【インタビュー】ココラシカ「自分たちの音楽を突き詰めた上で登っていきたい」

2024年10月1日より番組スタートとなった音楽ラジオ番組interfm「TOKYO MUSIC RADAR」も半年を迎えた。世界に向けて活動を広げるアーティストから、最新の音楽事情を伝える専門家の登場まで、様々なゲストと軽快なトークを繰り広げてきたのは、パーソナリティを務めるNagie Laneのmikakoだ。
「TOKYO MUSIC RADAR」の記念すべき第1回目のゲストとして登場したアーティストは、ギターレス3ピースバンドのココラシカだったが、出演当時はインディーズだった彼らは、なんと2025年3月20日のワンマンライブでフォーライフよりメジャーデビューすることを発表、この半年で大きな飛躍を遂げていた。
そんなココラシカの最新事情をお伝えすべく、メジャー・アーティストとして一回り大きくなった彼らに再び登場してもらった。

ココラシカ(左から、こた、なら、こうき)
──(mikako)このラジオ「TOKYO MUSIC RADAR」の初回放送に来てもらってぶりですね。デビューが決まった時の心境、いかがでしたか?
こうき(Vo, Key):実感が湧かなかったんですけど、この前のワンマンで発表した時に応援してくれている人たちがすっごい喜んでくれた姿を見て嬉しくて、そこで実感が湧きましたし、もっともっと頑張っていこうって思いました。
こた(Dr):涙出たもんね。…いや、泣いてはないですけど。泣いてないけど、ないけど…。
──(mikako)家族の反応とかはどうでした?
こた(Dr):こうきとらなは「ワンマンの時にメジャーデビュー発表するよ」って親に言っていたんですけど、僕、お母さんに全く言ってなくて。というのも、その…癖がなくて。学校からもらった手紙とかも出さないし、何も親に言わないみたいな。で、ライブが終わった後に、こうきに「ひどくない?教えてくれなかったんだよ」って(笑)。そっか、俺言ってなかったなって。
──(mikako)メジャーデビューが決まったことで、ミュージシャンとしての心境には変化ありましたか?
こうき(Vo, Key):覚悟っていう意味でのメジャーデビューなのかなって思っています。逃げずに真っ向から向かっていくというか、「メジャー・アーティストとして頑張っていくぞ」っていう、自分の中での決意がこのメジャーデビューっていう意味にあると思います。
らな(B):ワンマンライブに来て、自分たちだけを応援しに来てくれた人もすごい喜んでくれたし、そのライブを作って動いてくれるたくさんのチームメイトもできて、自分たちのためだけじゃなくて、この人たちのために音楽をやりたいっていう思いがすごい強くなって、余計楽しくなった感覚があります。
──(mikako)責任感も生まれながら、それを楽しめているんですね。素敵です。
こた(Dr):メジャーデビューをするって公言してから、周りからの目をすごい感じます。軽率な行動だったりとか、もちろん最初からしないですけど、より強く自覚しますし、そんな中で自分が1番楽しめる音楽をみんなにも提供したいっていう気持ちがより強くなってきた。
──(mikako)5月1日に「手のひらで踊らせて」という新曲がリリースされましたが、こちらはどんな曲になっていますか?
こうき(Vo, Key):この曲は、「超かっこいいサウンドの曲を作ろう」っていうところから始まった曲なんです。女性の危なっかしい恋愛を歌った歌詞なんですけど、かっこいいグルーブとかっこいいバッキングに乗せて、女性の寂しさを歌っているような曲で。
──(mikako)とにかくかっこいいですけど、目指したサウンドってあるんですか?
こうき(Vo, Key):メジャーデビュー曲として書いていたので、「かっこいい曲」っていうところから始まって、その上で何曲もデモを作って、それこそメジャーだったりマイナーな曲だったり、スローテンポの曲だったり色々あったんですけど、その中でもこのバッキングとベース&ドラムの絡み合いが1番いいなっていうので、この曲に決まりました。
──(mikako)リファレンスにした楽曲などはあるんですか?
こうき(Vo, Key):リファレンスにしたのはなくて、これは割と自分の手癖にもあるバッキングなんですよ。イントロ部分の構成を何回も繰り返していくパターンで、サビだけちょっと変わるっていう感じなので、基本的にはイントロができた瞬間にもうこれをやろうっていう感じでした。この構成が結構僕の癖で、割とスリーピースの構成自体は僕があらかじめ作っておいて、それをプロデューサーさんと一緒にアレンジを練ったりしました。グルーブに関しては結構詰めたりしたんですけど、曲作りに関してはそういう感じですね。
──(mikako)今回はグラミー賞受賞者でもある宅見将典さんをサウンドプロデューサーに迎えていますが、どうでした?
