【1メガでお願いします!】特集~“静かなる衝動”てるる...

ポスト
てるる...
▲(左から) 渡辺 豪(Vo)、甲田悠一郎(Dr)、平井遙樹(B)

――全27本に及ぶ全国ツアー<最早 この絵は虫の息>が、7月30日の新宿ロフトのワンマンでファイナルとなりましたが、各地の反響って、どんな感じでしたか?

渡辺 豪(Vo):
自分らでも“今日は最高!”と思えるライヴを演ったときには、その場でCDを買ってくれる人の数も多かったし、アンケ-トの返りも、すごく高かった…。まぁそういう所でしか、反響はわかんなかったんだけど。

――てるる...の魅力って、“静かなる衝動”というか。それぞれの音がしっかり立った存在感を発揮しながら、その音を楽曲という空間の中で心地よく絡ませあってゆくところにあると思ってるんですね。特に音源の場合、各演奏の押し引きのバランスが熱い緊張感を生み出し、それが心へ強い衝撃を投げかけていて。ライヴになると、押し引きのバランスがあるとはいえ、全体的にガーッと攻めゆくアグレッシヴな姿勢が高くなっていきますね。

甲田悠一郎(Dr):
そうなんです。てるる...って、CDとライヴでは音の伝わり方が違っていきますよね。音源では静寂な面が出てても、ライヴになるとガッと3人が熱く攻め込んでいく。そういう3人がステ-ジに立って存在感を放ってゆく様がまた、てるる...のライヴでの格好良さを引き出してるっていうか。あのライヴにおける独特な空気感には、自分で演奏してても痺れる緊張感を覚えてしまうんですよ。

――てるる...の場合、ライヴと音源は別物というとらえ方?

渡辺:
7月に出した1stミニ・アルバム『最早 この絵は虫の息』に関しては、ライヴと差別化したかった面はありますね。聴いてもらえればわかると思うんですけど、単純に音源の方は綺麗な空間美を形作った構成になってるじゃないですか。確かにライヴのように、ガーッと熱く激しく演奏していけば、それぞれの楽曲へより熱が籠もって、また別の格好良さも出たんだろうけど。今回はそうじゃなく、“綺麗で静かな音の中へ潜む、熱い衝動”を作品の中へ封じ込めたかったんですよ。いわゆる“隙間系な作品集”というか…。

――その違いは、確かに感じました。

平井遙樹(B):
収録した歌は、どれもずっとライヴで演り続けてきた楽曲ばかりだったこともあり、あえてライヴとは違う磨き方をしながら、別の表情として音源へ閉じ込めたっていうか。そのぶんライヴでは、もっと熱い表情として、どれも飛び出してくって感じです。

――てるる...のライヴって、とても豪圧で衝動性が高いよね。そんな3人にとって“ライヴ”とは、どういう存在?

渡辺:
俺自身ライヴから得る刺激って、すごく多いんですよ。生身な感情を通し、自分を強く表現してるって実感も強く持ててるし。だからライヴは、絶対に欠かせない場ですね。

甲田:
ライヴだと、普段とは違う自分の感情がガーッと出ていくんですよ。なんかその気持ち良さを知ってしまった以上、もぅ辞めらんないですね。

平井:
俺も、自分を表現する場って音楽しかないので、なくしちゃいけない場です。

――そんなメンバーに賛同する人たちが増えたことが、結果的にワンマンへも繋がったんでしょうね。まだまだバンドは大きくなっていきそうですね。

渡辺:
ワンマンって、その時点でのてるる...を全部表現できるし、自分らのことを好きな人ばかりが観に来てくれる場ですよね。だけど、そういうバンドにとっては演りやすい環境だからこそ、甘えることなく、よりシビアに向かっていきたいんですよ。そういう意識を持つことによって、お客さんともつねに良い闘いができていくんだとも思う。

ライヴ映像はコチラ――てるる...の場合、音源とライヴの表情の違いも、ぜひ味わって欲しいところなんだけど。渡辺くんなど、詞先行で楽曲を作ってるよう、自分たちの想いをしっかり届けたい願望の強いバンドだよね。そういう面では、聴き手がどう受け止めてるかというのも、気になってしまうタイプ?

渡辺:
自分らとしては、ずっと主張はしていきたいし、実際に想いや感情をぶつけていくんだけど。それを聴く側へ“こう受け止めて欲しい”というのはないです…っていうか、俺らにはどうこうできることじゃないですからね。それよりもまずは、3人とも自分らの生き様をてるる...へぶつけ続けてくだけですよ、これからも…。

取材・文 長澤智典
LOFT LIVE LINE へ
この記事をポスト

この記事の関連情報