「風待ちジェット/スピカ」インタヴュー

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――女性らしい曲にトライしてみたくなったきっかけは?  坂本:もともと“僕”っていう一人称で歌う、中性的な曲が多くて。自分でもその方がすんなり歌えるし、しっくりくるんですけど。でも……いろんなきっかけがあるんですけど、女の人の柔らかさではなくて、強さ、母性の強さみたいなものを出したいなと思ったんですよね。母性って、ある程度歳を重ねた人が持ってるものだと思ってたんですけど、女の人はどんなに若くても根底にそういうものがあるのかなって思うようになって。私も20代後半になり、自分よりも小さい子供や弱いものを守りたくなる気持ちが芽生えたんですね。今までは自分には縁の無いものだと思っていたんですけど。あとは、たまには男の子を支えるできた女、みたいな歌もいいんじゃないかな、と(笑)。  ――男を支えるできた女っていうのは、願望でもあります?  坂本:う~ん……人のことまで面倒見てられないので、支えるとかいうことはあまりしたくはないですね(笑)。でも、親の価値観を受け継いでしまうところがあるなと思っていて。わがままで世間知らずのお嬢様だった母が、学生運動をしていた貧乏な父と結婚して、いまだに仲が良いんですね。もう“いい加減にしてよ!”っていうくらい大らかな母なんですけど、父を支えてるなって思うんですよ。真面目で神経質な父に、母が良いトスを上げてるんだなって。たぶん女の人には、男の人の子供っぽい無邪気な部分をカバーするようなものが自然に備わってるんじゃないかと。  ――ほぅ。男の人のどういうところに惹かれますか?  坂本:それ、最近よく聞かれるんですけど、全然わからないんですよね。しっかりしてるクールな人が好きだと思ってたんですけど、意外にそうでもないと最近思ったり。何でも来いっていうくらい(ストライク・ゾーンが)広いんですよ(笑)。映画とかだと、ヒーローも好きなんだけど、ちょっと冷血で頭が良くて、王子みたいな悪役が好きで。最近吹き替えの仕事で関わった『プロミス』のニコラス・ツェーとかバッチリですね。でも実生活ではあり得ないので(笑)。最近は、今までまったく興味がなかった年下のコを“カワイイ!”と思うようにもなって、また“あぁ広がったぁ”と思ってます(笑)。  ――では最後に、今年でCDデビュー10周年ですが、何か計画していることは?  坂本:“10周年です!”ってガンガン言って特別なことはしない予定です。10年やってこられたことはすごく有難いし、うれしいんですけど。デビューしたのが早かったので、まだ26歳だし、ここでそんな張り切って謳わなくても、“まだまだがんばります”っていう気持ちなので(笑)。ただ、10年前から聴き続けてくれているファンの人たちもいるので、ファンの人たちに喜んでもらえるようなアルバムを作る予定です。もうイメージは湧いているので、楽しみにしていてください!  取材・文●望木綾子

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