HALFBY、夏の海岸を暴走する「Slip ON」インタビュー

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■インタヴュー

――ドラムを録るときに注文したことは?

HALFBY:何種類かレコードを用意して、やってほしいイメージを伝えたくらいですね。ドラムの録音のときはちょうどタイトな状態で、京都で作業しなきゃならなかったんです。

――ヴォーカルで参加したビキニの女性グループって?

HALFBY:myspaceで見つけたんです。myspaceって世界中のアーティストが登録してコミュニケーションできるんで、僕はレコードのバイヤーの仕事上よく使うんです。日本では知名度がないけどよさそうなバンドとかも、そこでよく見つけられる。ヴォーカルで参加のCHICHISっていうのは、FABSっていうサーフバンドのフロントマンの女の子がやってるサイドプロジェクト。3人組の女の子がビキニを着てチープなリズムボックスなんかを鳴らしながらラテンポップスみたいなのをやってるコーラスグループで、myspaceでもすごく人気があるんです。

――CHICHISを気に入ったのは?

HALFBY:曲調が僕と一致していたことですね。欲しいなと思っていたコーラスパートも自分らの曲で多用してるので、合うなと思ったんです。声質とかで選ぶとややこしくなりそうだけど、スタイルが同じなら合わせやすいだろうと。実際リズムトラックを聴いてもらったら、かっこいいからやってみたいということで、話はかなりスムースに進みました。すでにデモができていて時間に余裕があったから、やり取りも密にできてよかったです。時間がなかったら、ひょっとしたらヴォーカルなしで完成してたかもしれない。

――タイトル曲以外の曲を紹介して。

HALFBY:2曲目は次のアルバムにも入れられるように作ったんです。1stシングル「SCREW THE PLAN」は、マンチェスタームーブメントを意識して作ったんですけど、アルバムでそれ1曲だけだとよく伝わらないかもしれないので、そういうのをもう1曲入れようと思った。それが2曲目の「IMPOSSIBLE CARPETS」です。3曲目の「BOOKSTORE PAL ON BRICK STREET (SHORT EDIT)」はブレイクビーツにフォーキーなギターが乗ってる感じの曲。

――今回、新たにチャレンジしたことは?

HALFBY:テンポですね。120bpsっていうテンポの曲は今まで作ったことがなかった。前回は100から110くらいにこだわって、それをベースにどれくらいのことができるかというのをやってみたんですが、今回はそこからさらに進むべきだなと思って、疾走感のあるものを作ろうと思いました。昔好きだったブリティッシュガレージのコンピとかを聴いて、そのあたりから起こしてきた部分もあるんです。

――バイヤーとして音楽的見地の広いHALFBYですが、今注目してる音楽シーンは?

HALFBY:相変わらずUKのロックシーンですね。面白いバンドが続々出てきているので。毎週どんどんシングルが出てきて、僕の家にも7インチがもう何十枚もたまってるし、myspaceとかでも出てきたバンドがすぐ人気が出ちゃう。イギリスって今どうなってるのかちょっと不思議な状況ですね。

――夏にリリース予定のアルバムは?

HALFBY:今もう最終段階の真っ最中です。今日もこれから京都に帰って続きをやらなきゃならないんですよ(笑)。ここまでシングル4枚を曲ごとに役割があるつもりで作ってきたんですけど、アルバムではその役割をもっと明確に出せるように、曲調のバランスをとった感じで作ってます。

――今後はどんな展開になりそう?

HALFBY:まだ何も決まってません(笑)。アルバムの後はまた方向性とかをじっくり考えて作っていきたいです。

取材・文●田澤 仁

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