのがLONDON NITEのコンピレーションアルバムだ。過去の7枚のアルバム、そしてビデオも好評のこのシリーズ、いよいよ5月11日には第8弾のアルバムが登場する。この「LONDON NITE 03」はソニーからのリリースだ。
ロック系クラブイベント、それもUKロック中心のイメージが強いLONDON NITEだが、実は誰もがノレる曲、誰もが踊れる曲が多くセレクトされている。それはこのコンピレーションアルバムシリーズにもしっかり現われていて、今回も実に幅広いジャンルの曲が収録されている。そしてどれもポップでアッパー、ノリノリのナンバーばかりだ。
猛々しいジャングルビートのアダム・アント、そしてポップで華やかなゴーゴーズへと続くこのアルバムの幕開けには、思わずテンションも上がってしまう。冒頭の2曲を聴いただけで、LONDON NITEに行ったことがなくても思わず体が動いてしまいそうだ。そしてネーナの「ロックバルーンは99」、ワムの「ウキウキ・ウェイク・ミー・アップ」、REOスピードワゴンの「涙のレター」、エレクトリック・ライト・オーケストラの「ホールド・オン」などのポップチューンは、押しも押されぬ80年代の大ヒット曲。今聴いても新鮮な名曲ぞろいだから、永遠のヒット曲集としても存分に楽しめる。
もちろんそれだけではない。バンドやレーベルに直接交渉することで収録可能となった、レア度の高いナンバーも盛りだくさんだ。中でも目玉はクラッシュの「I Fought The Law」で、これは主宰者の大貫憲章氏がクラッシュのメンバーと交流があったために収録が実現したもの。またツバキハウス時代のLONDON NITEで人気の高かったモーターズの「Forget About You」や、オールドポップスの香り漂うホリー&ザ・イタリアンズの「I Wanna Go Home」はVirginとのライセンス契約、「夢見るシャンソン人形」の邦題でもよく知られているDIE AURONAUTENの「Poupee De Cire Poupee De Son」はインディ音源の直契約によって収録されたもの。さらにネオ・ロカビリーのビッグネーム、シェイキン・スティーヴンスの「Give Me Your Heart Tonight」は、本アルバムによって国内で初めてCD化されるなど、まさにLONDON NITEのコンピレーションならではの濃い内容となっている。
そして見逃せないのは、今回も限定のLPバージョンがあるということ。LONDON NITEがスタートした80年はアナログディスクの全盛期。もちろん会場で使われていたのもアナログレコードだったわけで、このあたりも歴史の古いクラブイベントのLONDON NITEらしいところだ。収録曲数はCDの20曲に対してLPは16曲だが、曲順はLP用に新たに考えられたものだし、数量も限定。むしろ昔からのファンには、こちらのほうが涙モノのマストアイテムになるかもしれない。