BENNIE Kが夢だったワンマン・ライヴを達成できた記念すべき日。
「デビューしてからの4年間、何度も何度もくじけそうになったけど、いまはこんな素敵な時間を過ごしてる。だから、みんなにも頑張って欲しいという気持ちと、私たちの本音をつめた曲を最後に贈りたいと思います」。
そう言って「MY WAY」のイントロが聞こえてくると静かに涙をぬぐったCICO。“誰だって迷う 自分の道 疲れた休もうよ かならず扉は開ける”とYUKIはこの日、もっともエモーショナルな声でこの歌を歌い上げた。と、そんな感動的なワン・シーンで終演となったBENNIEKの初ワンマン。これがめちゃくちゃクールで、とんでもなく楽しかった!
インタヴュー時の予告通り、この日はアルバム『Synchronicity』にシンクロさせて“シンクロニCITY”というBENNIEKが創る仮想の街へとみんなでトリップしていく、というコンセプトですべてを構成。会場入りするまでの階段のポスター、ステージの映像、曲順、衣装、グッズに至るまで“蝶々”がシンボル・マーク、ナビゲーターとなってこの街のなかへと案内していく。「こんなの見えないから」とスタッフに言われながらも、本人たちが細部の細部までこだわって作り上げた演出に、ワンマンにかけるふたりの意気込みが伝わってきた。そして、この日のサプライズはなんといってもCICO、YUKIのソロ・パートをライヴに盛り込んだこと。
BENNIE Kの最大の武器は、ラッパーとシンガーのユニットであるという部分。前半はそんな彼女たちならではのパフォーマンスを華やかに披露しておいて、中盤はこのソロ・コーナーで各々のコアな部分を打ち出した。「143」でアコギをフィーチャーしたメロウネスなサウンドをバックに、けだるくソウル・ナンバーを歌い上げたYUKI。ダンサーをバックに従え、ドープな「DRACULEA」でラップをクールにきめたCICO。BENNIEKとはまた違う温度感のふたりが体感できた場面だ。
後半には、さらなるサプライズが! この日のために駆けつけた豪華なフィーチャーリング・ゲスト。彼らが曲ごとにステージに登場しては、フロアをさらに盛り上げていった。SOUL'dOUTから参戦したDiggy-MO'をフィーチャーした「オアシス」、シーモネーターとの掛け合いで場内をおおいに湧かせた「天狗vs弁慶」、2BACKKAのHAMMERとの見事な掛け合いを見せた「MUSIC」(写真)などなど。酸欠寸前まで盛り上がったフロアに、きわめつけの「サンライズ」をふたりが送り込むと、観客、ゲストも大合唱!
「オアシス」「サンライズ」で堂々、ポップ・フィールドへと進出した彼女たちのいまのパワーをまざまざと見せられた場面だった。そしてBENNIEKならではのライヴ。「すごい楽しじゃん! まだまだ観たい!」。そんな表情を浮かべながら帰路につく観客の顔が、この日のライヴの満足度を一番物語っていた。
取材・文●東條祥恵 |
| 『Synchronicity』 2004年11月4日発売 FLCF-4031 \2,500(taxin)
1. Synchronicity~Opening~ 2. オアシス feat.Diggy-MO'(SOUL'dOUT) 3. TREASURE 4. サンライズ 5. Okay 6. Stay Awhile~Interlude~ 7. 143 ~YUKI'sRoom~ 8. DRACULEA~CICO's Castle~ 9. 弁慶&牛若丸 10. 天狗vs弁慶 feat.シーモネーター 11. Puppy Love feat.GIPPER(NORA) 12. Lost Paradisefeat.TSUYOSHI 13. Sunday“after”noon
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