コルグのワークステーションが容量倍増、サンプラー機能やシグネチャーサウンド多数を搭載して新登場「KRONOS X」

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コルグは、コルグを代表する9つの音源を搭載したミュージック・ワークステーションのニューモデル「KRONOS X」を発売する。

2011年に登場した「KRONOS」は、発売後もシステムのバージョンアップや専用の追加音色ライブラリー「KRONOS Sound Libraries」が立て続けにリリースされるなど、完成度を一層高めてきた。そして2012年、KRONOSはその地位に安堵することなく、さらなる進化を続ける。内蔵メモリー容量やSSDのサイズをアップ、サンプラー機能を充実させて「今できる全ての技術を惜しげもなく注ぎ込んだ」究極のワークステーションとして新機種が投入される。その名前には新たに、未知の可能性を意味する「X」の文字が加えられた。「KRONOS X」の登場だ。

「KRONOS」は、リアルなピアノ、表現力豊かなエレピ、強力なアナログ・モデリングなど、厳選した9つの音源を一台に詰め込んだ唯一無二のシンセサイザー。ライブ現場でのプレイヤーの要求、制作現場でのクリエイターの要求、そして究極のシンセサイザーとしての要求。異なる3つの要求に応えるべく、KRONOSには9つのサウンド・エンジンを搭載している。

「KRONOS X」では、PCM RAM容量を約2GB、SSD容量を62GBとサイズ倍増が図られている。これは、本体内のプリロード・プログラムとはひと味違う、個性的なセレクトで構成される拡張音源ライブラリーKRONOS Sound Librariesを思う存分利用できるようにとの配慮だ。また、2012年3月より、この拡張音源にドイツKARO社による「KARO Sound Libraries」が新たに仲間入り。こちらもすでに20種類を越える充実のラインナップを誇り、KRONOS Xの価値を一段と高めるものとなっている。さらに「KRONOS X」にはKRONOS Sound LibrariesのEXsエクスパンジョン・サンプル・シリーズのEXs10~13のデモ・モード版をプリ・インストール済み。実際に音を確認してからオーソライゼーション・コードを購入するだけで、あのリッチなサウンドが手に入れられる。

新開発の「ユーザー・サンプル・バンク機能」の装備も注目だ。これはユーザー自身が外部ソースや市販のライブラリーを本体内に取り込んで再生することができる、いわゆる「サンプリング機能」。KRONOS Xが搭載している大容量SSDを活用して、1つのサンプル・ファイルにおいて最大で6時間以上(モノラル録音時/ステレオではその半分)という、従来の単体サンプラー機では考えられなかった長尺のサウンドを録音することが可能だ。また、これらのサンプルは、ドラムキットやHD-1(PCM音源)、STR-1(物理モデル音源)、MOD-7(VPM/FMシンセシス音源)プログラム、ウェーブ・シーケンスに使用可能。究極のワークステーションKRONOS Xは「最強のサンプラー」という称号も手に入れたというわけだ。

一流ミュージシャンによるアーティスト・シグネチャー・サウンドが多数搭載されるのもKRONOS Xの大きな特徴だ。9つの音源を最大限に生かすために、コルグはプログラマー選びにもこだわった。そして得た答えは「一流ミュージシャン自身に、彼らの音をそのまま提供してもらう」こと。自分の手の内を明かしかねないこのむずかしい申し出に、多くの一流ミュージシャンが「コルグの新しい楽器の誕生のためなら」と快く応えてくれた。Jordan Rudessのピアノ、Herbie HancockやGeorge Dukeのエレピ、Tom Costerのダイノマイ/オルガン、Ricky Lawsonのドラム・トラックなど。一流アーティストの名前を冠したプログラムを選ぶだけで、彼らにしか出せない、おなじみのサウンドが手に入るのだ。

