【座談会】ムラマサ☆、少年カミカゼ、midnightPumpkin、ホイフェスタ、ketchup mania、CHERRYBLOSSOMの18名によるAVENGERZ!!、再集結を語る「20周年のタイミングで当時の熱狂をもう一度」

2025.05.23 03:00

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■それぞれ大事なものは変わったけど
■こうしてまた会える場所がある

──“アベンジャーズ”という言葉は、映画の影響でスーパーヒーローの集まりのようなイメージがありますが、本来の言葉の意味は“復讐者”ですよね。復讐とまではいかなくとも、どこかでそういう思いを抱いていたりするのでしょうか?

和教:この“AVENGERZ!!”って名前は、ムラマサ☆のマサシなんですよ。「バンド名の意味が復讐では良くないんじゃない?」っていう話にはなったんですけど、各バンドの豪華メンバーが集まるっていうことで、「“アベンジャーズ”なんじゃない?」ってことで。リベンジっていう思いはありますが、そんなに深い意味はなかったと思います(笑)。

──そうでしたか(笑)。


▲wakana(midnightPumpkin)/<BACK TO THE TUNE PARTY>2022年公演

和教:この中で一番売れてたのがムラマサ☆で、ムラマサ☆に続け!っていう感じでみんなやってたんですけど、2008年を境にどんどん解散していったんですよね。

SaCo:誰が一番最初に解散したんやったっけ?

和教:僕たち(笑)。

SaCo:あ、そうか。じゃあやっぱりかずっぺのせいやな(笑)。みんな解散?

wakana:ミッパン(midnightPumpkin)は活動休止です。その後も復活ライブを何回かしましたね。

和教:2008年に少年カミカゼが解散して、2009年にムラマサ☆とketchup mania、2010年にCHERRYBLOSSOM、2011年にミッパンが活動休止して……ホイフェスタは2012年までやってるわ。

SaCo:そうなんや、よう頑張りはったな(笑)。

和教:実はこの企画を進めてる時、名古屋にも行ったんですよ。GOLLBETTYのTAKA-Pと、CHERRYBLOSSOMのMEEKOに会いに。

SaCo:フットワークすごいな。

和教:でも、GOLLBETTYは同時期に復活のタイミングがあって、ちょっと難しそうだなぁってなって。CHERRYBLOSSOMもいろいろあって先が見えないから難しいかもって話があって。MEEKOからドラムのゆっちを渡すわって言われて繋いでもらった。

ユミ:そうなんや。

SaCo:すごいな。ゆっちはそうやって差し出されたんやな(笑)。

和教:本来ならこのAVENGERZ!!のメンバーにGOLLBETTYのメンバーも何人かいてくれるのが理想だったけど、現実的に難しそうだったので、発想の転換をしたんですね。フルメンバーを集めていくのではなく、足りないメンバーは参加メンバーでコラボレーションをしようと、それはそれでよかったなと思います。


▲MAYA(midnightPumpkin)/<BACK TO THE TUNE PARTY>2022年公演

──そんな策士の和教さんから声をかけられた時、みなさんはどう思ったのですか?

ユミ:声をかけてもらった時は、「やろやろ!」って感じでした(笑)。ボーカル一人で歌ってると、誰かと歌うことがないんですよ。それが今までの仲間とやれるっていうことで、めちゃくちゃ楽しみだったし、みんなが同じタイミングでやれるならやるしかないやろ!って感じでしたね。

SaCo:私は「ユミちゃんはやるって言ってる?」って聞きました(笑)。ユミちゃんにも直接連絡したよな?

ユミ:うん、きたきた。確認の電話が(笑)。

SaCo:ユミちゃんがやるんやったらやるわ、みたいな感じだった気がする。かずっぺがいろいろ動いてるのは知ってたから、みんながやるなら楽しいやろうなと思ってて。私も「やるやる!」っていう感じでした。で、MAYAはYouTubeで先に捕獲されてて(笑)。

MAYA:そうそう。「飲め飲め」と言われて、「やろやろ!」って感じで(笑)。

──で、wakanaさんは最初に語っていただいたように、最後の公演での参加を決めて。これだけのメンバーがよく集まりましたよね。

和教:そうなんですよね。2022年の公演が終わった後も、男性陣は超盛り上がって「来年もやりたい!」ってなったんですけど、みんな忙しくてなかなかスケジュールが取れなくて。それで2025年まで、ちょっと空いちゃったんですよ。

──リハーサルするのも大変そうですね。

ユミ:だいたいライブ前に入るっていう感じだったんですよね。それまでは個人練習で。ボーカル同士はハモリのパートがわかりにくいから、ハモリのパートだけ歌ってもらって、それをボイスメモで送り合うっていう(笑)。裸を見られてるぐらい恥ずかしい感じの。

MAYA:そうそう(笑)。「ここはwakanaだったよね」とか連絡したりして。

ユミ:メロディがわかりません、みたいな(笑)。懐かしいですね。


▲SaCo(少年カミカゼ)/<BACK TO THE TUNE PARTY>2022年公演

──それぞれデビューから約20年ということですが、改めて何を思いますか?

SaCo:もう20年になるんや…とも思うし、20年も前の曲をずっと聴いてくれている人たち、ずっと好きでいてくれている人たちに対して、すごく嬉しいなと思うし。20年経って、こういうイベントができるっていうことも恵まれてるなって思います。

ユミ:本当にありがたいですよね。20年って、その時産まれた子が成人してますからね。こうやってまた一緒にライブができるのも、みんなが音楽を続けてくれているからで、それに対してありがとうって思います。

MAYA:うん、生きててよかったね。

ユミ:本当に。前の打ち上げでも、そんな話ばっかりしてた気がする(笑)。生きててよかったねって。

wakana:デビューした頃は、みんなもそうだと思うけど、バンドがすべてだったんですよ。なんとしてもこのバンドでって思って一生懸命やってたと思うんですけど、20年経ってみんな大事なものが増えていて、それがいいなと思ったんです。たぶんファンでいてくれた人も、それぞれ好きな音楽が増えていたり、大事なものが増えていたりしてると思うんです。だけど、「やるんだったら行くよ」って言ってくれる人がいて。それぞれ大事なものはみんな変わったけど、こうしてまた会える場所があるって、すごくいいなと思いました。大事なものが変わるってことも、いいじゃんって思いました。

SaCo:いいこと言うわ、さすがやな。「大事なものが変わるのはいい」って、一曲書いてもらおうかなと思うぐらい(笑)。

MAYA:ほんとに(笑)。この中で一番音楽から離れてるのって、私だと思うんです。AVENGERZ!!でステージに立ったのも本当に久しぶりだったんで、あまり実感がないんです。バンド活動をしてる時も、結構流れに身を任せていたので。だからあんまり気張ってない感じではありますね。

──和教さんはどうですか?

和教:やっぱりこのメンバーでやれるっていうことが嬉しいですね。ガールズボーカルバンド界隈のトップ戦線を走っていたメンバーが、また同じタイミングで2025年に集まるって絶対にないことだと思っていて、それをイベントにすれば絶対にお客さんも喜ぶだろうし、聴きたい曲がいっぱいあると思うんですよ。だから、今年9月のライブは2部制になってるんです。

SaCo:え? 1日2公演ってこと?

和教:いや、途中に休憩が入る2部制です。2部制にして、とにかく曲をめちゃくちゃやるので、聴きたかった曲が聴けると思います。

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