デビュー25周年を迎えた後藤真希が、3月23日に東京・イイノホールで＜後藤真希 25th anniversary live tour 2024〜2025 “RE pr∀yer”＞を開催した。昨年9月に開催されたアニバーサリーツアーの、1日限りの追加公演。パワーアップしたパフォーマンスとスペシャルなセットリストでファンを魅了した。

◆ライブ写真

客電が落ちた会場に浮かび上がる、「RE:pr∀yer」の真っ赤なロゴ。印象的なイントロとともに後藤が姿を現すと、客席からは大きな歓声が沸き起こった。4人のダンサーを従えた魅惑的なダンスと歌で圧倒する「QUEENDOM」から「Get Your Way」、みんなでクラップしながら盛り上がる「CLAP CLAP」。幕開けからのこの3曲は9月の公演と同じだが、あの時のMCで後藤自身が口にしていた「曲を育てていきたい」という言葉どおり、1曲1曲の個性がより強くなり、楽曲の世界観もさらに深みを増した状態で披露されていた。

MCではまず、昨年9月のツアーを終え、もうちょっとやりたいよねという自分の気持ちと、もうちょっと見たいよねっていうみんなの気持ちから今日のこの公演が実現したことへの感謝を伝える後藤。「今夜限りで終わってしまうので、”お楽しみ残し”がないように、気持ちを全部ぶちまけて楽しみましょう！」と話し、13年ぶりにリリースされたミニアルバムのタイトル曲でもある「prayer」を披露。後藤の思いが込められた1曲を、迫力のパフォーマンスで届けた。

ドレスに着替えて登場した次のセクションでは、ピアノをバックに「I am」をじっくりと歌い上げる。「サヨナラのLOVE SONG」はリリース以来20年ぶりの歌唱となるが、年齢を重ね、経験を積んできたからこその表現が加わって、楽曲の新たな魅力が引き出されていたようにも思えた。

4人のダンサーによるダンスパフォーマンスに続き、ツアーTシャツを大胆にアレンジしたロックな衣装で披露したのは「BAD BOY」。どんどん高まっていく会場の熱気とみんなのテンションをさらに盛り上げるメドレーのコーナーでは、タオルやペンライトを回して楽しんだ「EYES」、客席に向けてカラーボールが投げ込まれた「Queen Bee」とアッパーなナンバーが続いていく。モーニング娘。の大ヒット曲「LOVEマシーン」「恋のダンスサイト」「恋愛レボリューション21」がノンストップで披露されると、客席は最高潮の熱気に包まれた。

次のMCのコーナーでは、「メドレーの内容の激しさというか、忙しさの余韻がスゴい（笑）」と笑顔で振り返りつつ、自身が今年30代最後の年であることや、写真集「flos」の電子版が歴代売上日本1位を獲得したことなどをトーク。この写真集の出版について後藤は、「昔は“撮りますよ”って言われたら、笑っているのか笑ってないのかよくわからない、無表情に近い写真が多かったし、テレビでも不機嫌そうとか態度が悪いみたいに思われがちだった（笑）。でも最近はライブやYouTubeでの活動が増えたことで、気がついたら自然と笑えるようになっていたから、今撮るといいものになるんじゃないかと思った」と語り、改めて手にしてくれたファンへの感謝を伝えていた。本編は後藤のソロデビュー曲「愛のバカやろう」、そして低音のビートが効いたエレクトロなナンバー「Flirty Sun」で幕を閉じた。

アンコールは2000年12月にリリースされたシングル「恋愛レボリューション21」のカップリング「インスピレーション！」からスタートし、自身が作詞した楽曲「lalala」は撮影がOKとなるなど、アットホームな空気に包まれていた。MCでは旧知の仲である鈴木亜美とのツアー＜鈴木亜美＆後藤真希 TALK SHOW〜鈴木と後藤のふたり旅 2025〜＞の開催も発表。そして「嬉しいことはまだまだ続くと思うよ、まだ言えないけど（笑）。25周年というのもあるけど、それだけじゃなく、いろいろ楽しんで前向きに取り組んでるから楽しみにしていてください！」と笑顔で語りかけていた。

ラストナンバーとなる「Ivy」を思いを込めて歌い上げた後藤は名残惜しそうに会場を見渡し、今日のこの日が迎えられたことへの感謝をファンに伝える。終わりたくない気持ちはみんな一緒ということで、後藤は突如沸き起こったアンコールに応え、まさかの「LOVEマシーン」「恋のダンスサイト」「恋愛レボリューション21」を3曲続けて披露。「今日のこの日を絶対に忘れないでください！そしてまた私に会いに来てください！」と最高の笑顔を輝かせ、ステージを後にしていた。

取材・文◎山田邦子