こうき(Vo, Key):宅見将典さんのアレンジっていうのが、ものすごく僕らの詞を大事にしてくれているんです。他のプロデューサーさんだと、僕らのアイディアをガラッと変えてくださることも多くて、僕らがそう依頼することもあるんですけど、「手のひらで踊らせて」は原曲をそのまんまかっこよくしてくださった感じがあって、それがもう「さすがだな」と。あと、サウンド面にいろんな工夫とかがあって、それこそドラムとかもね。
こた(Dr):宅見さんが持ってきたアイディアとして「ちょっと打ち込みドラムっぽくしたい」っていうのがあったんですけど、実際に叩いたグルーブの中からいい箇所を切り取って、それを繰り返していくことによって、かっこよく人が叩いているグルーブにもなるという。色々制作秘話もありますよ。
──(mikako)ぜひ聞かせてください。
こた(Dr):宅見さんが持ってるシェイカーが、いろんな国で買ってきたようなものがたくさんあって、重さも音もサスティンも全然違うし、同じ楽器でもこんなに違うんだなって思いました。曲によってもこれが合う・合わないとかもやっぱりあるんで、「今日はこっち使おう」「今回はこっちを使おう」みたいなのも、その時その時のサウンドと相談しつつ決めていった感じですね。
──(mikako)そのあたりも宅見さんと生み出すことができたもののひとつですね。
らな(B):こうきのデモを宅見さんがアレンジして戻してくださるんですけど、自分たちの曲はそのままなのに、すごい垢抜けた感じがするんです。自分たちにはまだ思いつかないようなストリングスのラインとかもカッコいいんですよね。すごい大人っぽく垢抜けてて、私たちが求めているところを自然と引き出してくれていることにすごい感動しました。
──(mikako)レコーディング自体も順調でしたか?
こうき(Vo, Key):とにかく僕は音の良さが気に入って、音がいいと繰り返し聴きたくなるというか、やっぱりそれがものすごいいいなと思っています。ストリングスも生で入れているんですけど、生だけだと繊細な生っぽさになっちゃうので、そこに打ち込みのストリングスを混ぜることですごく太いストリングスができているんですよ。そういうところも含めて、音の良さがすごいです。
らな(B):でも、この曲のベースは結構難しくて、ずっと1グルーブのまま貫くんですけど、最後の方にベース・ソロが出て。
──(mikako)かっこいいですね、あれ。
らな(B):音色も変えてバチバチにしているのもありますし、そのグルーブを貫いたまま「ベースソロ行け」ってやってるのが自分的には結構お気に入りなので、そこは注目して聴いていただけたらなって思います。
こた(Dr):ドラムも基本的にいわゆるバッキングというか、自分が目立つよりはグルーブを前に出していくっていう役割をもって叩いているんですけど、そのベース・ソロでは、16ビートは絶やさないまま8分の裏のビートも出すような、ベースソロをいかにかっこよく聴かせるかっていうことで、あえてスティック逆に持って太いところでライドのベルを叩いたりとかしていますね。
──(mikako)スティックを逆に持つとどうなるんですか?
こた(Dr):スティックって持ち手側が太くて先端が細くなっているんですけど、逆に持つことによって、太い方が割と重いので、甲高くて太い音が出るんです。強く強く甲高く叩くことによって、ベースソロがぐっと持ち上がるって出るような音にしたかったんです。
──メジャーデビューということで、「手のひらで踊らせて」には新たなココラシカが満載ですね。
こうき(Vo, Key):でも実は、僕の中では元々あったものというか、高校生の頃にこういう感じの曲は結構書いていたんです。でも高校卒業してからリリースする曲たちが割とメジャー(長調)な曲が多くなっていたんですよね。その中で、やっぱ僕としてはココラシカというバンドにとって、こういう曲は外せないなと思って。
──(mikako)そうなんですね。
こた(Dr):こういうサウンドって、高校生の頃にリリースしたEP「Sign」ぶりですかね。大分グレードアップして、さらにかっこよくなったよね。メジャーデビュー曲でこういう曲を出すことによって「ココラシカ、まだこの路線行ってくれるんだ」「こっちも拾ってくれるんだ」っていう示しにもなるし、すごくかっこいい曲ができて嬉しい。
──(mikako)さらには、5月8日に「ごめんね」という曲がリリースとなりましたが、こちらはどんな曲になりますか?
