世代を超えたスーパー・ライヴ<JACK IN THE BOX 2008>
MAVERICK DC GROUP PRESENTS JACK IN THE BOX 2008
時代を作り上げてきたアーティストたちによる 世代を超えたスーパー・ライヴ!! 日本武道館 2008年12月27日(土) open 14:00/start 15:00
- Vocal:Anis(MONORAL)
- Guitar:antz(acid android)
- Guitar:kishi(acid android)
- Guitar:tomo(acid android)
- Bass:愁(ギルガメッシュ)
- Drum:yukihiro(acid android)
- Drum:yasuo(acid android)
- セットリスト
- 1. Thieves
- 2. Burning Inside
- 3. The Missing
- 4. Stigmata
この日、出演発表のなかったyukihiroが登場するサプライズでイベントはスタート。yukihiroのソロ・プロジェクト/acid androidのメンバーに、ヴォーカル・Anis(MONORAL)とベース・愁(ギルガメッシュ)を迎えたセッション・メンバーで、MINISTRYの4曲を披露した。
金網に囲まれたステージの中央で拡声器を持ち歌うAnisの姿や、左右同時に立ち上がる炎、クロスするライト、計算されたシンメトリーな世界の中でシンクロするツイン・ドラムに、声を上げるのも忘れてしまうほど見入ってしまう。
ラストで、スティックを叩きつけてステージを後にするyukihiroを見ながら、こんなすごいセッションがトップ・バッターに持ってくる、このイベントのすごさを改めて感じさせられた。
金網に囲まれたステージの中央で拡声器を持ち歌うAnisの姿や、左右同時に立ち上がる炎、クロスするライト、計算されたシンメトリーな世界の中でシンクロするツイン・ドラムに、声を上げるのも忘れてしまうほど見入ってしまう。
ラストで、スティックを叩きつけてステージを後にするyukihiroを見ながら、こんなすごいセッションがトップ・バッターに持ってくる、このイベントのすごさを改めて感じさせられた。
official site
- acid android http://www.tracksondrugs.com/
- MONORAL http://www.monoral.com/
- セットリスト
- 1. Break Down
- 2. smash!!
- 3. evolution
一転して、シンプルなステージに切り替わり、全身真っ黒な衣装で登場したギルガメッシュ。「楽しんで行こうぜ」と客席に声をかけ「Break Down」からライヴ・スタート。3曲という短いステージでありながら、左右の花道を存分に使い、会場全体を盛り上げるように楽しんでいる空気が感じられた。「ラストー!」の掛け声がかかるとドラムのЯyoが立ち上がり踊りながら客席をあおるなど、力強くもノリのいいナンバーを聴かせてくれた。
official site
- Vocal:左迅(ギルガメッシュ)
- Guitar:ミヤ(ムック)
- Guitar:タイゾ(ゾロ)
- Bass:たつひ(ゾロ)
- Drum:Яyo(ギルガメッシュ)
- セットリスト
- 1. rose
- 2. GLAMOROUS SKY
ギルガメッシュのЯyoが中心となって結成された“ゾロガムック”は、ムックのミヤや事務所内でも若手のメンバーが集まったセッション・チーム。土屋アンナの「rose」と中島美嘉の「GLAMOROUS SKY」(HYDE作曲)という、『NANA』つながりの2曲を披露。原曲よりもノイジーな雰囲気に仕上げつつも、丁寧な演奏で楽しんでいる空気があった。ちなみに、楽屋での会話の中で「ギルガメッシュは2人出てるのに、なんで“ガ”しかないの?」という質問に「イントネーションにギルガメッシュを採用してるから」との答え。この名前のセッションは、メンバーを入れ替えても成り立つのだそうだ。
- セットリスト
- 1. COSMO「S」フューチャー
- 2. ライオンベイビイ
- 3. KITSUNE
