【速レポ】<京都大作戦2025>SUPER BEAVER「音楽をやる意味なんて、あなたと一対一で対峙すること以外考えられない」

2025.07.05 20:54

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結成20周年を迎え、6月には初のスタジアム単独公演となるZOZOマリンスタジアムでの2デイズライブを行ない、この後もホールツアー、アリーナツアーへと続いていくSUPER BEAVERが、源氏ノ舞台に登場した。

◆ライブ写真

1曲目は「人として」。渋谷龍太(Vo)は胸を叩きながらひとつひとつの言葉を紡ぎ、じっくりと歌を染みわたらせるバンドアンサンブルで、その音楽と観客とを、この日この時、この場所に編み上げていくようにプレイする。一気にステージと客席との境目がなくなる、ドラマティックなはじまりだ。

「あったまってますか」。そう言って自己紹介した渋谷は、「まずあなたに言わなきゃいけないことがあるから。一言だけ言わせてもらっていいですか」と観客ひとりひとりに向けるように“愛してる”の言葉を伝え、「本気でやるから、本気でこいよ」と正面を見据えて、「アイラヴユー」をスタートさせた。柳沢亮太(G)は「京都!」と叫びをあげ、藤原“37才”広明(Dr)と上杉研太(B)による骨太なビートが、観客の鼓動をあげる。渋谷は結いていた髪をほどき、ステージを自由にパワフルに躍動しながら、全力でその歌を歌う。目の前に広がっているたくさんのあなたに手渡すくらいの勢いだ。そしてラストは、確実にそのあなたをしっかり撃ち抜くポーズで、歓声を起こしていく。

改めて「レペゼンジャパニーズポップミュージックフロムトーキョージャパン、ライブハウスから来ましたSUPER BEAVERです、よろしくお願いします」と挨拶をした渋谷は、今日このステージに立つ思いを語る。


「俺たちにとってかけがえのないお祭りにこうして呼んでもらえることが嬉しい。俺たちがこの場所に立って音楽をやる意味なんて、あなたと一対一で対峙すること以外考えられないし、あなたが音楽を通してめっちゃ楽しくなったとかこの瞬間がよければそれでいいわけじゃなくて。この京都大作戦の祭りが終わった後、自分の家に帰った後でも、京都大作戦での数々の音楽が自分の心の中や頭の中でずっと鳴っていて、それが日々の活力になったら最高だろ。現実逃避のための音楽なんてやるつもりはない。現実としっかり向き合うための音楽。だからこそ、死ぬ気でやりますのでよろしくお願いします」(渋谷)

心の真ん中にあるものを一息で吐き出すように語るその言葉に歓声が湧く。そして演奏した曲は、7月2日にリリースされたばかりのシングル曲「主人公」。朝の情報番組『めざましテレビ』の2025年度テーマソングでもあり、爽快なメロディと晴れやかなアンサンブルだが、泥臭く、人間臭い願いや思いがこもっている。そんな曲で優しく包んだかと思うと、「21年目の新人SUPER BEAVER、これが俺たちの戦い方」だと言って、エッジの鋭いリフとビートで前のめりに攻めてくる「正攻法」で煽る。「やれんだろ!」と叫びを上げる柳沢を援護射撃するかのようにリズム隊は観客を踊らせる。21年目の新人、そのギラギラ感は誰よりも凄まじい。「そこにいるんだろ、音楽やろうぜ」という柳沢の熱い言葉が揺さぶってくる。

「ひたむき」、そして「切望」では、観客の思いをいくらでも受け止めとようという、鬼気迫るアンサンブルとボーカルで会場を掌握する。猛烈に力強く、頼もしさがもちろんある。けれどそこには、誰かの痛みや悲しみ、または喜びといった心の機微を汲み取って、繊細に思い悩んで、泣いたり笑ったりする、リアルな体温を持った人間の姿がある。ステージの残り時間を気にしながら、「あと3分以上はありそうだな、もう1曲やろう」(渋谷)そういってプレイしたのは、「さよなら絶望」だ。

「俺たちが代理で厄祓いだ」と言いながら、ネガティヴな思いに抗ってやろうと中指を立てる、渋谷。渋谷と柳沢、ふたりのシャウトがアンサンブルのスピードを上げ、憂いを木っ端微塵にしていく感覚。35分間のステージ。でも、その時間以上のカタルシスがある。余韻に圧倒されながら、観客は4人に拍手喝采を送った。

文◎吉羽さおり
写真◎青木カズロー

セットリスト
1.​ 人として
2.​ アイラヴユー
3.​ 主人公
4.​ 正攻法
5.​ ひたむき
6.​ 切望
7. さよなら絶望

<京都⼤作戦2025 〜暑さも⾬もお茶のこ祭祭〜>
<MISSION IMPOSSIBLE-KYOTO 2025 〜No big deal in the heat or rain〜>
7⽉5⽇(⼟) 京都府⽴⼭城総合運動公園 太陽が丘特設野外ステージ
7⽉6⽇(⽇) 京都府⽴⼭城総合運動公園 太陽が丘特設野外ステージ
open9:30 / start11:00
※⾬天決⾏ / 荒天中⽌
〒611-0031 京都府宇治市広野町⼋軒屋⾕1
▼出演者 ※50⾳順
【7⽉5⽇ 源⽒ノ舞台】Age Factory / Ken Yokoyama / 四星球 / SUPER BEAVER / dustbox / 10-FEET / MAN WITH A MISSION / ROTTENGRAFFTY
【7⽉5⽇ ⽜若ノ舞台】INKYMAP / おとぼけビ〜バ〜 / カライドスコープ / KUZIRA / the 奥⻭’s / SPARK!!SOUND!!SHOW!! / RAINCOVER
【7⽉6⽇ 源⽒ノ舞台】ELLEGARDEN / SiM / SHANK / 10-FEET / Dragon Ash / バックドロップシンデレラ / BRAHMAN / WANIMA
【7⽉6⽇ ⽜若ノ舞台】KOTORI / THE BAWDIES / SHADOWS / SKA FREAKS / STOMPIN’ BIRD / NUBO / Brown Basket
【鞍⾺ノ間】『京都⼤作戦杯2025』EGOLA / ⼤阪籠球会 / SOMECITY OSAKA / TEAM ISHIKAWA / TEAM-S / TEAM TOHOKU / TEAM NICK / TEAM FUKUOKA
『エキシビションマッチ』7/5(⼟) 東⼭⾼校・7/6(⽇) 京都ハンナリーズ
※10-FEETは2⽇間とも出演
※アーティストは都合により変更になる場合がございます。その際チケット代⾦の払戻しは⾏いませんので、予めご了承下さい。

▼京都⼤作戦会員「はんなり会」とは
はんなり会の会員コースは年額・⽉額・無料会員の3種類があり、年額会員向けには京都⼤作戦2025来場時の特典として「レプリカ万能札」の進呈や「はんなり休憩処」が利⽤できる。会員コンテンツや京都⼤作戦2025来場者へのサービスは随時追加されていく予定

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