【ライヴレポート】michi.、生誕50周年企画始動「素敵な仲間たちに恥じないような生き方をしていく」

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michi.が4月13日、東京・赤羽ReNY alphaにて2024年初となるソロワンマン<Infinite orbit>を開催した。同会場で行われた2023年12月のライヴではソロ初となる東名阪ツアーなど今後の計画が発表されたが、今年2024年、生誕50周年を迎えるmichi.はこの日をスタートと定義づけ、“無限軌道を描き続ける”という想いを込めたタイトルのもと、駆け抜けるようなアクトで終始観客を魅了した。

◆michi. 画像

開演は17時。場内が暗転し、ステージに菅大助(G)、古谷圭介(B)、竹村忠臣(Dr)といったmichi.ソロでおなじみのメンバーが定位置につき、最後にmichi.がアーティストロゴをあしらったデザインの衣装で登場した。オープニングはALICE IN MENSWEARの楽曲「ハジマリノウタ」だ。美しいパフォーマンスとともに“♪銀河も流星も三日月も太陽も全て連れていこう”と歌うワルツを届け、時空を超えたファンタジックな世界に引き込む。



かと思えば、MASCHERAの楽曲「TRUTH IN THE STORMY GARDEN」ではイントロから両手を広げてジャンプ。フロアもハンドクラップとジャンプで応え、ライヴは前半から開放的なムードに包まれた。ピンクの照明の中、ソリッドなバンドサウンドと同期が融合する官能的なダンスチューン「PiLL≠GRiMM 」(ALICE IN MENSWEAR)ではその心地いいグルーヴに無数の手が揺れ、続いて疾走感たっぷりのロックチューン「PARADIGM SHIFT」(S.Q.F)を投下。シャウトを交えたmichi.のタフなヴォーカルに力強い拍手が沸き起こった。

「今年、50歳を迎えます。michi.です。よろしく! 半世紀やで」と挨拶すると笑い声が起こり、「それ、何のクスクス?」と笑顔。実際、michi.はまるで年をとることを忘れてしまったかのようにエイジレスだ。


「みんなと同じ東京で、同じ空間で、同じ時を分かちあえることができて本当に幸せです。ちょうどソロ活動も勢いづけるにはいいタイミングかなと思っていて、前回は“のんびり、マイペースでやっていくよ”って言いましたけど、今年はマイペースに少し拍車をかけて、みんなと一緒に駆け抜けていきたいと思いますので、よろしくね!」──michi.

前半から嬉しい宣言が飛び出し、「[e’kou]」(MASCHERA)から、生誕50周年を記念してフルHD ver.のMVが公開されたS.Q.F時代のシングル「SUPER FLOWER」へ。弾けるようにポップなメロディと光が注ぐようなサウンド。“何度でも咲き誇ってやるんだ”と歌い続ける意志を刻んだ曲が今のmichi.の心境とシンクロするように響いてきた。MASCHERA、S.Q.F、ALICE IN MENSWEARを経て、ソロ活動を開始してからのmichi.は過去のバンドやプロジェクトの楽曲をセルフカバーしてライヴを構築しているが、アップデートされた楽曲たちには、“今”という息吹が吹き込まれている。



シーンが切り替わるように幻想的な世界を描き出した「THE WORLD IS YOURS」(ALICE IN MENSWEAR)ではミラーボールの光が反射する中、両手でマイクを握りしめるように歌うmichi.の表現力に引き込まれ、中盤は空や海、ひいては蒼い宇宙に連れていかれるような錯覚を覚えるセクションだ。構築された繊細でドラマティックなサウンドとサビのメロディが中毒性の高い「Lost Child」(ALICE IN MENSWEAR)など3曲が届けられ、再び場面転換するようにインダストリアルなイントロから攻撃的でハードなアプローチに移行する「Dragonheads Snaketails」(MASCHERA)を投下。多彩なアプローチで攻めるmichi.に翻弄される。

歓声の中、michi.が生声で「もっと声が聞きたいな」「俺一人の声の方がでっかいんちゃうか?」と煽ると男性の太い声も。



「懐かしタイムもあったり、新鮮な時間もあったり、スタートにふさわしい楽しい時間を過ごさせていただいております。さて、ここからいよいよクライマックスにのぼりつめていきますが、前回ライヴでのコール&レスポンスではなく、ダンスプラクティスが好評だったから、今日もダンスプラクティス用の曲を用意させていただきました。今日、天気よかったし、暖かかったでしょ? 扇子とか持ってたりするんちゃうかな?」──michi.