「あなたのお命頂戴いたします」という決まり文句で始まった彼らのライヴは、このイベントにしては珍しく、衣装も音もカラフル。初参戦の緊張感は感じられず、のびのびと楽しんでいるような印象を受ける。歌をメインにしたメロディアスな「COSMO「S」フューチャー」から、オルガンの音がクラシカルな世界観を作り出す「ライオンベイビイ」、そしてデジタルな音を絡めた「KITSUNE」まで、まったく違うタイプの3曲を披露。けれど、全体を通して色使い豊かな絵本をめくっているような世界観をきっちりと作り上げていた。ラストは「あなたのお命頂戴しました」のセリフで締め、彼らの存在感をしっかりアピールできたライヴになったのではないかと思う。
official site
- Vocal:マオ(シド)
- Guitar:ゆうや(シド)
- Bass:YUKKE(ムック)
- Drum:裕哉(ゾロ)
- Key:小池敦
- セットリスト
- 1. 丸の内サディスティック
「1曲しかやらないので、ムーディにお届けします」というヴォーカルのマオを中心としたセッションは、椎名林檎「丸の内サディスティック」。シドのドラム・ゆうやがギターを担当するという、パート・チェンジのセッションは、会場をおおいに盛り上げることになった。ベストのポケットに手を入れ、ゆったりと体を揺らしながら歌うマオは、伸びやかな歌声で会場を魅了する。もちろん、ぎこちない動きでエフェクターを踏むゆうやではあったが、自分で考えたというソロもしっかりと弾きこなし、新たなセッションのスタイルを見せてくれた。
- Vocal:逹瑯(ムック)
- Vocal:haderu(jealkb)
- Violin:hideki(jealkb)
- Drum:elsa(jealkb)
- G1:ediee(jealkb)
- G2:mofto(jealkb)
- Bass:dunch(jealkb)
- Key:chaos(jealkb)
- セットリスト
- 1. Link
- 2. 妄想アメリ
スクリーンに映し出された「魂の決着戦」の文字に続けて紹介されたのは、なんと逹瑯 VS jealkb。ヴィジュアル系のイベントで出会い仲良くしているという逹瑯とhaderuが、この武道館で決着をつけようということらしい。haderuが「日本でいちばん腰の低いヴィジュアル系バンドを目指してます」と丁寧に挨拶。「こんなにたくさん人がいるのに、どうして僕らのライヴにはお客さんが入らないんだろう」というMCで会場の笑いを誘うと、それを引き継いで「jealkbは、すげーロックな曲なんで踊ってください」と逹瑯。このセッションは、彼らが本気で音楽に取り組んでいる姿勢や楽曲の良さを知っている逹瑯が、武道館のお客さんに彼らの魅力をわかってほしいと思った粋な計らいだったのかもしれない。
official site
- jealkb http://jealkb.jp/
- セットリスト
- 1. 私は雨
- 2. モノクロのキス
- 3. 夏恋
- 4. エール
このイベントに初登場したときに「僕らのことを知ってる人?」と問いかけたら、パラパラとしか手が挙がらなかったというシド。3年後の今年(2008年)、会場全員が手を挙げ、彼らの登場を心待ちにしているという状況に変化したことを喜びつつも、そこは現状に満足しない彼らのこと。予想を裏切る形で、バラード「私は雨」をオープニング・ナンバーに選ぶあたりはさすが。フルートとアコギのイントロが印象的なメジャー・デビュー・シングル「モノクロのキス」から「夏恋」へとつなげる。「ラスト行けるか!」の掛け声の後はライヴでおなじみのナンバー「エール」で会場を盛り上げていた。
official site
- セットリスト
- 1. Rock And Roll
- 2. Speed
- 3. Deeper
- 4. 白い花
中間英明と白田一秀をギターに迎え、ベースにTAKASHI(BUG)、ドラムにJOE(44MAGNUM)、L'Arc~en~Cielのツアーでおなじみのサポート・キーボーディスト秦野猛行と共にLED ZEPPELINの「Rock And Roll」を披露。昨年(2007年)同様ハード・ロックなステージを展開するのかと思いきや、ソロ第一弾シングル「speed」に続き、3月にリリースされる「Deeper」まで聴かせてくれた。ソロとして初のアルバムのレコーディング中ということもあり、キッチリとした世界観を魅せつけるだけでなく、ヴォーカリストとしての存在感も高まったステージになった。
official site
- Vocal:hyde(L'Arc~en~Ciel)
- Guitar:ミヤ(ムック)
- Bass:明希(シド)
- Drum:ピエール中野(凛として時雨)
- Key:秦野猛行
- セットリスト
- 1. Sweetness
- 2. All Dead
