台風の中、超満員のチケット完売! マルーン5、初来日公演レポート
9月29日。その日は台風が接近していたおかげで、どしゃぶり状態。そんな悪天候にも関わらず、会場となった渋谷公会堂には満員の観客が集結。さらに会場外では惜しくもチケットが入手できなかった人が、ずぶ濡れになりながら佇むという、超プレミア度の高いライヴとなったマルーン5の初来日公演。 定刻どおり、19時に登場した彼らは、ジーンズにTシャツというラフな格好(一人キーボードのジェシーだけは、モヒカンのかぶりものをしていた)で、ステージに登場。 演奏が始まってみると、さすがライヴが活動のメイン・フィールドというだけあって、最初から人の心をつかむサウンド展開だ。ギターも、ベースも、(サポート・メンバーの)ドラムも、すべてが身体にスーッと浸みわたってくるよう。 とくに、「彼の声を聴いてると、天から光が射すんだ」とギターのジェイムスが語るとおり、アダムのヴォーカルを聴いていると、外は地面を叩きつけるような雨が降り続いているのに、爽快な青空の下にいるような気分になれたのだ。また個人的には、キーボードのジェシーのプレイが心に残った。バンド・サウンドに、ソウル、R&B色を注ぐ、彼の滑らかな指づかいは、心をとろけさせてくれる。だからパフォーマンス中、ほとんど彼の姿を追っていたほどだ。 そんな彼らのパフォーマンスは、ただ一枚のアルバム『ソングス・アバウト・ジェーン』しか発表していないゆえ、アンコールを含め全11曲・1時間という短いものだった。しかし、大ヒット・シングル「ディス・ラヴ」では会場中が大合唱し、「シー・ウィル・ビー・ラヴド」では目を潤ませる女性客もいるなど、観客の心をがっちり掴んだ。アンコールには、今回ケガでステージに上がれなかったドラムのライアンがヴォーカルで登場。アダムがドラムを叩き、AC/DCの「ハイウェイ・トゥ・ヘル」を熱くカヴァー。彼らのシャウトに、会場のボルテージはどんどん上昇するばかり。だから、終演後いつまでも「もっと!もっと!」の声が響き止まなかったのだ。 取材・文●松永尚久 Photo (C)Teppei
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