■大人には子どもの背中を押してもらいたい
■会場で10代を見つけたら優しくしてあげて

──“もう一回、少年時代に置いてきたものを取り返しに行こう”というRest of Childhoodのバンド名の由来ともシンクロする企画ですね、＜追加公演 “CA$H BACK” ＞は。

HAL：そう。俺は10数年前からOLDCODEXのペインターとしてステージに立ってきたけど、Rest of Childhoodを組んだのが38歳のときだったから。もし、中学時代にTakuyaやu:zoと出会えてたら、一緒にバンドやってたと思う。だけど当時、そういうメンバーと出会えなかったからね。だから、楽しそうだと思ったらバンドやったほうがいいよ。

──追加公演ツアーのトピックスとしては、サポートギタリストとしてkanseiさんが参加されるんですよね。

Takuya：そうなんです。僕は過去に対バンしたことがあるかなというぐらいなんですが、u:zoと繋がりが深くて。

u:zo：以前、一緒の音楽事務所に所属してたんですけど、その前から知っているんですよ。今はニューヨークを拠点にソロアーティストとして、作曲家として活動しているんです。もともとバンドマンなので、前から2人には「kanseiっていう面白いギタリストがいるから、機会があったら一緒にやれたらいいね」って話はしていたんですよ。で、今回、声をかけたら快く引き受けてくれて。

HAL：俺はこの前、写真見せてもらったばかり。楽しみだね。

▲Takuya (Dr&Cho)

u:zo：現時点では、まだ4人でスタジオに入ってないから、どういうギターを弾くのかは俺の頭の中にしかないけど、Rest of Childhoodの曲の持つポテンシャルを最大限に引き出してくれることは間違いないと思います。例えて言うと、真っ直ぐな1本道があったとして、そこを進んでいくと湖があったり、山が見えたり、星空が広がったりとか、風景を加えてくれるようなギタリストなんです。その曲が昼なのか夜なのか、そういう情景ももっと明確になるし、サウンドも広がると思います。

Takuya：3人で出す音には隙間があるじゃないですか。

──そのスリルがトリオバンドのいいところですよね。

Takuya：そう。それが4人になることで、また別のいいものになる。曲をもっと具現化してくれるんじゃないかと思います。僕はプロデューサーでもあるので楽曲のリアレンジもするんですけど、新しいパレットを得られるんじゃないかなって。ビルドアップしたRest of Childhoodにさらに色が増えるので、自分たちも新鮮だし、同世代のギタリストなので、新しい仲間が増えるという楽しみもありますね。

──サポートギタリストを迎えるというのはひとつのトライでもあり？

Takuya：そうですね。

u:zo：「CD通りに弾いてほしい」とは伝えてないんですよ。「kanseiの思うままに曲を演奏してほしい。音の隙間に入ってきてほしい」って。

▲HAL (G&Vo)

──＜The Terminal Tour ’23 追加公演 “CA$H BACK”＞が新たなものになりそうで、楽しみです。最後にメッセージをお願いします。

u:zo：楽しめる環境は整っているので、この記事を読んで気になったら、ぜひライブ会場に来てください。

Takuya：人事を尽くして天命を待つじゃないけど、しっかり準備をして臨みます。それと、3人とも誕生日が4月なので、僕らもご褒美だと思って新しいトライアルをするので、一緒に楽しんでいただけたら。

HAL：BARKSにはずっと僕らを取り上げてもらっているじゃないですか。記事を読んで、その情報だけでライブに来たっていう人に会場で出会いたいな。だって、音楽記事だけでライブに来てくれるのってすごいことじゃない？ もし来てくれたら、“行ってよかった！”って思ってもらえるライブを必ずやるので。

u:zo：特に10代は、試しに来てもらいたいね。

HAL：これを読んでいるのは音楽好きの大人も多いと思うから、子どもの背中を押してもらえたら嬉しいな。もしかしたら、ライブに来たせいで見た目が変わっちゃうような影響もあるかもしれないけど（笑）、でもその代わりメンタルはよりピュアになってるはずだから。

Takuya：僕らのファンの人たちは、ライブハウスに居る10代を見つけたら、優しくしてあげてくださいね（笑）。

取材・文◎山本弘子
撮影◎Yoko “NEKOMUSUME” Umemoto (82A)

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