こうき(Vo, Key):この曲は、大切な人がいなくなってしまった時に「ごめんね」って言葉を言えなかったら、ものすごく後悔するなっていう思いを込めて作った曲です。「ごめんね」って、なんか少し気恥ずかしい言葉だけど、1歩踏み出して言えるような勇気を与えられる曲にできたらいいなと思って作りました。
──(mikako)暖かくミドルテンポの楽曲ですけど、この曲もベースが効いてるなって思いました。
らな(B):この曲はほんとにゆったりしたグルーブが特徴の曲で、ベースラインも難しいことをしているわけではないんですけど、それでも同じグルーブを保って聴いている人をゆっくり世界観に引き込むのが味噌だと思ったので、宅見さんからも「後ろ向きに乗るといいよ」「首を前に回すんじゃなくて、後ろ向きに」というアドバイスを頂きました。自然に乗っていていたんですけど、意識して向きを前にしたり後ろにしたりするとすごい違いがあることを知りました。ライブとかでも少し意識してみたりします。
──(mikako)この楽曲で目指したサウンドとかはありましたか?
こうき(Vo, Key):僕の中ではアルバムの中の1曲っていう感じだったので、僕たちらしく割とやりたいサウンドなんですけど、シティ・ポップのリファレンスっていうところを軸にした曲として、それこそ山下達郎さんのようないわゆるシティ・ポップのような、昔からの血を継いだ曲になってるかなと思います。
──(mikako)注目してほしいところとか、狙ったサウンドなどはありますか?
こうき(Vo, Key):この曲は、最初からずっとこだわっていたんですけど、「サビを最後まで持っていきたくない」って言ってて、周りの人からは「サビはここにあった方がいい」とか「1番は終わった後には、サビが来た方がいいんじゃないかな」ってすごく言われてきたんですけど、僕は頑なに「サビは絶対最後がいい」って言い続けてきたので、だからもうこの最後のぐわっとくる感じが大満足なポイントです。
──(mikako)確かに、サビが来るかと思ったら一旦また落ち着きますよね。で、最後の最後にサビが2回し。これもまた斬新で。
こた(Dr):最初「わがままやな」と思ったけど(笑)、出来上がりを聴いて納得させられた。当初は、頭サビっていう概念がなかったんだよね。
こうき(Vo, Key):イントロからAメロだったんですけど、これも宅見さんが「サビのフレーズを最初にちょっと持ってきたら」って言ってくださって「なるほど」と。そこからが早くて、とんでもなくいいものができちゃったみたい(笑)。僕が「最後にサビを持っていきたい」って言ったのも、最初にイントロの部分でちょっと軽く聴かせるからこそ成り立ったもので、宅見さんのアドバイスのおかげだなって思います。
こた(Dr):「これはダイナミックスが大事」っていうのも言ってくださっていて、落ち着き目から入って、で、だんだん上げてって、大サビでバゴーンと爆発するみたいな感じがベストって思っていたんですけど、そこにさらに加えて、最初はもうめっちゃ抜いちゃっていいんじゃないかってぐらいシンプルにしました。逆に最後の方では、もう歌にかぶせるぐらい気持ちの爆発でがっといっちゃえっていう。
──(mikako)いいですね。
こうき(Vo, Key):宅見さんが、僕らの曲を「本当にめっちゃいい曲だね」って言ってくださって、それで僕が出したデモをそのまんま+αでアレンジしてくださったんですよね。完成した作品をみんなで聴いたら「アルバムの1曲だけじゃもったいないよね」って話になって、5月8日にシングルとしてデジタルリリースすることになったんです。
──(mikako)宅見さんは、ココラシカの新たなページを開くための大きなエッセンスをくださったんですね。そんな「ごめんね」ですが、みなさんそれぞれ「ごめんね」って言いたい人はいます?
こた(Dr):…全然思いつかないな。
こうき(Vo, Key):メジャーデビューを伝えなかったお母さんには「ごめんね」は言うべき。
らな(B):ちゃんと(笑)。
こた(Dr):でも、そうだな。ママに謝っとくか。
──(mikako)じゃあこの場で、はいどうぞ。
こた(Dr):「ママ、ごめんなさい」。僕のやりたいことだったり、結構無理やり連れ回してるというか、引きずり回してるんで、そういう部分に関しても「ごめんなさい」って思うし、何より生活リズムが整ってなくてごめんなさい。
──(mikako)お母さんは、ちょっと大変かもしれないですね。
こた(Dr):はい。夜中までゲームして騒いでいたりもするんで。
こうき(Vo, Key):騒いでいるのは改善できるだろ。もうちょっと静かにやろうよ。
こた(Dr):多分寝られないと思うんですけど、いつもほんとそれはごめんなさいと思ってはいるんで、これからもゲームさせてください。
──(mikako)だそうです。お母様。こうきくんはどなたかいらっしゃいますか?
