──まず、簡単にチュラマナの成り立ちから教えてください。
上原まき(以下、まき):元々私は、今チュラマナでギターを弾いてる山内(雄喜)さんと一緒に“ハワイアーナ”っていうユニットを組んでアルバムも出してたんですけど。マッキーも別のユニットとかソロで歌ってたんだよね。
宮良牧子(以下、マッキー):そう。だから昔からイベントとかで顔を合わせて、お互い何となく知り合いではあったんですよ。で、そのつながりで“今度、マキまきコンビでジョイント・ライヴをやってみようよ”みたいな話になって。“じゃあせっかくなら、TINGARAで三線を弾いてるゲレン(大嶋)さんも入れたら沖縄とハワイ感が出てイイ感じになるんじゃない?”って。それで、人に紹介していただいて。
まき:で、4人で音を重ねてみたら、違和感なく、気持ちのいいユルさがあったんで、じゃあこのまま4人でやってみようかと。……っていうのが、チュラマナの始まったきっかけです。
──実際、チュラマナの音楽には気持ちのいいユルさがありますよね。今回の2ndアルバム『楽園の虹』も、聴いてて心のコリがほぐれていくような気がしました。と同時に、今作を聴いて感じたのは、チュラマナの核の部分と新たな未来みたいなのが提示されてて、その2つがまさに虹の懸け橋でつながれてるようなアルバムだなと。
マッキー:あぁ……かもしれないですね。1枚目の時は“この4人で何が出来るのか”っていうのを一番大切にして作ったんですけど、今回はそれプラス、ちょっと他の人の手も借りつつ、何か構築されたものができるといいね、って。そういうところから、ストリングスを入れてみたり、ちょっと新しいこともやってみたんです。だから、ここからまたどんどん変わっていきますよ、っていうのを見せることができたアルバムになったのかなって思いますね。
──アルバム・タイトルの『楽園の虹』っていうのは、オリジナルの新曲すべてに“虹”という言葉が入ってるから、そう付けたんですか?
マッキー:あ、よく気づいてくれました!! 素晴らしい(笑)。そうなんですよ。たまたま偶然、「美らマナ」にも「心に虹を」にも「夕焼けの庭」にも、どれにも“虹”っていう言葉が入ってて。
──たまたま偶然!?
マッキー:偶然なんです。で、虹って言葉には、さっきおっしゃってた“懸け橋”みたいな意味もあるし、チュラマナにピッタリじゃない?ってことで、タイトルにしたんです。
──その懸け橋……どこに懸けたいと思ってますか?
マッキー:やっぱり、沖縄とハワイかなぁ。
──沖縄とハワイをつなぎたい?
まき:それと、チュラマナを聴いてくださるみんなの心にも懸け橋を懸けたいし、いろんなところに懸けていきたいですよね。
──うんうん。あと今作では、「花」とか「アロハ・オエ」とか、沖縄やハワイの代表曲のカバーも入ってますね
まき:はい。しかもその代表曲を……「花」だったら(ハワイアン・ベースの)私がメインで歌ってたり、「アロハ・オエ」だったら(沖縄ベースの)マッキーが歌ってたりして。敢えてそうすることで、それぞれの島に対する敬意を表した、みたいな。
──なるほど。サウンド的にも「アロハ・オエ」には三線がフィーチャーされてたり、「花」にはスラッキー・ギターが使われてて、沖縄とハワイが見事に融合してますけど。じゃあそういうのも、それぞれに敬意を表す、ということで?
まき:そうですね。でも、なんだろう? あんまり融合とかね、そういうのは意識してないかもしれない。それよりも、この4人でやると気持ちいいね、みたいな。なんかそういう自然の感覚を大切にしてるというか……。
──あぁ……逆に言えば、そうやって意図的なものとか作為的なものがないからこそ、チュラマナの音楽はこれだけ純度の高い気持ちよさを生み出せてるのかもしれませんね?
まき:うん、そうかもしれない。
──ところでレコーディングは、どこで録ったんですか?
マッキー:都内のスタジオで。本当はハワイに行ってレコーディングしようって話が出て、私なんかもうノリノリで(笑)、パスポートまで申請したんですよ。なのに結局、その話はダメになっちゃって。
まき:ハワイアンはハワイで、沖縄の曲は沖縄でレコーディングをしよう!って言ってたんだけどね。
マッキー:まぁでも、楽しく録れたんで。
まき:うん。レコーディングも楽しかったし、実際こんないいアルバムもできたから。なんかね、1枚目を作った時にみんなで“どこの島でもないチュラマナ・アイランドみたいなのができたらいいね”って話してたんですよ。で、そこにはハワイと沖縄だけじゃない島も入れたいよね、みたいなことを言ってたんですけど。今回ブラジルの曲も2曲入れることができたし。なんかチュラマナ、ちょっと進んだかな、みたいな。
マッキー:うん。移動したかなチュラマナ、みたいなね(笑)。動く島、チュラマナ(笑)。
──チュラマナは動く島だったんだ!?
マッキー:はい(笑)、どんどん前へ進んでいきたいなと。そのためにもたくさんの人に聴いてもらいたいって思いますし。みんなでチュラマナ島を発展させていきましょう(笑)。
取材・文●赤木まみ