注目のアンダーグラウンド・アーティスト“なのるなもない”、デビュー!

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new Album
『melhentrips』
2005年7月7日発売
P-VINE
PCD-26015 \2,730(税込)

1 夜の太陽 [♪]
2 まわらないで地球
3 break boy blues
4 僕の知る自由
5 まちぼうけ
6 風の詩
7 Life Traveler
8 旅のピーカブー [♪]
9 帰り道
10 月曜日の夢追い人
11 shermanship [♪]
12 クロスケ
13 海月
14 ぐるぐる
15 許されぬフルーツ

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一語一語、言葉を選びながらゆっくりと話す姿が印象的な彼。試聴音源やこの映像を観て、少しでも気になった人は是非とも彼の作品を聴いてみてください。

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──アルバム、素晴らしかったです。目線の高さがリスナーと異常に近い感じがするというか。同じ街、同じ時間、同じ時代を生きてる人の言葉、というか感覚がとてもありました。

なのるなもない:上から語るっていうよりは、同じ目線で語る方が響いたりすることもあるんじゃないかな、って思って。まあ、誰と同じ目線かっていうとわからないけど、どこかの“なのるなもない”人達なのかも知れない。

──あとこのアルバムの詩の内容が、答えを出していないニュアンスがあるところも好きで。例えばホームレスだとか、お金だとか、自分の生き方だとかトピックが盛り込まれているんだけど、それがダメとも言ってないし、それがただ描写したものでもないし。

なのるなもない:思想を押し付けたりするのは嫌いですから。むしろ感じ取ってくれた方がいい。結局、音楽って“耳を開くか、開かないか”がデカいと思って。そうなってくると、これをこうしろって言うよりも、感じとってもらえた方が無限にデカいのかなぁ、って。あとやっぱり答えと言うよりは、その時持った感情っていうものがその時の答えなのかな、って思うし。答えがあったとしてもそこに向かっていくってことが答えだったり、どんなに打ちのめされてもそれでも!っていうのが答えだったりするし。そうなってくると答えっていうものは……、それぞれが、それぞれの答えを出していけばいいかなと思う。

──特に印象的だったのが、10曲目「僕の知る自由」の抽象的な詩。すっごいデカいテーマを歌っているのかなと思わせてしまう。

なのるなもない:デカい……のかな(笑)。いや、ちっちゃいですよ、“僕の知る”自由だから。すごい個人的なテーマかなと思いますけど(笑)。よく「自由になりたい」って思うんです。でも、“自由”って、「自由になりたい!」と思ってると自由じゃないし。動物は“自由”じゃないですか? 寝たい時に寝るし、食いたい時に食う。そして、やりたい時にやりますよね。そうなれば自由なんだろうけど、それはないない。ぼく、他の曲で“自由が責任を取りにくる”って歌ってるんです。それと同じようにこの曲でも、いつ責任を取らされても大丈夫というか、そういう小さいけど確かな自由を歌ってるかな。

──さて、今回のソロ・アルバム制作に至る経緯は?


なのるなもない:降神でアルバムを作った時、アルバムから外れる曲が何曲かあったんです。でも、自分としては、そういう(アルバムから外れた)曲の方がやりきった感じがしてて。ぼくは次から次へ新しいアイデアが湧いたり、リリックを書きまくったりするタイプじゃないけど、常にやりたいことのイメージはあって。自分だけで言葉を、物語を追っていくようなやり方というのかな。そういうのをまとめて、ひとつの世界観を構成してみたかったんです。

──それはどんな世界観だったんですか?

なのるなもない:一番最初から「メルヘン」と「トリップ」っていうキーワードで制作していたんですが、それは今回のアルバム『melhentrips』とは違うものだったんです。その時の曲は、何曲か入ってますけど。なんというか、やってて今の自分の気持ちをあんまり語れてないような気がしたんです。それで、この“メルヘントリプス”というものが出てきた。この世界観は、綺麗なものじゃなくて、自分の中でいびつな恐竜みたいな存在で。そんな気持ちで作ってみたら、今回の作品を構成するパズルが揃ったような気がしたんですよね。


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