ROMEO BLUE、きらびやかな中にも儚さを持つ昭和歌謡世界のロックバンド・ライヴレポ

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9/26、まだ蒸すような気候が残る日のこと。渋谷はタワーレコードB1でROMEO BLUEのインストアライヴが行なわれた。

ところで、ROMEO BLUEというロックバンドの成立経緯はちょっと不遇である。大学のサークルで結成された前身バンドに、SHAKEはギタリストとして呼ばれた。その後元々のリーダーでもあったヴォーカリストが数本のライヴを残して脱退。当然残されたメンバーでのライヴはボロボロ。リベンジを謀り、3人で再出発。程なくしてドラマーCHOCOの交通事故により、約1年半の活動休止を余儀なくされたという。しかし! その間、CHOCOが送っていた1本のデモテープを某レコード会社の人間が見初め、ROMEO BLUEとして再々出発というから、世の中捨てたもんでもない。

そんな経歴を持つ3ピースバンドは、独特の雰囲気を纏うグループだ。きらびやかな中にも一抹の儚さを持つ昭和歌謡の世界観。例えば、探偵濱マイクシリーズのような銀幕の中から、そんな抜け出たような様相を持っていた。そんな彼らの生のライヴに触れるため、会場に足を運んだのである。

この日は藤崎賢一率いる新バンド、6(SIX)が主役。ROMEO BLUEはオープニングアクトという状況だ。場内は既に超満員。さて、彼らのパフォーマンスは如何なるものか。SEが鳴り、ステージに登場する3人。ギター音が空間に木霊する。1曲目は「横浜カンフー」。CD「ROMEO BLUE」のオープニングでもあり、結成当初から彼らが大事にしてきた曲だ。ドラムで繋いで2曲目の「ニューオーリンズ・ブルース」へ。たった2曲ではあったが、勢いに満ちた、今後の彼らに期待膨らむライヴであった。誰もが一度は抱いたことのある焦燥感。這い上がろうとするエナジー。それらは攻撃的に客席に向かうギターサウンドから、ひた向きに叩くドラミング。そして巨漢ベーシスト、BOOGIEの睨つけるような視線からも伺えた。言葉では言い表わせないロックの持つ初期衝動がここにはあった。たった2曲のインストアライヴ。いいもの見せてもらったぜ! この日帰って、もう1度アルバムを聞いた。右手にはバーボンロックでも携えたくなるような気分は懐かしくもあり、なんとも言えない気分に陥った。この気持ち、聞いてみなけりゃ分からないよ。

文●中嶋儀幸


●ライヴ・スケジュール
2004年
10/14(木)下北沢BASEMENT BAR
10/28(木)横浜CLUB 24 WEST
11/9(火)新宿marble
11/18(木)下北沢BASEMENT BAR
12/17(金)下北沢BASEMENT BAR
12/22(水)名古屋CLUB R&R
12/24(金)大阪福島セカンドライン
12/25(土)大阪福島セカンドライン
2005年
1/12(水)新宿red cloth
1/21(金)名古屋サンセットストリップ
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