内的苦悩と新次元に到達するための試み
内的苦悩と新次元に到達するための試み |
▲ライヴ中「楽しい~♪」を連発していたヴォーカル/吉井和哉 ▲“ロックンロール・ゴリラ”こと、腰砕け重低音ベーシスト/廣瀬洋一 ▲最後、オーディエンスに向かって深々と頭を下げた姿が印象深い。ドラムス/菊地英二 | THE YELLOW MONKEYの活動休止直前にセットされた2本のドームライヴ。 そこに冠されたタイトルは“メカラ ウロコ・8”。 もともと“メカラ ウロコ”シリーズは、バンドの誕生日を祝う宴的ライヴの性格を持ち、その意味ではメンバーもファンもある種の無礼講を楽しんできた。ところが、今回は最新アルバム『8』からの楽曲をしっかりと伝えようとするセットリストで、お楽しみな感覚は薄い。 それでも「今夜はやりたい曲重視で行きます」と言った吉井和哉のMCを額面通り受け取れば、つまり、トライアルの詰まったアルバム『8』を、活動休止の理由めいた作品にさせたくはないという思いが前面に出たセットリストだったと言えなくもない。 しかしながら、所々に適切に配置された、例えば「TVのシンガー」や「天国旅行」、はたまた亡くなったスタッフに関するMCを交えての「JAM」は、THE YELLOW MONKEYの狂おしい熱さがどこから出てくるのか? その熱源の在りかをやはり強力に放っていた。
「皆さんも悔いのない人になって下さい」という吉井のMCは、言外に「挑戦して変われ!」にも似たメッセージが含まれていたのではないだろうか? アンコールラストではドームを犬小屋にするべく「WELCOME TO MY DOGHOUSE」が演奏されたけれども、活動休止という4文字を直後に控えた「WELCOME~」は、なかなかに複雑な曲相を湛えていたと思う。 そして、僕は今、THE YELLOW MONKEYのニューシングル「プライマル。」を繰り返し聴いている。デヴィッド・ボウイやT-REXのプロデューサーとしてロック史に燦然とその名を輝かすトニー・ヴィスコンティとの共同プロデュース楽曲。 くぐもった城壁にひときわ目を引く赤い花を演出するような音作りは、原点回帰しながらバンドが自ら殻を脱ぐ楽曲になりえている。 これでもまだ足りない! と思う故の活動休止ならば、僕らはやはり待つしかないのだろう。 待つことに願いをかけながら…。 |
【セットリスト】 1、ジュディ 2、サイキックNo.9 3、STONE BUTTERFLY 4、DEAE FEELING 5、TVのシンガー 6、I LOVE YOU BABY 7、GIRLIE 8、天国旅行 9、カナリヤ 10、ROCK STAR 11、SHOCK HEARTS 12、Sweet & Sweet 13、JAM | 14、BURN 15、SUCK OF LIFE 16、バラ色の日々 17、パール 18、峠 <EN1> 19、メロメ 20、Pearl Light Of Revolution (真珠色の革命時代) 21、悲しきASIAN BOY <EN2> 22、BRILLIANT WORLD 23、WELCOME TO MY DOGHOUSE |
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