【速レポ】<京都大作戦2025>ROTTENGRAFFTY「俺らを殺す気で掛かって来い!」

2025.07.05 18:39

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ROTTENGRAFFTYは2025年、結成25年目を迎えた。10-FEETと同郷であり、結成した年も近いことから、常にROTTENGRAFFTYは10-FEETをライバル視していた。だがここまでの25年間、決して順風満帆ではなかったのはファンならご存知だろう。様々な壁にもブチ当たり、やめようと思ったことは数知れず、だったという。

◆ライブ写真

暗闇の真っ只中にいたROTTENGRAFFTYを、10-FEETは<京都大作戦2008>の源氏ノ舞台のオープニングアクトに起用した。それはROTTENGRAFFTYにとって、とてつもなく強力なパワーとなり、以降の活動ぶりは精力的になった。また、ライブ活動の手応えによってバンドの勢いに拍車が掛かることにもなる。今では京都を代表するバンドのひとつになり、主催する<響都超特急>は冬の京都の風物詩になっている。前身となった<ポルノ超特急>も含め、もちろん10-FEETを何度も招いている。

10-FEETと濃厚な関係性があるROTTENGRAFFTYが、今年の<京都大作戦>に現れたのは15時20分のこと。もはや楽しむ気満々のオーディエンスが源氏ノ舞台の前に絶景を生み出していた。ドラムライザーの上に立ったNOBUYA(Vo)とN∀OKI(Vo)が、いきなり歌い始めたのは「金色グラフティー」のイントロダクションだった。歌の一節を“10-FEETの想いは、ここ、太陽が丘に〜”と歌うのはNOBUYA。その優しく伸びやかな歌声に、太陽が丘から自然に大歓声と拍手も湧きあがった。

ところがである。曲の本編と展開する直前、NOBUYAが鋭い眼光でギラリとオーディエンスをにらみつけ、こう言う。いや、恫喝というか、ケンカを売りにいった。「俺はコイツらと殺し合いするからさ!」と。

直後、曲へ本格的に突入するや、人が飛ぶ、オーディエンスがうねる、歌う、サークルもグルグル回り、拳を突き上げる。「金色グラフティー」は、野蛮なぐらいの喜びと楽しさがハジけ続ける狂騒曲となって太陽が丘を揺るがす。さらに続くのは、「金色グラフティー」の続編とも言うべき「響都グラフティー」だ。蹴りを入れるようなアクションもしながらベース弦をハジく侑威地(B)、鋭くキレあるギタープレイで攻めるMASAHIKO(G)、笑顔も見せるのに音はいかついHIROSHI(Dr)。

曲がさらに続く中、相変わらず奇跡のようなタッグを見せつけるのはNOBUYAとN∀OKIだ。キャッチーで憂いもあるメロディを伸びやかに歌うNOBUYA、力づくて泥臭いメロディの歌いこなすN∀OKI。相まみれることのないボーカルスタイルを持った二人が掛け合わさったとき、どこにもないハーモニーで人を酔わせ、時にはマシンガンのごとく連射を続ける最強の武器にもなる。ROTTENGRAFFTYの放つバンドサウンドと、二人のボーカルや叫び声に煽られ、常に人の上で人が飛び跳ねるような光景にもなった。

「ここ最近、毎年、京都大作戦に出させてもらってます。10-FEET、ありがとう。でも、毎年はロットンはもうええって思ってるヤツいるでしょ。そういうヤツらに、俺らがなんで毎年出てるのか証明したるわ。俺らを殺す気で掛かって来い!」

もちろん殺し合いといっても、血を流すそれではない。死ぬ気で互いにライブしようぜという、NOBUYA流の言い方だ。ROTTENGRAFFTYが遠慮なく攻め続け、彼らの音を歓喜の表情で浴びるオーディエンスは、やっぱり遠慮知らずにブチ上がっていく。この相乗効果で、天井知らずのハイテンションがたちまち生まれる。ライブハウス最強バンド=ROTTENGRAFFTYと、そのオーディエンスだから成せるワザ。それが太陽が丘でも繰り広げられていった。