ヒョウ柄のロングコートに身を包んだhydeが登場すると、会場からは悲鳴に近い声があがった。いきなりJimmy Eat Worldの「Sweetness」で会場を沸かした後、「飲みの席で、明希(シド)に“お前の好きにやっていいよ”って言ったら、こういうバンドになりました」というhydeのひと言に明希が照れたようにちょこんとお辞儀をする。そんな彼が選んだメンバーは、ギターにミヤ(ムック)、ドラムにピエール中野(凛として時雨)、そしてキーボードに秦野猛行。「次の曲は、3年前から、明希がやりたいって言って、わかったよ、じゃあ一回だけだぞ。みたいな感じで」と、L'Arc~en~Cielの初期の名曲「All Dead」が演奏される。明希に向かって“来い”というポーズを見せるhydeの空気を察知した彼が喜んで近づいていく姿、ギターソロを弾くミヤの肩にちょこんと顔を乗せて遊ぶhydeなど、どんなライヴでも見ることのない楽しげな姿があった。
official site
- L'Arc~en~Ciel http://www.LArc-en-Ciel.com/
- hyde http://www.hyde.com/
- 凛として時雨 http://sigure.jp/
- セットリスト
- 1. 美獣-Beautyful Beast-
- 2. Parade with the Midnightsun
- 3. NEW WORLD
- 4. Flower of Romance
「踊ろうぜ、武道館!」とのっけから会場を大きく包み込むようなステージを見せてくれるBUG。会場全体を隅々まで見渡し語りかけるように歌うkyoの姿は、貫禄そのもの。客席の歌声が響き渡った「NEW WORLD」では、花道をゆっくりと歩きながら、その歌声を聴き「サンキュー」と優しく応える。ラストの「Flower of Romance」まで4曲。まさにBUGらしいロックな雰囲気を感じさせてくれた。
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- セットリスト
- 1. ファズ
- 2. アゲハ
- 3. 蘭鋳
- 4. リブラ
ゆっくりと歩いてステージに登場した4人。中央で逹瑯が腰をかがめ客席に向かって手を挙げた瞬間にステージが暗転。「行こうか、武道館」の声と共に「ファズ」のイントロが流れ出す。続く「アゲハ」では、なんと! プロデュースとして関わったkenがギタリストとして参加。激しいドラムにベースが重なり、メタル・ギターが2本絡み合う。ステージ中央でのふたりのパフォーマンスは、この先も二度とないであろうまさに貴重なショットだった。「蘭鋳」では客席とカウント4でジャンプする一体感を見せつつ、ラストの「リブラ」を暗闇と炎の演出で聴かせる。4曲という限られた時間の中で、バンドの持つ魅力を最大限に感じさせることのできたステージだったのではないだろうか。
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- セットリスト
- 1. まだ友達がいた頃
ライヴも後半に差しかかり、次は誰なんだという期待感高まる中、ステージに登場したのは、シドのShinji。謎の黒人SP(らしき人)を引き連れて、ステージの中央でマイクを握る。「なにかセッションをやろうと思ったんですが、友達がいなくてセッションができませんでした。なので、少々照れるけど歌っちゃおうかな」と独特の口調で話し始める。実は、シドのライヴでも特別な日にしか演奏されない、Shinjiの弾き語りのスペシャル・ヴァージョンなのだ。その時その場所に合わせたオリジナルの歌詞(つぶやきか?)のシュールさに常に爆笑をかっさらっていくのだが、今回も、見事な1曲を披露し、達成感あふれる表情でステージを後にしていた。
- セットリスト
- 1. Fresh
- 2. REVERSE
- 3. Can't stop believing
- 4. Lonely Girl
tetsuの名前がスクリーンに映し出されると客席には、無数のペンライトが揺れだした。新曲「Fresh(仮)」、「REVERSE」、「Can't stop believing」とたて続けに歌声を披露すると一気に会場はポップ・ワールドが広がっていく。花道を駆け上がり、トップのフロアでは手に持ったバナナ型の水鉄砲を客席に向けるなど、サービス精神満載のパフォーマンスを見せる。ラストの「Lonely Girl」では銀テープが舞う中、サビに向かって抜けるような展開を見せた。「まったねー」という軽快な挨拶もtetsuらしく、あったかい気持ちになるステージだった。
