オオゼキタク、『デラックス・コレクション』インタビュー
オオゼキタク:そもそも家で音楽とか楽器が許されていなくて。音楽をやりだしたのは、大学に入って自分のお金でギターを買ってからですね。でもバンドはほとんどやったことがない。友達に頼まれてバンドのヴォーカルをやったこともあったんですけど、その頃はハードロックブームで、「ギャーッ」ってシャウトするようなのばっかり(笑)。これは僕のやりたい音楽と違うなと思ってバンドはそれっきり。自分の思い通りにもならないし、それ以降は自分のやりたい音楽は少人数でやろうと決めました。
オオゼキタク:大学3年のときに横浜駅で路上ライヴを見かけて、歌というのは人に大きな影響を与えられるんだということを実感して。それをきっかけにライヴハウスに出始めたんです。でもお客さんがぜんぜん集まらない。もう友達6人とか。知らない人たちに自分の歌をどうしたら届けられるのかと考えたときに、路上ライヴのことを思い出した。それで、ライヴの宣伝をするために路上ライヴを始めたんです。実はそこで出会った人たちが今もつながっているんです。とくに大きいのは、CMの音楽を作ってる方に路上ライヴで声をかけられて、センベイのCMの歌をやらせてもらったことですね。TVから自分の歌が流れてるのを聴いたら妙に自信がついて(笑)、勤めていた会社を辞めちゃったんです。
オオゼキタク:遠くの人にも気がついてほしかったし、やたらでかい声を出すだけで。とにかく聴いてほしくて、それだけでしたね。自分が歌いたいからやってるだけで、それがどう届いているかはまったく考えてなかった。
オオゼキタク:180度違いますね。それを変えられたので今の自分があると思います。実際にお客さんがどう聴いてどう受け止めるのかを想像して、どうすれば伝わるかを考えながら歌うようになりましたから。
オオゼキタク:そんなに怒鳴らなくてもいいんだって気付いてから、キーを低くして作ったり、メロディに隙間をあけたり、曲作りも自由になりましたね。ライヴでギター弾くときも、ガンガン叩くように弾くことはなくなった。
オオゼキタク:「セツナPOP」というのは、自分の中では実はスタート地点だと思っているんです。その言葉すら小さいと思えるほど大きくなりたい。その意味で、今回のアルバムでもせつないだけじゃなく、ポップなだけじゃなく、「セツナPOP」にこだわりすぎず今の自分をリアルに表現したいと思って作りました。今後は、色々なものをそぎ落として原点にあたるものを出していく、裸一貫で勝負、みたいなこともできればいいなと思ってます。
オオゼキタク:実際に多くの人たちにオオゼキタクの歌を届けていきたい。10月にワンマンライヴをやるんですが、それに向けて各地でライヴをガンガンやって、自分の歌を直接聴いてもらいたいと思っています。