「1999年、あの夏から26年目。ROTTENGRAFFTY、始まりの歌!」

N∀OKIのその言葉と共に始まったのは「切り札」だ。ROTTENGRAFFTY結成して最初に作ったオリジナル曲である。そして、この曲もレパートリーに入れた初めてのライブでは、ROTTENGRAFFTYを目当てに観に来たお客さんは、たったの3人。名前も知っている。10-FEETのTAKUMA、NAOKI、KOUICHIである。そんなストーリーも持ったこの「切り札」を、<京都大作戦>で鳴らすROTTENGRAFFTY。すると曲が中盤に入ったとき、歌いながらステージ袖から飛び出したのはTAKUMAだ。思わず笑顔になるN∀OKIとNOBUYA。さらに侑威地とHIROSHI、MASAHIKO。男同士の揺らぐことない友情と、大事な原点をいつだって忘れないバンドマンたちの姿勢。最高の協奏曲が太陽が丘に轟いた。

「あの頃から、なんも変わってへん、TAKUMA! NAOKI、KOUICHI、ありがとう!!」

クシャクシャの笑顔になって感謝するN∀OKIの姿もあった。そしてラストに向かって、「秋桜」ではいい殺し合いをしたオーディエンスの笑顔と掛け声を太陽が丘に狂い咲かせ、トドメは新作からの1曲「暁アイデンティティ」。’80年代のジャップコアやジャップパンクの匂いも強烈な「暁アイデンティティ」を、ゴリゴリに決めたバンドサウンドと連射するリリックで攻め立てるROTTENGRAFFTY。しかも同楽曲を2回も連続で。結成から25年経っても、なんら変わることのない獰猛さも持つROTTENGRAFFTYである。

文◎長谷川幸信
写真◎HayachiN/Yukihide”JON…”Takimoto

セットリスト
1.​ 金色グラフティー
2.​ 響都グラフティー
3.​ D.A.N.C.E.
4.​ THIS WORLD
5.​ ハレルヤ
6.​ 切り札
7.​ 秋桜
8.​ 暁アイデンティティ
9.​ 暁アイデンティティ

<京都⼤作戦2025 〜暑さも⾬もお茶のこ祭祭〜>
<MISSION IMPOSSIBLE-KYOTO 2025 〜No big deal in the heat or rain〜>
7⽉5⽇(⼟) 京都府⽴⼭城総合運動公園 太陽が丘特設野外ステージ
7⽉6⽇(⽇) 京都府⽴⼭城総合運動公園 太陽が丘特設野外ステージ
open9:30 / start11:00
※⾬天決⾏ / 荒天中⽌
〒611-0031 京都府宇治市広野町⼋軒屋⾕1
▼出演者 ※50⾳順
【7⽉5⽇ 源⽒ノ舞台】Age Factory / Ken Yokoyama / 四星球 / SUPER BEAVER / dustbox / 10-FEET / MAN WITH A MISSION / ROTTENGRAFFTY
【7⽉5⽇ ⽜若ノ舞台】INKYMAP / おとぼけビ〜バ〜 / カライドスコープ / KUZIRA / the 奥⻭’s / SPARK!!SOUND!!SHOW!! / RAINCOVER
【7⽉6⽇ 源⽒ノ舞台】ELLEGARDEN / SiM / SHANK / 10-FEET / Dragon Ash / バックドロップシンデレラ / BRAHMAN / WANIMA
【7⽉6⽇ ⽜若ノ舞台】KOTORI / THE BAWDIES / SHADOWS / SKA FREAKS / STOMPIN’ BIRD / NUBO / Brown Basket
【鞍⾺ノ間】『京都⼤作戦杯2025』EGOLA / ⼤阪籠球会 / SOMECITY OSAKA / TEAM ISHIKAWA / TEAM-S / TEAM TOHOKU / TEAM NICK / TEAM FUKUOKA
『エキシビションマッチ』7/5(⼟) 東⼭⾼校・7/6(⽇) 京都ハンナリーズ
※10-FEETは2⽇間とも出演
※アーティストは都合により変更になる場合がございます。その際チケット代⾦の払戻しは⾏いませんので、予めご了承下さい。

▼京都⼤作戦会員「はんなり会」とは
はんなり会の会員コースは年額・⽉額・無料会員の3種類があり、年額会員向けには京都⼤作戦2025来場時の特典として「レプリカ万能札」の進呈や「はんなり休憩処」が利⽤できる。会員コンテンツや京都⼤作戦2025来場者へのサービスは随時追加されていく予定

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