KARMA、ドラム・トラック、サンプリング、オーディオ録音、MIDIシーケンサーなど、パフォーマンスから音楽制作をサポートする機能も網羅する。ミュージック・ワークステーションとして、これ1台で音楽制作からパフォーマンスまでを完結させたい。PCによる制作環境全盛の今、コルグはあえてこの命題に正面から向き合った。プロ・ミュージシャンの求める、現場での「対応性の高さ」「絶大なる信頼感」というメリットを最大限に活かし、なおかつPCにはないリアルタイム性にこだわっている。このほか、全16系統を同時使用可能なリッチで高品位なエフェクト、モードを意識することなく1ボタンでプログラムなどのセッティングを呼び出し可能なセット・リスト・モードの搭載、音色切り替え時の音切れを解消したスムース・サウンド・トランジション、microKEYやnanoPAD2などのUSB MIDIコントローラー接続が可能、KRONOSエディター/プラグイン・エディター(無償ダウンロード)によるエディットなど多くの機能を備える。

PCとの連携では、市販のUSB Ethernetアダプターを使用して、KRONOS Xとコンピューター間での高速かつ簡単なファイル/データ転送を実現。これによりコンピューター上へのバックアップ・ファイルの作成、コンピューターからKRONOS Xへの高速なサンプル転送、コンピューターによるKRONOS X本体内のディスク上の管理などが可能。パソコンとの連携を高めることによって、音楽制作システムの構築に一段と貢献する。

KRONOS Xのラインナップは鍵盤数により88-key、73-key、61-keyを用意。88-keyモデルには、ハンマーを4段階の重さに分け、低音部ではより重く、高音部ではより軽い感触が得られる優れた性能を持つリアル・ウェイテッド・ハンマー・アクションのRH-3鍵盤を採用。そして73-keyモデルにも同じくRH3鍵盤を搭載。このクラスのシンセサイザー/ワークステーションでは異例の決断は、KRONOSの最大の魅力であるピアノ/エレクトリック・ピアノを、是非この最高の鍵盤で弾いて欲しいという、コルグからのメッセージだ。

なお、初代KRONOSのユーザーには、巨大なサンプル作成をサポートするシステム・バージョン2.0の無償ダウンロードの提供がアナウンスされている。詳しくは別記事を参照のこと。

<KRONOS Xのおもな仕様>
●鍵盤:
88鍵:RH3(リアル・ウェイテッド・ハンマー・アクション3)鍵盤
73鍵:RH3(リアル・ウェイテッド・ハンマー・アクション3)鍵盤
61鍵:ナチュラル・タッチ・セミ・ウェイテッド
●音源部
シンセシス方式:9種類
SGX-1 Premium Piano(アコースティック・ピアノ)
EP-1 MDS Electric Piano(エレクトリック・ピアノ)
HD-1 High Definition Synthesizer(PCM)
AL-1 Analog Synthesizer(アナログ・モデリング)
CX-3 Tonewheel Organ(トーンホイール・オルガン)
STR-1 Plucked String(フィジカル・モデリング)
MOD-7 Waveshaping VPM Synthesizer(VPM シンセシス)
MS-20EX(CMT アナログ・モデリング)
PolysixEX(CMT アナログ・モデリング)
●エフェクト部
インサート・エフェクト:12系統、ステレオ入出力
マスター・エフェクト:2系統、ステレオ入出力
トータル・エフェクト:2系統、ステレオ入出力
ティンバーEQ:1ティンバーにつき1基の3バンドEQ
エフェクト・タイプ:185種

◆KRONOS X-88
価格:383,250円
◆KRONOS X-73
価格:341,250円
◆KRONOS X-61
価格:304,500円
発売日:2012年7月下旬発売予定

◆KRONOS X 製品詳細ページ
◆コルグ
◆コルグのKRONOSが巨大なサンプル作成をサポートする特別なバージョン・アップ、システム・バージョン2.0登場
◆BARKS 楽器チャンネル
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