こうき(Vo, Key):まだ実家暮らしなんで、「これやっといて」って言われたことがあったんですけど、ちょっと忘れちゃって、はい、ちょっとママに「ごめん」。
──(mikako)みんなご両親ですね(笑)。
こた(Dr):いざ「ごめんねと言いたい人は誰」って言われると、両親以外はぱっとは出てこないもんですね。
こうき(Vo, Key):やっぱ身近な人になるよね。普段は気恥ずかしくて、言えなくなっちゃうから。
──(mikako)「ごめんね」って言えない相手って、それくらい近い存在かもしれないですね。
こうき(Vo, Key):そうですよね。逆にスタッフさんとかだったらちゃんと謝れますからね。なので、皆さんに「ごめんね」と背中を押せるような曲になってほしいです。

こた、mikako(Nagie Lane)、らな、こうき
──(mikako)そして、5月21日には、メジャー1stミニアルバム『Freedom』がリリースとなりますが、全8曲収録ということで、どんな作品になりましたか?
こうき(Vo, Key):僕たちは割とシティ・ポップを軸にしてはいるんですけど、その枠にとらわれずにどう僕ららしく、わかりやすく伝えられるかっていうことをテーマにしました。高校を卒業してこの1年という制作期間だったんですけど、まだ確立されていない音楽性の中で、いかにいろんなチャレンジができるかを突き詰めた、僕らの初々しい一面が見れる作品になっています。もちろんこれからさらにブラッシュアップはしていくんですけども、これはこれとして、今だからこそできる作品になれたかなと思います。
──(mikako)『Freedom』というタイトルも、その自由さから?
こた(Dr):アルバムを見通しての作品作りでもなかったし、テーマとかも決めてない中での制作だったけど、こうきが作ってくる曲に対して僕たちが好きに肉付けしていく作業に対しての自由さというか、色々な面があるよっていうのをこのアルバムで示せたらなっていうので『Freedom』になった部分があります。
こうき(Vo, Key):チャレンジしていろんな模索をしていく姿が聴ける曲たちが揃っているんですけど、僕の中では「ココラシカの割と断片的な一部」だと思っています、その中でいろんな僕たちが見れる曲だなと思っていて、1曲1曲が全然違う曲に聴こえるとも思うんですけど、これからもいろんな曲が増えてくるにつれて、「これはココラシカの一部だったんだな」みたいに聴こえてくるって思います。
──(mikako)ワクワクですね。今回の8曲も色々な方がサウンドプロデュースで参加されていらっしゃいますね。
こうき(Vo, Key):サウンドプロデュースでいろんな方に関わっていただいたんですけど、楽器でも関わってもらっていて、ストリングスだったり、トランペット、フルートみたいな音も生で入れていただいたりもしたし、あとは「またね」という曲では、僕のお母さんがバイオリンを弾いてて。
こた(Dr):高校生の時にリリースした「三つ葉のクローバー」以来ですか。
こうき(Vo, Key):このアルバムの中で「またね」だけセルフプロデュースなんですけど、ストリングスを誰に頼もうって思った時に、「またね」っていうタイトル的にも、僕の人脈的にも、お母さんに頼んでみるかと思って、ストリングス2本とビオラまで弾いてもらいました。
こた(Dr):俺ら3人よりも、こうきのお母さんの稼働の方が圧倒的に長い(笑)。
──(mikako)お母さんにはどうやってお願いを?
こうき(Vo, Key):いや、結構割とフランクに話しているんで「お願いしてくれる」って言ったら「ああいいよ」みたいな。
──(mikako)すごいですね。あと、アルバムの2曲目にインタールード「Interlude」が入っているんですけど、これは?
こうき(Vo, Key):3曲目の「最後の花火」の前に「何かちょっとあったら面白いんじゃないかな」って思ったのと、ライブ前のSEとして使っていたものをアルバムの中に入れてもいいんじゃないかなっていうので入れました。この曲は3人で電車の音を録りに行ったんだよね。
こた(Dr):フィールドレックをしました。
──(mikako)どういうSEを作ろうと思ったんですか?
