スウィング・ラップからお笑いまで、SOFFetのライヴ・レポート

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ジャズとラップの組み合わせで新しいジャンル“スウィング・ラップ”を提示したアルバム『SWINGIN' BROTHERS』を夏にリリースしたYoYo&GooFからなるSOFFet。その新作を引っ下げての全国ツアー<THE SWINGIN' BROTHERS SHOW>、そのファイナルが11/25、SHIBUYA-AXで行なわれた。

東京はSOFFetのホームタウンなだけに踊る隙間のないくらいのたくさんのお客さんで会場は埋め尽くされ、すごい熱気。映画のようなVJ&オープニングが始まると、普段のライヴとは違うワクワク感と期待感が感じられる歓声が湧き上がる。そして、まるでチャップリンのような(?!)黒のベロア・スーツを着た2人が登場し、アルバムのタイトル&テーマでもある「SWINGIN' BROTHERS 」を最初にキック。この曲はタイトル曲でもあり、まさに2人が本当にやりたいことを形にした曲だ。クールでそれでいてスッと入ってくる微妙なバランスが上手く伝わってくる曲。この日はアルバムのテーマでもあるジャズをよりリアルに伝えるためにスペシャル・バンドとしてLIQUID FUNKを迎え、生バンドの迫力ある演奏と共にSOFFetの最新楽曲を披露。いつものターンテーブルよりダイナミックなバンド演奏だったが、その分、2人のラップと歌もより力強く感じた。前半はゆったりと…そして後半はSOFFetの2人もジャージに着替え、アッパーな曲を中心に披露。また、途中では、YoYoがキーボードを、GooFが笛を…と楽器演奏を披露した姿も、素な音楽好きの姿が映し出されていた気がする。途中でみせたフリースタイルでの自己紹介もそうだが、SOFFetの音楽スタイルはラップが軸にもなっているのだが、2人のバック・グラウンドに抜群な音感を持った音楽性があり、そのいい面が“ラップ”と“歌”にバランス良く配分されている。そんな彼らの素晴らしいバランス感覚が、このライヴ・パフォーマンスでも充分に発揮され、会場全体が心地よい温かさに包まれていた。

さらにアンコールが始まる前になんと思わぬゲストが…! スクリーンにどアップで現われたのが極楽とんぼの山本。「Private Beach」のPVへの参加をきっかけに交流が始まったという山本の一人しゃべりに会場は笑いの渦へ。山本が「とってもシャイでハニカミヤのSOFFetのために……大きなアンコールを!」というと、本当に大きなアンコールが湧き起こった。そんな観客の大きな声援に答え、SOFFetもお客さんのリクエストを受け付け、「変態マスター」「君がいるなら☆」を、その後すぐTV番組のテーマソングとして現在流れている新曲「だらりぽっぽっぽ」まで披露。ライヴならではのコール&レスポンスがおもしろい形で実現したアンコールだった。最初から最後まで“お笑い好き”なSOFFetだけに練りに練られ、考えられたショー。決して飽きさせることのない完璧なライヴの完成度が、来年はもっと大きな力となって現われるだろうと確信させられるライヴだった。
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