Raw Shack Productions

普段CDをツールとしてヒップホップを聴いている人にはRaw Shackというレーベルはあまり馴染みがないだろう。'95年2月ニューヨークで誕生したこのインディーズレーベルは瞬く間に頭角を表した。

当時日本においては本国アメリカよりもアンダーグランドかつクリエイティブなヒップホップが盛り上がりを見せ、口コミやレコード店のプッシュもあり、本作にも4曲が収録されているJ-LIVEがとてつもない売り上げを記録していた。そのJ-LIVEのラップは当時流行っていたギャングスタ物などとは一線を画すコンシャスなスタイルを持ち合わせ、インテリジェンスな風格が日本人の資質に合っていたのだろう。そしてトラック面でもオリジナルヴァージョンのストレートなテイストとリミックスにおけるDJ Spinnaの起用と戦略や先を見据えた人選にもこのレーベルは優れていた。

ちなみにJ-Liveは'96年に来日し、そのインテリジェンスなスタイルを存分にアピールした。そしてJ-Liveに続く刺客にはこのコンピレーションアルバムと同時発売されるMr.Complexであった。彼はこのRaw Shackからのリリースにあたってクオリティコントロールを握り、彼もまたプロデューサーにDJ Spinnaを起用したシングル「Visualize」が大ヒットを記録した。