こうき(Vo, Key):ライブも音源も起承転結というか繋がりを意識するっていうことがすごい多いんです。なのでSEには、そのまま次の曲にすっと入って、お客さんの気持ちが途切れる前に繋げていきたいっていう思いがあります。ライブで「最後の花火」を1曲目にやるとして、そのSEを作ろうっていうのがそもそもの最初で。
こた(Dr):アルバムで聴くと、「最後の花火」と「Interlude」って繋がっていないように聴こえるんですけど。ただ、ライブに来ることによって、このインタールードに意味がわかるという。そういうことが知れるのも、ライブの醍醐味だと思って。「最後の花火」と「Interlude」ってキーは一緒だし。
──(mikako)ライブに行かないとですね。ココラシカにとって、「シティ・ポップ」と呼ばれることに対してはどう思っていますか?
こうき(Vo, Key):嫌な気持ちもしないですし、もちろんシティ・ポップは大好きなので嬉しい気持ちもあるんですけど、かといってシティ・ポップとしてやるつもりも半々ぐらいの気持ちで、「僕らのサウンドを作りたい」っていう思いが強くあるので、シティ・ポップ好きな人に聴いてもらって、「なんだこのシティ・ポップは」って思ってもらえたら最高かな。
──(mikako)確かにそうですね。
こた(Dr):シティ・ポップのくくりってすごく広くて、おしゃれだったらもう全部シティ・ポップみたいな風潮があって、シティ・ポップなのかネオソウルなのかみたいな曖昧さが今もあるので、そういう部分でシティ・ポップという枠で括られるよりも、ココラシカのポップス、ココラシカのサウンドって言われた方がやっぱり嬉しいですよね。かと言ってシティ・ポップ好きがこっちに来てくれるのもすごい嬉しいので、そういう部分ではシティ・ポップでもいい(笑)。
こうき(Vo, Key):シティ・ポップって何なの?っていうのが曖昧なので、いわゆるシティ・ポップって言ったら「ああ、最近のおしゃれ系ね」ってなるのは、ちょっと悲しい気持ちになるんだけど。とにかく僕らは、続けていくことを大事にしたいなと思っていますし、最近はちゃんと目標を立てて、一生懸命そこにがむしゃらに走り抜いていこうっていう気持ちになっています。そういう意味でやっぱ武道館じゃないですかね。
──(mikako)素晴らしい。

こた(Dr):先日プロデューサとのトークイベントがあったんですけど、そこで「目標ってなんなの」って聞かれて、僕たちは「音楽を続けること」って答えてきたんですけど、「それじゃ、もったいない」って言ってくださったんです。野望がないと、それに至るまでの楽しみが薄れちゃうって。だから「君たちには、野望とか目標を持ってほしい」って言われたんです。確かにって思いました。
らな(B):先輩の助言は素晴らしい。
こた(Dr):で、3人で話し合いをして、大きな目標のひとつに武道館だね、って。
こうき(Vo, Key):売れることも難しいけど、続けていくことが本当に難しいと思っているので、3人が楽しく続けていけることは大前提の上で、野望を持って、時にはぶつかって、頑張っていきたいなっていう思いですね。
──(mikako)らなちゃん、武道館公演はずばり何年後ですかね。
らな(B):3年後。最初私は1年って言ったんです。目標や夢は大きく持ってそこに向かって頑張るのはいいことだとおっしゃってくださったので、「じゃあ1年後。それぐらい大きいアーティストになりたい」って言ったんですけど、こうきに「現実的に考えろ」ってすごい言われて。
こうき(Vo, Key):ちょっとそれは売れに行きすぎじゃない?って思ったので。僕はあくまで「自分たちの音楽を突き詰めた上で登っていきたい」んですけど、そこはやっぱり時間がかかるなと思っているんです。売れに行こうとしたら売れに行く音楽になっちゃうんで、あくまでも僕らの音楽として地道に頑張っていく上で、大きな目標を目指したい。SNSの時代で、ぱっと伸びちゃったらすぐ廃れていっちゃう時代なので、あくまで自分たちのサウンドを追求するっていう上で、おっきな目標を臨みたいんです。
──それで3年後なんですね。
こうき(Vo, Key):大きな目標を持つのはすごい大事だと思っているんで、そういう気持ちで頑張っていきます。
取材◎mikako(Nagie Lane)
文・編集◎烏丸哲也(BARKS)
メジャー1st Mini Album『Freedom』
2025年5月21日(水)CD&配信同時リリース
CD(FLCF-4541) 2,800円(tax included)
※スペシャルLIVE参加券封入(リアル&配信)
1.ごめんね
2.~Interlude~
3.最後の花火
4.手のひらで踊らせて
5.溶けないで
6.花瓶(読売テレビ「未成年~未熟な俺たちは不器用に進行中~」エンディング主題歌)
7.Q
8.またね
