【フジロック】この夜の主役に相応しい堂々たる風格、日本人として誇らしきライヴ
FUJI ROCK FESTIVAL第4回目にして、記念すべき初トリを務めた日本のバンドが、初日のプランキー・ジェット・シティと2日目のミッシェルガン・エレファントだった。 これは洋楽色が強いこのフェスティバルでは歴史的事件だが、同時に日本の音楽シーンを見渡したとき、洋楽ファンをも納得させられる日本のバンドという意味で彼らが最も相応しかったということだろう。 定刻どおり、お馴染みのオープニング・テーマに促されるように彼らがステージに登場するやいなや沸き起こった大歓声が響き渡る中、おもむろに始まった瞬間の高揚感は、間違いなくこの日のハイライトだった。例によって殆どMCもない無愛想なステージングは、今では貫禄さえ感じられるほど彼ら一流のスタイルとして定着した感があるが、この日も矢継ぎ早に曲を繰り出しながらどんどんテンションを上げ、観客を休ませることなく煽っていく疾走感の心地よさは、クラブであろうと野外フェスであろうと一切関係ない。 しかも曲が進むほどにエンジンが温まり、斬りつけるような緊迫感溢れるビートに乗ってチバが叫ぶようなヴォーカルを聴かせた中盤の「Get Up Lucy」と「Out Blues」辺りの高まりは、ゾクゾクするほどスリリングだった。 そんな中、チバが一言「ハッピー・フジ・ロック、ハッピー・フジ・ロッカーズ」と語りかけると、それだけで熱狂的な反応が沸き起こるのもミッシェルならではで、それだけいかに多くの観客が彼らの登場を待ちわびていたかを何よりも雄弁に物語っていた。 その異常とも思える観客の盛り上がりぶりに、この日集まった観客の8割方はミッシェル目当てだったのではないかと思えたほどだ。 音楽的には彼らのようにイギリス風なR&Bやブルースを下敷きにした生粋のビート・バンドが、ここまで一般に受け入れられたのは日本のロック史上初めてのことだし、だからこそ洋楽ファンからも支持されているのだろう。 いつもよりドレスアップし、スタイリッシュなファッションでキメたメンバーは、この夜の主役に相応しい堂々たる風格すら感じられたし、非の打ち所のない演奏も含めて同じ日本人として誇らしく思えたライヴだった。 Reported by Yoshihiro Hoshina |
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