official site
- Vocal:tetsu(L'Arc~en~Ciel)
- Vocal:T.M.Revolution西川貴教
- Guitar:INORAN(LUNA SEA)
- Guitar:雅-miyavi-
- Bass:SHUSE(ex.La'cryma Christi)
- Drum:白鳥雪之丞(氣志團)
- Key&Mani: 中尾昌文
- セットリスト
- 1. WHITE BREATH
- 2. READY STEADY GO
そして、なんと続くセッションでステージに登場したのは、ドラム・白鳥雪之丞(氣志團)、ベース・SHUSE(ex.L'acryma Christi)、ギター・INORAN(LUNA SEA)と雅-miyavi-という超豪華なメンツに、ヴォーカルとしてtetsu&T.M.Revolution 西川貴教のふたりが加わったスーパー・バンド。まるで漫才のような関西弁の軽快なトークから、ふたりでカラオケに行って決めたという「WHITE BREATH」と「Ready Steady Go」の2曲を、ふたりでハモりながら聴かせるという夢のような競演を見せてくれた。
official site
- T.M.Revolution http://www.tm-revolution.com/
- INORAN http://inoran.org/
- 雅-miyavi- http://www.o-re-sa-ma.com/
- SHUSE http://ameblo.jp/shuse/
- 氣志團 http://www.kishidan.com/
- セットリスト
- 1. I'm on Fire
- 2. It's Too Bad
- 3. Your Heart
- 4. No standing Still
この日のバンドとしてのトリを務めるのは、もちろん彼ら。「昨年の忘年会も楽しかったけど、今年はもっと楽しくなりたくないかい?」と客席に問いかけるPAULに応えるかのように、2曲目の「IT'S TOO BAD」では客席からも大きな歌声が聴こえてきた。ザラついたPAULの歌声と透明感のあるSTEVIEのツイン・ヴォーカルならではのユニゾンが気持ち良く響き渡る。1stアルバムからの楽曲も披露する、ファンにはたまらないステージに圧倒されるばかりだった。
official site
- Vocal:PAUL(44MAGNUM)
- Vocal:kyo(BUG)
- Vocal:hyde(L'Arc~en~Ciel)
- Vocal:逹瑯(ムック)
- Vocal:マオ(シド)
- Guitar:ミヤ(ムック)
- Bass:明希(シド)
- Drum:SATOち(ムック)
- セットリスト
- 1. MAVERICK DC SUPER MEDLEY 2008
ラストのセッションは、なんと事務所を代表するヴォーカリストたち、Paul(44MAGUNUM)、kyo(BUG)、hyde(L'Arc~en~Ciel)、逹瑯(ムック)、マオ(シド)が登場。44MAGNUMの「NO STANDING STILL」をkyoが歌ったかと思うと、ゆっくりとステージ中央に歩いてきたhydeがDie In Criesの「Nocturne」を歌う。すると逹瑯が歌うL'Arc~en~Cielの「浸食-lose control-」にhydeがコーラスで参加し、可愛くステップを踏みながらマオがムックの「流星」を歌ったのだ。そして、なんとシドの「モノクロのキス」をPaulが歌うという奇跡。「MAVERICK DC SUPER MEDLEY 2008」というタイトル通り、まさに夢のスーパー・メドレーを聴くことができた。
セッションに続く形で、逹瑯とマオのMCによりステージに呼び込まれる本日の出演者たち。「この事務所は、44MAGNUMから始まりました。だから、この曲で締めたいと思います」という逹瑯の言葉をきっかけに、この日出演したメンバーが集結し、MARVERICK DC SUPER ALL STARSとして44MAGNUMの「SATISFACTION」で大団円を迎えた。楽しそうにギターを弾くken。hydeはステージ全体が見える位置で楽しそうに微笑み、yukihiroはスタッフに引っ張られる形で花道をゆっくりと歩いて挨拶するなど、世代を超えたアーティストが“音楽を通じてひとつになる”というイベントの意義をきっちりと見せてくれた。
取材・文●大庭利恵
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