「もちろん!」という声が客席から上がる中、「扇子がない人は手のひらでOK」と久しぶりに披露する「D.D.HEAVEN」(S.Q.F)ではmichi.が振りを丁寧にレクチャー。



後半戦はLEDの煌めく演出も効果的な装置になり、赤羽ReNY alphaはダンスフロアへとシフト。「D.D.HEAVEN」では色鮮やかな扇子が舞い、さらに熱量を上げていくダンスチューン「ROUND & ROUND」(S.Q.F)と一体感は増す一方だ。極めつけはmichi.が「じゃあ、今日もハレンチに飛ばしていくぜ!」と煽り、タオルが揺れた「Pre-TEA PARTY」(ALICE IN MENSWEAR)。会員制の妖しい秘密のパーティに招かれた気分にさせてくれた。

解き放たれた気分の中、本編最後に届けられたのはALICE IN MENSWEARの初期のナンバー「ALFHEIM」。それは、まるでこれまでの道程を振り返り、次のフェーズへと向かうよう。そんな意志を感じさせるmichi.の伸びやかで力強いヴォーカルが会場を満たしていった。


アンコールではおなじみのトリップ感溢れるナンバーに続いてイントロからmichi.がヘドバン、バンドのキメも爽快かつヘヴィな「スピードスター」(S.Q.F)で観客をピストルで撃つジェスチャーで興奮の坩堝に。大歓声の中、笑顔のmichi.からメッセージが届けられた。

「アンコールありがとう! さっき記念すべき半世紀を迎えさせてもらったっていう話をしたけど、俺自身が頑張っているから自分が生きてるっていうんじゃなくて、これまで自分に携わってくれた人たち、そして、これから会うかもしれない人たち、そういう人たちに生かされてるんだなって。そして何より、過去も未来ももちろん大切だけど、俺が一番大事にしているのは今、現在。ここにいる君たちに生かされているんだと本当に実感してます」──michi.


メンバー紹介を挟んで、ソロワンマン<Infinite orbit>ラストの曲はこんな言葉とともに贈られた。

「素敵な仲間たちに恥じないような生き方をしていくと誓う50周年、一緒に最後まで見届けてください! それでは、最後の最後になりましたが、これからもこの無限のメビウスの輪が続くように祈りを込めて、大切な人たちがいつか出会うその場所を目指して、大切に最大の熱量で歌いたいと思います」──michi.

今宵のライヴタイトル<Infinite orbit>へと繋いだ締めくくりのナンバーは「orbital」(MASCHERA)。“♪そしていつかまた逢おう 小さな惑星のどこかで”と歌うこの曲にいろいろな想いを重ねた人も多かったのではないだろうか。この日、ALICE IN MENSWEARの相棒、KOJIの名前を口にすることはなかったmichi.だが、もう会えなくなってしまったかけがえのない大切な人たちへの願いや祈りも、全て歌に込められているような気がしてならない。


終演後にはすでにオフィシャルサイトで発表されている6月のFC旅行、8月の東名阪ツアー、12月のワンマンに加えて、10月12日および13日にホームグラウンドでもある姫路ベータでライヴ(リズムセクションはMASCHERAのHIROとTOMO)を開催することを報告。「今年は大いに俺を盛り上げていきなさい!」と魔王の微笑みを見せたmichi.に拍手と歓声が降り注いだのは言うまでもない。

取材・文◎山本弘子
撮影◎河井彩美

■michi.有観客&配信ワンマンLIVE<Infinite orbit>2024年4月13日(土)@東京・赤羽ReNY alpha セットリスト

-Opening-
01. ハジマリノウタ (ALICE IN MENSWEAR)
02. TRUTH IN THE STORMY GARDEN (MASCHERA)
03. PiLL≠GRiMM (ALICE IN MENSWEAR)
04. PARADIGM SHIFT (S.Q.F)
-MC-
05. [e’kou] (MASCHERA)
06. SUPER FLOWER (S.Q.F)
07. THE WORLD IS YOURS (ALICE IN MENSWEAR)
-SE-
08. ABYSS (MASCHERA)
09. Lost Child (ALICE IN MENSWEAR)
10. Dragonheads Snaketails (MASCHERA)
11. Still I Love You (MASCHERA)
-MC-
12. D.D.HEAVEN (S.Q.F)
13. ROUND & ROUND (S.Q.F)
14. Pre-TEA PARTY (ALICE IN MENSWEAR)
15. ALFHEIM (ALICE IN MENSWEAR)
encore
16. EXCORE (ALICE IN MENSWEAR)
17. スピードスター (S.Q.F)
-MC-
18. orbital (MASCHERA)

■michi.有観客&配信ワンマンLIVE<Infinite orbit>配信情報

2024年4月13日(土) 東京・赤羽ReNY alpha
open16:30 / start17:00
配信:start16:50
※アーカイブ視聴期間:チケットによって異なります
※形式:有観客(SOLD OUT)&配信
▼出演
michi.
サポート:菅大助(G)、古谷圭介(B)、竹村忠臣(Dr)
【配信チケット】
https://unitedproducts.zaiko.io/item/362439
B-②ライブ配信チケット+30日間 (5/13[月]23:59まで)のアーカイブ視聴 ¥6,500(税込)+ZAIKO手数料
B-③ライブ配信チケット+DVD盤 ¥9,000(税込)+ZAIKO手数料
B-④ライブ配信チケット+DVD盤+CD ¥12,000(税込)+ZAIKO手数料
B-⑤ライブ配信チケット+Blu-ray盤 ¥10,500(税込)+ZAIKO手数料
B-⑥ライブ配信チケット+Blu-ray盤+CD ¥13,500(税込)+ZAIKO手数料
B-⑦ライブ配信チケット+アーカイブデータ+DVD盤+CD ¥16,000(税込)+ZAIKO手数料
B-⑧ライブ配信チケット+アーカイブデータ+Blu-ray盤+CD ¥17,500(税込)+ZAIKO手数料
(問)https://michi-solo.com/contact


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